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2007年6月27日 (水)

中間省略登記(?)の通達

以下は、本年1月(だったかな?)に出された通達である。また、これに関するその後の通達もでているので、少しこの問題について考えてみたい。

 この通達は、いわゆる「中間省略登記」についての通達と言われているが、照会文書を見ても、何ら中間を省略した登記ではない。

 別紙1は第三者のためにする契約と言われる方式であり、別紙2は買主の地位の譲渡と言われる方式である。よく読むと、それぞれ、売買契約に伴う所有権移転という物権変動は1個しか観念することができない。

 いわゆる中間省略登記とは、物権変動が複数存在し、それが連続している場合に、ひとつの登記申請により、最初の物権変動の義務者が登記申請上の義務者として、最後の物権変動の権利者が登記申請上の権利者として登記を行うこと(僕の勝手な定義)であり、実体関係を反映していないものとして問題視される。

 登記の実務としては、判決書の記載等により結果的に中間省略登記となるものはいいとしても、共同申請で中間省略登記を行うことは、実体関係に符合しないものとして問題視される。ときどき、「平成17年3月施行の改正不動産登記法により中間省略登記ができなくなった」と言われるが、実は、中間省略登記は、理論的には昔からできなかった。ただ、申請を受け付けた法務局で判別することができないので、事実上、中間省略登記ができていたにすぎない。

 平成17年3月施行の改正不動産登記法で、登記申請には、原則として登記原因証明情報を添付しなければならないこととなり、司法書士の職責として、虚偽の登記原因証明情報を作成することが許されないとの観点から(登記原因証明情報を作成することが司法書士の職務であるかどうかという小さな議論もあるがここでは触れない)、法施行を機に、共同申請により中間省略登記をする司法書士がいなくなったというのが実態である(なかには、一手に引き受けている司法書士もいるとの噂もあるが・・・)。

 なお、暴論ではあるが、であるならば、即決和解を利用すれば中間省略登記が堂々とできてしまうということにもなろうが、マニアックな展開になりそうなのでやめておく(続く)。

___________________________

第三者のためにする売買契約の売主から当該第三者への直接の所有権の移転の登記の申請又は買主の地位を譲渡した場合における売主から買主の地位の譲受人への直接の所有権の移転の登記の申請の可否について(回答)

本月21日付け照会のあった標記の件については,いずれも貴見のとおりと考えます。

【法務省への照会文書】

第三者のためにする売買契約の売主から当該第三者への直接の所有権の移転の登記の申請又は買主の地位を譲渡した場合における売主から買主の地位の譲受人への直接の所有権の移転の登記の申請の可否について(照会)

甲を登記義務者,丙を登記権利者とし,別紙1又は別紙2の登記原因証明情報を提供して行われた甲から丙への所有権の移転の登記の申請は,他に却下事由が存在しない限り,いずれも受理されるものと考えて差し支えないか,照会します。

別紙1(第三者のためにする契約)

登記原因証明情報

1 登記原因証明情報の要項
(1)登記の目的 所有権移転
(2)登記の原因 平成18年11月1日売買
(3)当事者
   権利者 A市B町1丁目2番3号
       (丙) 丙野太郎
   義務者 C市D町2丁目3番4号
       (甲) 甲山一郎
   2(1)の売買契約の買主
       E市F町3丁目4番5号
       (乙) 乙川花子
(4)不動産の表示
所在 X市Y町Z丁目
地番 7番9
地目 宅地
地積 123.45平方メートル

2 登記の原因となる事実又は法律行為
(1)甲は,乙との間で,平成18年10月1日,その所有する上記不動産(以下「本件不動産」という。)を売り渡す旨の契約を締結し,甲は,同日,売買代金全額を乙から受領した。
(2) (1)の売買契約には,「甲は,本件不動産の所有権を乙の指定する者に対し乙の指定を条件として直接移転することとする。乙から甲への売買代金の支払いが完了した後も,その指定があるまでは,本件不動産の所有権は,甲に留保される。」旨の所有権の移転先及び移転時期に関する特約が付されている。
(3)所有権の移転先の指定
平成18年11月1日,乙は,本件不動産の所有権の移転先として丙を指定した。
(4)受益の意思表示
平成18年11月1日,丙は甲に対し,本件不動産の所有権の移転を受ける旨の意思表示をした。

平成18年11月5日 ○○法務局●●出張所御中

上記登記原因のとおり相違ありません。

権利者 A市B町1丁目2番3号
(丙) 丙野太郎 印
義務者 C市D町2丁目3番4号
(甲) 甲山一郎 印
2(1)の売買契約の買主 E市F町3丁目4番5号
(乙) 乙川花子 印

別紙2 (買主の地位の譲渡)

登記原因証明情報

1 登記原因証明情報の要項
(1)登記の目的 所有権移転
(2)登記の原因 平成18年11月1日売買
(3)当事者
   権利者 A市B町1丁目2番3号
       (丙) 丙野太郎
   義務者 C市D町2丁目3番4号
       (甲) 甲山一郎
   買主の地位の譲渡人
       E市F町3丁目4番5号
       (乙) 乙川花子
(4)不動産の表示
所在 X市Y町Z丁目
地番 7番9
地目 宅地
地積 123.45平方メートル

2 登記の原因となる事実又は法律行為
(1)甲は,乙に対し,平成18年10月1日,その所有する上記不動産(以下「本件不動産」という。)を売り渡す旨の契約を締結した。
(2) (1)の売買契約には,「乙から甲への売買代金の支払いが完了した時に本件不動産の所有権が乙に移転する。」旨の所有権の移転時期に関する特約が付されている。
(3)地位の譲渡契約
乙は,丙との間で,平成18年10月11日,(1)の売買契約における買主としての地位を丙に売買により譲渡する旨を約し,甲は,これを承諾した。
(4)代金の支払い
平成18年11月1日,丙は,甲に対し,(1)の売買代金全額を支払い,甲はこれを受領した。

平成18年11月5日 ○○法務局●●出張所御中

上記登記原因のとおり相違ありません。

権利者 A市B町1丁目2番3号
(丙) 丙野太郎 印
義務者 C市D町2丁目3番4号
(甲) 甲山一郎 印
買主の地位の譲渡人 E市F町3丁目4番5号
(乙) 乙川花子 印

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