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2008年10月 8日 (水)

その債務整理、おかしいぞ (遠隔地の依頼者の受任)

2.遠隔地の依頼者の受任
 この問題は次項で述べる広告の問題とも関係するが、司法書士の事務所とは距離的に離れた依頼者の債務整理を行っている例が見られる。そのような場合、受任の際に依頼者と面談することなく、電話等により事情を聞いて受任に至っているケースがある。

 債務整理事件は、依頼者の生活状況を包括的に聞き取り、債権調査等を経て具体的な手続について打ち合わせをするなど 依頼者と濃密な信頼関係を構築する必要がある。また、実際に依頼者の顔を見ながら依頼者の心情を汲み取りながら生活全般について後見的な役割を果たす必要もある。したがって、依頼者に面談することなく債務整理事件を受任することは依頼者の生活再建に役立っているとは言えない。

 また、遠隔地の依頼者との面談を得て債務整理を受任したとしても、その後の依頼者との打ち合わせが濃密に行われているとは物理的に考えにくい。

 また、①過払金返還請求訴訟については依頼者の住所地を管轄する裁判所において提起することが効率的であり、②破産、民事再生は原則として債務者の住所地を管轄する地方裁判所に申し立てることを鑑みれば、遠隔地の司法書士がそのような対応をするためには困難が伴う場合が考えられる。特に、民事再生については地域によって再生委員選任の要否、再生委員選任のための予納金額が差異などの地域の実情を把握していなければ、適切な手続選択をすることができない。

 さらに言えば、債務整理事件については各地域で司法書士と行政機関等の連携が行われており、負債の処理のみならず生活再建全般について様々な角度からサポートが行われているが、遠隔地の司法書士では、そのような対応は不可能である。

 したがって、依頼者から見れば、地理的に、依頼者がいつでも立ち寄ることができる司法書士に事件を依頼することが望ましいことは明らかである。

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