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2008年10月21日 (火)

その債務整理、おかしいぞ(成功報酬)

Img_6906  成功報酬についての定義はないと思われるが、簡単に言えば、司法書士の一定の行為が紛争当事者の権利義務に直接影響して依頼者に好結果をもたらした場合の報償的報酬と考えられる。
成功報酬については、成功報酬の額(率)と、書類作成業務を行った場合の成功報酬の2点について考えることとする。
債務整理に関して言えば、成功報酬を検討する場面は過払金の返還を受けた場合が多いものと考えられ、その場合、返還を受けた額に一定の率を乗じた金額をもって成功報酬としているケースが多く見られる。
法律扶助の基準では、交渉によって得られた場合には15パーセントの成功報酬、訴訟によって得られた場合には20パーセントの成功報酬を認めている。司法書士の代理権の範囲が140万円までであることに鑑みれば、交渉・訴訟に要する労力、時間、得られる成果からみて、この程度の成功報酬は妥当なものであると考えられる。
しかし、なかには、3割~5割、あるいはそれ以上の成功報酬を得ている例もあるようである。報酬が、依頼事務の作業の対価、依頼に要した時間の対価、依頼事務の処理により得られた利益の対価であることを考えると、これらの成功報酬は高すぎるのではないかと考える。なお、弁護士の成功報酬体系を見ると、成果の額が高額になる程成功報酬の率を下げている例が一般的であると思われる。司法書士の場合には、次に述べるように書類作成業務によって成功報酬が発生するとは思われないため、成果の額は最高額でも140万円である。したがって、必ずしも、弁護士報酬のように成功報酬の率を細かく分けることまでは要しないのではないかと考える、
次に、裁判書類作成業務を行った場合の成功報酬についてであるが、そもそも、成功報酬は、司法書士が依頼者を代理して交渉または訴訟行為をした場合に、その行為にともなう報償的報酬として発生するものであると考えた場合、代理業務ではなく、書類作成業務により本人訴訟を支援した場合には成功報酬という概念自体発生しないものと考える。
たしかに、司法書士が書類作成業務を行って、依頼者本人が本人訴訟を遂行したとしても、本人が行った訴訟行為が裁判所における陳述程度であり、実質的には司法書士の行った書類作成業務によって成果を勝ち取ったものであるから、これに成功報酬の根拠を見いだす考え方もあるだろう。しかし、そもそも、書類作成についての司法書士の業務のあり方は、依頼者の主張を法律的に整序して書類を作成するものであり、本人を差し置いて司法書士の見解により書類を作成するものではない。そうすると、「司法書士の行った書類作成業務によって成果を勝ち取」るということ自体あり得ないものであり、仮に「そういうこともある」というのであれば、それは、司法書士法の定める書類作成業務の域を超えた業務を行っているというしかない。
これについては異論もあろうが、今一度、司法書士法3条に定める裁判書類作成関係業務と簡裁訴訟代理関係業務との本質的な違いを振り返るべきである。

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