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2010年8月21日 (土)

交通事故に基づく物損損害賠償請求(佐瀬淳司司法書士)メモ

被保険者・・・事故
       ↓
       保険会社に事故報告
       ↓
       損害調査部(サービスセンター)
           ・・・アジャスター、保険会社の社員
       自動車が修理工場に入ったとの連絡入る
             ↓
            立会・写真、見積取寄
            損害額が大きい場合、
            整合性がない場合は立会いを行う
       被保険者から事故の状況を聞いて、過失割合の交渉

1.709条の要件事実
 原告の被侵害利益の存在・・・通常は所有権侵害または利用権侵害
               東京地裁で、全損・評価損の場合は所有者に
               被侵害利益の存在を認定した例あり(利用者
               ではなく)
 被告の加害行為
 故意または過失
 損害の発生及び額
 因果関係・・・・・・・・・・非接触で過剰回避の場合 因果関係が問題となる

2.損害賠償請求額の算定
 損害額*(1-過失相殺率)+司法書士費用
 ※司法書士費用は過失相殺率を乗じた損害額の10パーセント程度が通常
  ただし、判決の場合にしか認められない

3.個別損害の主な項目

 修理費が認められる場合
  車両の時価額>修理代の場合に、必要かつ相当な金額
  ※問題となる事例 過剰修理・・・板金修理できる場合に交換、
                  部分損傷につき全塗装
                  ただし、バイクは板金なし、部品交換
           便乗修理・・・ついでに修理
                  事故側と反対側に損傷がする場合はガードレールに
                  あたっていないか注意
                  バイクは以前転んでいることがあるので
                  便乗修理になることがある
           改造車・・・・福祉車両、冷凍車は認められる
                  デコトラ、違法改造・・金メッキバンパー事件
                              ↓
                  因果関係認めたうえで5割過失相殺

 ※見積書
  ・未修理の場合、見積もりの内容どおりの修理で直るかどうかわからないので、
   依頼者に、その内容でいいかどうか確認する必要がある。
  ・見積もりだけとった場合には見積もり料を請求されることがある  
  ・ボンネットタイプ
  ・代車期間の妥当性の判断
  ・タクシー会社の見積もり
   社内の修理工場→部品代・工賃に消費税は発生しない
  ・一般的なボルト止めの部品・・バンパー、フェンダー、フード
                 ドア、トランク
  ・メーカーによる部品名称の違いがある場合がある

 評価損
  ・技術上の評価損
  ・取引上の評価損(事故歴自体に起因する交換価値の減少)
   判例はさまざま
   初年度登録から1年以内であれば認めている
   (国産で3年ぐらい、輸入車で5年ぐらいが限度という論文あり)
   高級車は認められやすい
   損傷・修理の部位及び程度
   自動車公正競争規約で表示義務がある部位は認められやすいか?
  ・修理費の○パーセントという考え方で定めることが多い
  ・立証書類・・・財団法人日本自動車否定協会の評価査定書、
          デーラーの作成する事故減価査定書
          車検証
          見積書
          写真等、
  ・保険会社は、100:0、登録から3か月以内でないと評価損は出ないと
   言うが、それは無視してよい。

 代車代
  ・代車の必要性
   必要性を要求する説が有力。通勤、通学等は必要と考える。
   レジャーは認められないことが多い。
   代替車両がある場合には必要性はない。
  ・期間の相当性
   相当な修理期間または買替期間が原則
   (工賃-塗装費用)÷レバーレート+塗装日数+部品待ち日数+作業場待ち日数
     ※レバーレート→工賃の単価
  ・保険会社は100:0の場合しか出さない。全損の場合は2週間から20日程度。
   東京地裁H13.12.26判決・・・加害者の真摯な努力が必要
  ・車種の相当性

 休車損害
  ・遊休車がある場合には認めないケースが多い
  ・人件費 車に乗っていた運転手の経費を乗せるかどうか、いろいろなケース

 買替差額 時価相当額と売却代金の差額
  ・時価・・・レッドブック
   全損の場合は買換諸経費を含めた全損害額と解すべき・・・東京地裁15.8.4判決
   名古屋地裁15.2.28は微妙な判断
  ・レッドブックに記載のない車(7年以上前の車)
   プレミアがついているのであれば・・・鑑定書、中古車雑誌
   プレミアがついていない場合は新車価格の10パーセント
  ・タクシー等の改造車・・・減価償却後の金額でもよいという判例あり

4.過失相殺率
 別冊判例タイムス(現在は平成16年版が最新)

5.任意保険概略

 損害賠償請求権の直接請求権
  被害者が保険会社に直接損害賠償を請求する権利
  例 加害者と保険会社を共同被告とするようなケースなどが考えられる

 弁護士等費用特約
  あまり使われていないが使い勝手がいいはず
  被害者が、加害者が話し合いをしない等の場合でも使える
  被保険者の範囲が広い
  約款により異なる

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