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2012年1月17日 (火)

抵当権者の同意により賃貸借に対抗力を与える制度 ~同意の登記~

Dsc_0125 前回、抵当権と借地権・借家権の優劣は、原則どおり、対抗要件具備の時間的前後により定まることを学習した。しかしながら、民法387条は次のように定める。

(抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力)
第三百八十七条  登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
2  抵当権者が前項の同意をするには、その抵当権を目的とする権利を有する者その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者の承諾を得なければならない。

つまり、借地権・借家権が抵当権者に対抗できない場合であっても、抵当権者が借地権・借家権を存続させるのが妥当であると判断した場合には、借地権・借家権が抵当権に対抗できることとしても何ら問題ないわけだ。

では、どのようなに場合は抵当権者はそのような判断をするのであろうか。一口で言うと、借地権・借家権を存続させておいた方が抵当権者の被担保債権回収に都合がいい場合ということだろう。

これまで経験した中では、人気飲食店が店舗として建物を賃借する際に、建物所有者に対する融資について抵当権を有していた金融機関が同意の登記をしたことがある。金融機関としては、債務者が債務の支払を怠った段階で人気飲食店の支払う賃料を差し押さえすることができるから、建物所有者よりも人気飲食店の信用度を高く評価したということであろう。
また、そのような場合であれば、競売になったとしても収益物件としての価値が認められるのかもしれない。

ちなみに、登記申請書は次のような振り合いになる。

登記の目的  ○番賃借権の○番根抵当権に優先する同意
原   因  平成○年○月○日同意
権 利 者  賃借権者
義 務 者  根抵当権者

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