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2012年2月 7日 (火)

商業登記申請に許可書・認可書を添付する場合

官庁の許可を要する事項の登記を申請する場合には、申請書に官庁の許可書又はその認証がある謄本を添付しなければならない(商業登記法19条)。

ただし、この場合の「官庁の許可を要する事項」とは、許可又は認可が登記すべき事項の効力要件である場合を言うとされる。したがって、営業認可のように当該許可又は認可が登記事項の効力発生要件ではない場合にはその添付を要しないとされている。

 非訟事件手続法第150条ノ2(商業登記法第19条)により登記申請書に添付すべき許可又は認可を証する書面は、当該許可又は認可が登記すべき事項の効力要件である場合に限り添付することを要する。(大正5.4.19、民第440号回答を変更)
(昭26.8.21、民事甲第1,717号民事局長通達・先例集下2415頁、登研45号25頁)

では、効力発生要件である許可又は認可にはどのようなものがあるか。

 銀行が、その営業の全部譲渡及びこれを条件とする解散の決議をした場合には、当該銀行については、大蔵大臣の認可を受けてその営業の全部を譲渡したときから銀行法の適用がなくなり、当該解散の決議は、大蔵大臣の認可を受けなくても、営業の全部を譲渡したときに効力を生じることとなるので、この場合の解散の登記の申請書に、営業の全部譲渡についての大蔵大臣の認可書又はその認証がある謄本及び営業の全部譲渡をした旨の公告をしたことを証する書面が添付されているときは、これを受理することができる。
(平10.6.2、民四第1055号民事局第四課長通知)

この先例は、営業の全部譲渡については認可が効力要件だが、これを条件とする解散自体は、既に銀行法の適用がなくなっているので認可は不要ということを確認したものだろう。

Dsc_0144 学校教育法
第四条  次の各号に掲げる学校の設置廃止、設置者の変更その他政令で定める事項(次条において「設置廃止等」という。)は、それぞれ当該各号に定める者の認可を受けなければならない。

なるほど、この条文を読むと、学校の設置は認可を必要とするため、いかに構造改革特区で株式会社が学校の経営を行う場合であっても、認可がなければ学校の経営を目的とした株式会社を設立することはできないということになる。営業許可ではないわけだ。(平16.6.18民商1765)

銀行法
(営業の免許)
第四条  銀行業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ、営むことができない。

銀行業を営むことを目的とする株式会社の設立登記の申請には、主務大臣の免許を証する書面の添付を要しない。
(昭31.11.15、民事甲第2,633号)

免許は銀行設立の効力要件ではなく、営業開始の要件のようだ。

債権管理回収業に関する特別措置法
(営業の許可)
第三条  債権管理回収業は、法務大臣の許可を受けた株式会社でなければ、営むことができない。

これも営業開始の要件のように読める。したがって、許可を受けなくても「債権管理回収業」を目的に定めることができる?

こういう整理でいいのだろうか。よくわからん。

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コメント

サービサーは、債権回収という文字の使用が義務です。そして免許がないと債権回収という文字が使用できないので、却下されることになります。
なので、免許書は必要になります。
銀行も銀行という文字の使用が義務ですから同様になります。
みうら債権回収設立準備株式会社 にすればよいらしいけれど。

証券会社は証券という文字の使用が義務でなくなりましたので必要ありません。

地裁や簡裁で、滞納家賃が支払われなかったら解除する。と訴状に記載して、解除されたら明け渡しを請求する訴えと滞納家賃の支払い請求を1通の訴状に書く場合は、建物の価格を基準とした明け渡しの印紙だけを貼ります。
滞納家賃は付帯の請求なので貼る必要がありません。
あとから明け渡しを取り下げても同様です。
滞納が1億円でも簡裁にも管轄があります。明け渡しは金額に関係なく地裁と簡裁の競合管轄ですから。
24.2.3民商298 特定非営利活動法人法改正。
特定非営利活動法人の清算人は各自代表のみであり、定款で制限できない。

合併に鉄道会社・トラック運送・バス会社は認可書が必須ですが、路面電車と航空会社は不要です。
路面電車は役員解任などがされるだけ。
航空会社は当然に免許が失効するだけ。失効した旨の届出を合併登記後に行うだけ。

解散に認可が必要な業種は多いけれど、定款変更の認可制度がないから存立時期を決めれば解散できちゃう。
銀行は存立時期の定めを禁止しているがほとんどの業種でそういう措置がない。

投稿: みうら | 2012年2月 7日 (火) 19時34分

たくさん情報をありがとうございます。
サービサーの件だけコメントします。

みうらさんのおっしゃるとおりだと思います。しかし、条文の書き方は営業開始の要件のように読めませんか?

だから、よくわからなくなってしまったのです。

滞納家賃の件は他の記事の方でコメントしますね。

投稿: 古橋清二 | 2012年2月 7日 (火) 20時08分

えっと、昭和15年以降は設立登記によりて成立することになるので、成立前には銀行免許が受けられないことになったんだ。
だから認可書は必要ないという通達が出た。内認可書を添付して行う。
銀行免許は、鉄道免許のように、発起人に与えられないんだ。
昭和14年以前は民法法人と同じだったので、成立後に認可を受けてから設立登記していたんだ。
みずほ統合準備銀行設立登記と長銀認可書についての通達が出たよね。

投稿: みうら | 2012年2月 8日 (水) 19時20分

なるほど、ですね。

投稿: 古橋清二 | 2012年2月 9日 (木) 07時42分

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