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2012年2月15日 (水)

手形債権、小切手債権の意味

Dsc_0150 金融機関の設定する根抵当権は、債権の範囲として「手形債権・小切手債権」が定められているが、これはどういう意味なのか考えてみたい。

(根抵当権)
第三百九十八条の二  抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
2  前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。
3  特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権又は手形上若しくは小切手上の請求権は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。

この条文からわかるように、根抵当権の債権の範囲は、①債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるもの、②債務者との一定の種類の取引によって生ずるもの、③特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権、④手形上若しくは小切手上の請求権、を目的として設定することができる。

この中で、債務者との「取引」に基づかない債権として、④手形上若しくは小切手上の請求権が規定されているが、これは、どういう意味か。

これについて、「手形上もしくは小切手上の債権」とは、いわゆる回り手形・回り小切手に関する債権であると言われている。つまり、債務者が振り出した手形又は小切手が裏書によって流通した結果、根抵当権者が当該手形又は小切手を取得した場合に取得する手形上・小切手上の請求権である。

根抵当権者が金融機関の場合、手形割引によって取得した手形により、金融機関が手形上の請求権を取得することは十分ありうる。しかし、事業会社が根抵当権者の場合、債務者が振りだした手形が回り手形として根抵当権者の元に回ってくることがどのくらいあるのだろうか。

そう考えてみると、事業会社が根抵当権者の場合には、債権の範囲として「手形債権、小切手債権」を登記する実益は乏しいのではないかとも思われる。もっとも、「手形債権、小切手債権」を登記しても余分に登録免許税を払うわけではないので、万が一、回り手形が回ってきた際のことを考えれば登記する実益が全くないとはいえない。

おそらく、事業会社もそういうことを悩んだ末に「手形債権、小切手債権」を登記しているのだろう。

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