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2012年3月28日 (水)

特別受益はどのように評価するか

遺産分割をする前提として、第一段階で相続開始時の財産、みなし相続財産を評価して個々の相続人の相続分を計算する必要がある。その際、特別受益についてどのように評価をするか、という問題である。
イメージとして、相続開始の30年前に大きな財産が贈与されたと考えてみよう。

特別受益の評価の基準時は、相続開始時とするのが通説、判例である。
 最判昭和51年3月18日(判時811号、50頁)
「被相続人が相続人に対しその生計の資本として贈与した財産の価額をいわゆる特別受益として遺留分算定の基礎となる財産に加える場合に、右贈与財産が金銭であるときは、その贈与の時の金額を相続開始の時の貨幣価値に換算した価額をもって評価すべきものと解するのが、相当である。けだし、このように解しなければ、遺留分の算定にあたり、相続分の前渡としての意義を有する特別受益の価額を相続財産の価額に加算することにより、共同相続人相互の衡平を維持することを目的とする特別受益持戻の制度の趣旨を没却することとなるばかりでなく、右のように解しても、取引における一般的な支払手段としての金銭の性質、機能を損う結果をもたらすものではないからである。」

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特別受益について、具体的な財産については次のように考えられているようだ。
(1) 土地
 相続開始時の土地の時価による。路線価などが多く用いられているようである。
(2) 建物
 建物についても相続開始時の時価によるとする見解があるが、贈与時の価額を相続開始時の価額に評価換え等するという説もある。
(3) 金銭
 物価指数により相続開始時の貨幣価値に換算する。具体的には、総務省統計局編「消費者物価指数」等を用いる。
(4) 動産
 建物と同じように、相続開始時の時価によるとの説があるが、嫁入り道具等については、贈与時の価額を相続開始時の価額に評価換えするという説もある。
(5) 株式、有価証券、ゴルフ会員権等
 相続開始時の時価による。
(6) 不動産取得のための金銭の贈与
 金銭の贈与と考えられるものの、具体的な不動産の取得のためであることが明白なときは上記不動産の贈与に準じて考えられることもある。

 なお、贈与の目的物が受贈者の行為によって滅失し、価格が増減したときでも、受贈者の故意又は過失によって事実行為として目的物を取りこわし、焼失し、棄損した場合のみならず、法律行為として売却した場合にも、その目的物が贈与当時の原状のまま存在するものとしてこれを評価する。逆に、不可抗力や第三者の行為による目的物の滅失等の場合には、相続開始時の現状にて目的物を評価することとなる。

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