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2012年3月 5日 (月)

復代理人の選任

静岡 登記事務適正処理委員会 平成3年度第3回第2問から

Dsc_0189 A信用金庫(本人)がB支店の支店長甲(代理人)に対して、
①A信用金庫を担保権者とする担保権につき、その設定・移転・変更もしくは抹消の登記申請に関すること
②委任状及び資格証明書の原本受領に関すること
③前記各号の行為をなすにつき復代理人選任に関すること(「復代理人に対し、さらに代理人を選任させること」という事項はない)
という内容の包括委任状を交付している場合、支店長甲より登記申請を委任された司法書士C(復代理人)は、その登記申請を司法書士Dに委任することはできない。

本問は、復代理人がさらに復代理人を選任できるかという問題である。上記の委任状の文言からは、復代理人がさらに復代理人を選任することまでは委任していないと思われる。では、このように、明示されていない場合に、解釈上、復代理人がさらに復代理人を選任することまで委任しているかという点が問題となる。

任意代理人による復代理人の選任については民法104条に規定がされている。

民法
(任意代理人による復代理人の選任)
第百四条  委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。

このように、本人の許諾を得ているか、やむを得ない事由があることが要件となっているので、本人の許諾文言がない本問では、復代理人がさらに復代理人を選任することはできないと考えられる。また、「やむを得ない事由」とはどういう場合かと考えてみると、復代理人が代理権を行使できない状況が生じてしまい、そのままでは本人に不利益が生じるおそれがあり、また、時間的にも物理的にも本人の許諾を得ることができないような状況というぐらいの事由だろうか。仮にそうだとすると、本問の場合は「やむを得ない事由」とまでは言えないだろう。

なお、登記申請について出頭主義が廃止された現在では、複代理人を選任する事案はほとんどなくなっている。

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