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2012年4月

2012年4月27日 (金)

民法改正・・・法律行為の無効(野々垣バージョン)

まとめるのが難しい話でした。

なお、古橋から、昨日問い合わせのあった工場財団の目録変更について説明をしました。

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2012年4月26日 (木)

自筆証書遺言の押印に関する判例

(自筆証書遺言)
第九百六十八条  自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに
を押さなければならない。
2  自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に
を押さなければ、その効力を生じない。

この「印」についての判例を調べてみた。

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最判昭和49年12月24日
日本に帰化したロシア人である亡Aがした自筆証書遺言について、亡Aの使用する言葉は主としてロシア語又は英語であり、日常の生活もまたヨーロッパの様式に従っていたことからすれば、亡Aが押印という我が国一般の慣行に従わなかったことにつき、首肯すべき理由があり、また、本件遺言者の如く欧文のサインがあるものについては、押印を要件としなくとも遺言書の真正を危くするおそれは殆どないことから、遺言者の押印のない本件遺言書は有効とするのが相当である。

最判平成1年2月16日
民法968条1項が自筆証書遺言の方式として自書のほか押印を要するとした趣旨は、遺言者の同一性及び真意を確保するとともに、我が国の慣行ないし法意識に照らして文書の完成を担保することにあると解されるから、同条にいう押印は、遺言者が印章に代えて拇指その他の指頭に墨、朱肉等を付けて押捺すること(いわゆる指印)をもって足りるとするのが相当である。

最判平成6年6月24日
遺言書本文の入れられた封筒の封じ目にされた押印をもって民法968条1項の押印の要件に欠けるところはないとした

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2012年4月25日 (水)

遺産分割により負担付で財産を取得した者の履行を確保する方法

遺産分割協議において相続財産を負担付を分割する場合、その負担の履行を確保する方法として、負担を履行しないことを遺産分割協議の解除条件とすることが考えられるが、東京地判昭和59年3月1日は、そのような合意は無効であるとしている。

この事案は、遺産の大部分を被相続人の長男に取得させる旨の遺産分割協議がなされた場合において、このような分割協議がなされたのは、相続人の1人である被相続人の妻の老後の世話を長男の妻に期待したためであるとしても、その情誼関係の破綻をもつて遺産分割の解除条件とするのは相続による法律関係をいたずらに不安定、不明確にするもので、そのような合意がなされたと認めることは相当でないし、仮にそのような合意があつたとしても、条件部分の合意は無効であるとしている。

このように、やはり、法律関係の法定安定性という観点から無効としているのである。

そうすると、間接強制類似の方法、つまり、債務不履行の場合には違約金を支払うなどの条項を設けるしか方法はないのかもしれない。

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2012年4月24日 (火)

母と同居して面倒をみるという負担付で遺産分割により相続財産を取得した者が母の面倒をみない場合遺産分割を解除できるか

母と同居して面倒をみるという負担付で遺産分割により相続財産を取得した者が母の面倒をみない場合遺産分割を解除できるか

母と同居して面倒をみるという負担付で遺産分割により相続財産を取得させたり、相続財産を取得させる代わりに代償金を他の相続人に支払うという内容で遺産分割協議が成立することがある。
しかし、協議で定めた筈なのに母の面倒をみない、代償金を支払わない、という場合、どうすればいいのだろうか。

まず考えられるのは、債務不履行による遺産分割協議の解除であるが、「代償金を支払わない」という場合には、単に金銭債務を履行しないというだけであり金銭の支払いを求めて訴訟提起などすればいいのであるから、「面倒をみない」場合の解除の可否について考えてみたい。

最判平成元年2月9日は次のように判示している。
「共同相続人間において遺産分割協議が成立した場合に、相続人の一人が他の相続人に対して右協議において負担した債務を履行しないときであつても、他の相続人は民法五四一条によつて右遺産分割協議を解除することができないと解するのが相当である。けだし、遺産分割はその性質上協議の成立とともに終了し、その後は右協議において右債務を負担した相続人とその債権を取得した相続人間の債権債務関係が残るだけと解すべきであり、しかも、このように解さなければ民法九〇九条本文により遡及効を有する遺産の再分割を余儀なくされ、法的安定性が著しく害されることになるからである。」

(履行遅滞等による解除権)
第五百四十一条  当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。

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つまり、遡及効がある遺産分割が解除できるということになると、法定安定性が著しく害されることになるから、民法541条によって遺産分割協議を解除することはできないというわけだ。

しかし、相続人全員の合意により解除することは差し支えないようだ(事案は異なるが、一般論として合意解除することができることを明らかにした最高裁判例として、最判平成2年9月27日(共同相続人の全員が、既に成立している遺産分割協議の全部又は一部を合意により解除した上、改めて遺産分割協議をすることは、法律上、当然には妨げられるものではなく、上告人が主張する遺産分割協議の修正も、右のような共同相続人全員による遺産分割協議の合意解除と再分割協議を指すものと解される))。

では、「母と同居して面倒をみる」という負担を履行させるにはどのようにしたらいいのだろうか(続く)。

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2012年4月23日 (月)

共有持分の一部移転登記を申請するときに添付すべき登記済証

静岡 昭和49年3月30日第288号局長照会、昭和49年10月25日第692号東京法務局長回答
甲が数回にわたって共有持分を取得した後、その持分の一部を乙に譲渡し、共有持分の一部移転登記を申請するときに添付すべき登記済証は、甲の不動産取得に係る全ての登記済証が必要である。

このケースは、数回にわたって取得した共有持分全体のうち一部を移転するという登記であるから、上記の結論になるのは当然であろう。

これに対し、昭58.4.4、民三第2,252号民事局長通達は次のとおり。

1 同一名義人が数回に分けて各別の登記により持分を取得している場合には、その登記に係るそれぞれの持分につき抵当権設定の登記又は持分移転の登記を申請することができる。
2 この場合における登記の目的の記載は「何某持分一部(順位何番で登記した持分)の抵当権設定(又は移転)」の振合いによるものとし、申請書に添付すべき権利に関する登記済証は、その持分取得の登記の際に交付された登記済証で足りる。

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一部移転、抵当権設定の対象がどこであるのかを考えれば、この結論も当然であろう。

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2012年4月20日 (金)

不動産登記の際の原本還付について(野々垣バージョン)

知識の再確認として、不動産登記申請の際の原本還付の可否について、条文にもとづいて説明があった。

(添付書面の原本の還付請求)
第五十五条  書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。ただし、令第十六条第二項 、第十八条第二項若しくは第十九条第二項又はこの省令第四十八条第一項第三号 (第五十条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第四十九条第二項第三号 の印鑑に関する証明書及び当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。

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2012年4月19日 (木)

相続財産からわずかな金額を葬儀費用に使用した場合と相続放棄の可否

大阪高決昭和54年3月22日の事例は次のようなものであった。
当事者は、被相続人X、妻Y1、子Y2、Y3であるが、Y1とY3はXの暴力などによりXと別居しており、Xと同居していたY2も、Xが自宅を売却したために家を出て行かざるを得ず、その後、Xと音信が途絶えた。

昭和51年に、突然警察から、Y3に電話があり、Xが死亡した旨の連絡があり、遺体は既に火葬されていたので同人の遺骨を貰い受け、警察署から約金二万の所持金と、ほとんど無価値に近い着衣などの引渡を受けたものの、その場で医院への治療費1万2000円、火葬料3万5000円の請求を受けたので、Xの所持金にY3らの所持金を加えてこれを支払った。

その後2年以上後、訴訟が提起されたことによりXは約145万円の債務があることを知った。そこで、Y3らは相続放棄の申述をした。

この判決は、なかなか読み応えのあるものであるので、一度見ておいていただきたいが、取り急ぎ興味がある問題として、相続財産から僅かな金額を葬儀費用に支出した場合、単純承認事由である「処分」にあたるのかについて判旨を見ておきたい。

「古い「家」制度の維持のための相続法では、相続人は、たとえば、旧民法上の法定推定家督相続人のように己れを犠牲にしてでも債務を含めた相続を甘受しなければならず、相続の放棄は相続人の恣意にゆだねられないところであつた。しかし、古い「家」の観念が崩壊し、個人の尊厳とその意思の尊重を基盤とするに至つた現行相続法においては、人は己れの意思に反してまで義務を負わされることがなく、相続の放棄も相続人の自由であるとされ、民法九一五条はすべての相続人に相続の単純承認、限定承認、放棄を選択する自由を与えている。そして、相続の放棄は、初めから相続人とならなかつたものとすることによつて、債務超過ないし債務のみの相続によつて相続人が過大なしかも自ら関与しない債務を負うことによる不利益から相続人を保護しようとするものであり,相続人に認められた選択の自由ないし放棄の自由は相続人の基本的人権にも繋がる重大な事柄である。
 元来、債権者は債務者である被相続人の一般財産を引当としてその債権の履行を強制し得るに過ぎないのであつて、それを越えて相続人自身の財産から満足を受けるというのは全くの僥倖というほかはない。そうであるからこそ、相続人の債権者において、相続人の固有財産と相続債務の混同を防止するため、民法九五〇条により相続人の財産の分離請求をすることが許されており、さらに、相続人が相続債務の債権者を害することを知つていたとしても、なお相続の放棄が許されるのであつて(最判昭四九・九・二〇民集二八巻六号一二〇二頁)、債権者保護に優先して相続放棄ないしその選択の自由を十分に確保する必要があり、これを実質上形骸化するような熟慮期間徒過についての安易な解釈、運用は許容できないところである。」
 
「前示相続の根拠及び民法全編を通ずる個人の尊厳ないしその意思の尊重の要請並びに民法九二〇条の「単純承認をしたとき」との文言に照らすと、単純承認は相続人の自発的意思表示に基づく効果であり、同法九二一条による単純承認の擬制も相続人の意思を擬制する趣旨であると解すべきである。したがつて、とくに遺産が債務のみの場合には相続人が通常この債務を承継してその支払を引受ける自発的意思を有することは稀なことであるから、その債務承継の意思の認定ないし擬制を行なうについては、特に慎重でなければならない。」

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「被相続人の所持金二万〇四三二円の引渡を受けたけれども、右のような些少の金品をもつて相続財産(積極財産)とは社会通念上認めることができない(このような経済的価値が皆無に等しい身回り品や火葬費用等に支払われるべき僅かな所持金は、同法八九七条所定の祭祀供用物の承継ないしこれに準ずるものとして慣習によつて処理すれば足りるものであるから、これをもつて、財産相続の帰趨を決すべきものではない)。のみならず、抗告人らは右所持金に自己の所持金を加えた金員をもつて、前示のとおり遺族として当然なすべき被相続人の火葬費用ならびに治療費残額の支払に充てたのは、人倫と道義上必然の行為であり、公平ないし信義則上やむを得ない事情に由来するものであつて、これをもつて、相続人が相続財産の存在を知つたとか、債務承継の意思を明確に表明したものとはいえないし、民法九二一条一号所定の「相続財産の一部を処分した」場合に該るものともいえないのであつて、右のような事実によつて抗告人が相続の単純承認をしたものと擬制することはできない。」

どうだろうか。被相続人の金品を使ったから「処分」にあたる、などという単純なものではなく、相続制度の根元から掘り下げて検討されたすばらしい判決だ。

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2012年4月18日 (水)

遺産から生じた果実は誰に帰属するか

相続財産のうち、賃貸住宅があり、相続開始後、毎月4万円の家賃が発生している。相続人は配偶者と子供二人。5か月後(つまり、家賃が20万円たまった)、遺産分割により賃貸住宅は配偶者が相続する旨の遺産分割協議が成立した。さて、20万円はだれが取得することになるのだろうか。

相続財産に預金や賃貸住宅などがあった場合、相続開始後にそれらから生じた利息や家賃などの果実はどのようなに性質があるのだろうか。まず、これらの果実が相続財産ではないことは明らかだ。なぜなら、相続財産とは、相続開始時に存在した財産のことを言うから、相続開始の際に存在していなかった果実は相続財産ではないということになる。次に家賃が5万円という金銭債権であることにも着目しておきたい。

遺産分割の効力が相続開始に遡ることを考えると、相続開始時に遡って元物の所有者が定まるのであるから、果実も、元物の所有者となった物が取得するといあ考え方もあるだろう。しかし、判例は、賃料について、「遺産から生じる賃料は遺産とは別個の財産であり、各相続人に帰属する」としている。しかも、賃料は金銭債権であるので、各相続人が相続分に応じて分割債権として確定的に取得するという趣旨の判断をしている。

もっとも、相続人全員が合意すれば、果実も遺産分割の対象として遺産分割協議をするというのが家庭裁判所の実務である。

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最判平成17年9月8日
遺産は,相続人が数人あるときは,相続開始から遺産分割までの間,共同相続人の共有に属するものであるから,この間に遺産である賃貸

不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は,遺産とは別個の財産というべきであって,各共同相続人がその相続分に応じて

分割単独債権として確定的に取得するものと解するのが相当である。遺産分割は,相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずるものであ

るが、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得した上記賃料債権の帰属は,後にされた遺産分割の影響を受け

ないものというべきである。

これって、以前、話題にしたことがあるかも。過去に何を話題にしたか、よくわからなくなってきた。

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2012年4月17日 (火)

遺言の内容と異なる遺産分割の可否

 遺贈や「相続させる」旨の遺言が存在する場合、理論的には、遺言の効果は遺言者の死亡と同時に生じ、当該財産は受遺者等に帰属することになるため、相続財産を構成しないと考えられる。
 しかし、実務的には、相続人全員の合意により遺言と異なる内容で遺産分割をすることが可能であり、家庭裁判所の実務としても行われている。

 遺言執行者が選任されている場合には、民法1013条が「遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることはできない。」と規定しているところから、相続人の合意が有効か否か、問題となる。
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 この点について、東京地判昭和63年5月31日判決は次のように判示している。

「本件合意は、本件遺言の解釈及び執行上の問題点を調整、解決するため、遺言執行者が働きかけてなされたものであるが、<中略>民法一〇一三条に規定する相続人による相続財産の処分行為に該当すると解する余地がある。しかしながら、右民法の規定は、遺言者の意思を尊重すべきものとし、相続人の処分行為による相続財産の減少を防止して、遺言執行者をして遺言の公正な実現を図らせる目的に出たものであるから、右規定にいう相続人の処分行為に該当するかのごとく解せられる場合であっても、本件のように、相続人間の合意の内容が遺言の趣旨を基本的に没却するものでなく、かつ、遺言執行者が予めこれに同意したうえ、相続人の処分行為に利害関係を有する相続財産の受遺者との間で合意し、右合意に基づく履行として、相続人の処分行為がなされた場合には、もはや右規定の目的に反するものとはいえず、その効力を否定する必要はないと解せられるのであって、結局、本件合意は無効ということはできない。」

つまり、①相続人間の合意の内容が遺言の趣旨を基本的に没却するものでなく、②遺言執行者が予めこれに同意したという要件のもとに民法1013条が適用されないことを明らかにしている。

次に、相続人全員が遺言の存在を知らないで遺産分割協議を行った場合について、最判平成5年12月16日は、遺産分割によって妻が相続したが、後に遺言が発見され、当該土地を3人の子供に相続させる旨の遺言が発見された事例であるが、錯誤無効の主張を斥けた原判決を破棄した。その理由は次のとおり。

「相続人が遺産分割協議の意思決定をする場合において、遺言で分割の方法が定められているときは、その趣旨は遺産分割の協議及び審判を通じて可能な限り尊重されるべきものであり、相続人もその趣旨を尊重しようとするのが通常であるから、相続人の意思決定に与える影響力は格段に大きいということができる。」
「遺言の存在を知っていれば、特段の事情のない限り、<中略>本件遺産分割協議の意思表示をしなかった蓋然性が極めて高いものというべきである」

いずれのケースも、「遺言の趣旨」を重視する点では共通しており、実務的には、遺言と異なる内容で遺産分割をする場合であっても、「遺言の趣旨」を尊重することが必要であろう。

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2012年4月16日 (月)

行政はがむしゃらに税金を回収するのか、それとも将来の良き納税者を育てるのか

最近、市町の税金回収がなかなかえぐい。容赦なく住宅などに差し押さえをしてくる。また、任意売却を前提に差押解除を要請しても、競売であれば何ら回収見込みのない場合でさえ、中途半端なハンコ代では解除に応じない。
競売をそのまま進めれば回収額ゼロ。任意売却で、例えば10万円の支払を条件に解除に応じれば10万円の回収が実現する。「10万円では足りぬ」とごねても、それ以上の支払がではなければ、やはり回収額はゼロ。これが民間企業であれば、「なぜ10万円で応じない? みすみす回収の機会を逃した」として株主代表訴訟の標的になりかねない。市民や監査委員などは、権力を笠に着たにわか回収マンを監視しなければならないのではないか。

ちなみに国税徴収法は次のように規定している。

(差押の解除の要件)
第七十九条  徴収職員は、次の各号の一に該当するときは、差押を解除しなければならない。
一  納付、充当、更正の取消その他の理由により差押に係る国税の全額が消滅したとき。
二  
差押財産の価額がその差押に係る滞納処分費及び差押に係る国税に先だつ他の国税、地方税その他の債権の合計額をこえる見込がなくなつたとき

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行政が差し押さえを解除しないという局面は、破産や任意売却以外にも不幸を招くことになる。

民事再生を申し立てて立ち直ろうとしている市民の住宅にも容赦なく差し押さえを入れる。この差し押さえをはずさなければ再生計画は認

可されない。なぜなら、民事再生法202条2項3号は、住宅を失うこととなると見込まれるときは認可しないことを明らかにしているからだ。したがって、開始決定すら出されないであろう。

目の前の財産からしゃにむに税金を回収しようとするのか、温かい目で将来のよき納税者を育てるのか、行政のあり方が考える必要があるのではないか。

(住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可又は不認可の決定等)
第二百二条  住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決された場合には、裁判所は、次項の場合を除き、再生計画認可の決定をする。
2  裁判所は、住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決された場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、再生計画不認可の決定をする。
一  第百七十四条第二項第一号又は第四号に規定する事由があるとき。
二  再生計画が遂行可能であると認めることができないとき。
三  
再生債務者が住宅の所有権又は住宅の用に供されている土地を住宅の所有のために使用する権利を失うこととなると見込まれるとき

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2012年4月13日 (金)

不動産取引に立ち会った司法書士の責任(野々垣バージョン)

野々垣司法書士から、大阪地裁昭和63年5月25日判決の事例について解説が行われた。同判決は、司法書士に対し、「実体関係に立ち入り、当事者に対し、その当時の権利関係における法律上、取引上の常識を説明、助言することにより、当事者の登記意思を実質的に確認する義務を負う」とした。

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うーん、あとはまとめられません。

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2012年4月12日 (木)

建物増築工事による所有権の持分変更と住宅借入金等特別控除

A所有の建物にBが銀行融資を受けてBが建築業者と請負契約を締結して増築による表示変更登記をすると、附合により建物全体がA名義となってしまう。そうすると、Bが資金を出しているにも関わらず建物はA名義となり、みなし贈与となるために、「贈与」、「代物弁済」、「真正なる登記名義の回復」などを登記原因として、持分割合を考えてAB共有名義にすることがよく行われる。

そこで、このような場合、増築前に、先を見越してAからBへの所有権一部移転登記を行ってしまう場合も見受けられるが、税務署の担当者によっては、増築登記前の贈与登記は「増築前の贈与」、表示変更登記によって附合した部分については「増築後の贈与」と判断することもあるので注意が必要である。

そして、さらに注意を要するのは、住宅借入金等特別控除の適用を受けられるか否かである。住宅借入金等特別控除の適用要件のひとつに、「自己が所有し、かつ、自己の居住の用に供する家屋について行う増改築等であること」というものがある。この基準時は、どうも、増築工事の請負契約時と考えられているようだ。そうすると、前の例のように建物の表示変更登記をしてから所有権一部移転登記をしても、請負契約成立の段階では「自己が所有」する家屋ではないのであるから、住宅借入金等特別控除が受けられないということになる。

それでは、みなし贈与にならないようにして、なおかつ、住宅借入金等特別控除を受けられるようにするにはどうすればいいか? 実は、これには秘策がある(ここでは公開しません)。

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なお、住宅借入金等特別控除とは次のような制度で、適用がある場合には大きなメリットがある。

住宅借入金等特別控除
居住者が住宅ローン等を利用してマイホームの新築、取得又は増改築等(以下「取得等」といいます。)をした場合で、一定の要件を満たすときは、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除する「住宅借入金等特別控除」又は「特定増改築等住宅借入金等特別控除」の適用を受けることができる。

住宅借入金等特別控除の控除額は、住宅ローン等の年末残高の1%(ただし、限度額あり。平成24年は限度額30万円)であり、10年間継続して控除できるから大きい。

ところで、この「一定の要件」とは、増築については概ね次のようなものである。
(1) 自己が所有し、かつ、自己の居住の用に供する家屋について行う増改築等であること。
(2) 増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕又は大規模の模様替えの工事などであること
(3) 増改築等の日から6ヶ月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
(4) この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3千万円以下であること。
(5) 増改築等をした後の住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住用に供するものであること。
(6) その工事費用の額が100万円を超えており、その2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること。
(7) 10年以上にわたり分割して返済する方法になっている増改築等のための一定の借入金又は債務があること。
(8) 居住の用に供した年とその前後2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など(租税特別措置法31条の3、35条、36条の2、36条の5、37条の5若しくは37条の9の2又は旧租税特別措置法36条の2若しくは36条の5)の適用を受けていないこと。

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2012年4月11日 (水)

貸金業者の管轄違いによる移送申立に対する対応

 昨日は、過払金返還請求訴訟の被告となった消費者金融業者が、本案前の答弁として、原告訴訟代理人司法書士の代理権は被告を含めた全債権者の債権総額を合算して140万円を超えていると推認されるから原告訴訟代理人は代理権がないとして、訴訟の却下を求めている事案を報告した。

 今日は、別の理由により「簡裁には管轄がない」として移送申立をしている貸金業者があるようなので、その話をしておく。

 移送申立の理由としては、①原告の経済的利益は過払元金と利息を合算したものであり元金だけなら140万円以内であるが利息を合算すると140万円を超える、②過払金請求は黙示に約定残高の不存在の確認請求をするもので過払金と約定残高の合計額が経済的利益である、ということのようだ。

 しかし、これも、昨日の考え方を見ていただければ論理的に誤っていることは明らかだ。

 すなわち、「通常想定される訴訟」は不当利得返還請求訴訟であり、債務不存在の旨を合わせて確認請求することはない(そもそも訴訟物が違う)。そして、「通常想定される訴訟」では付帯請求は合算しない。

 聞くところによると、こうした主張を出してくる業者は、その後、執拗に訴訟代理人である司法書士に和解交渉を持ちかけているらしい。代理権がないと主張するのであれば交渉を持ちかけるのは矛盾した行動である。つまり、無理筋でも何でも言いたいことを言って司法書士の腰を引かせ、その隙に和解に持ち込もうという意図が見え見えである。徹底して、移送申立に対する却下決定の山を築くべきである。

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2012年4月10日 (火)

複数の債権者の債務整理と司法書士の代理権

過払金返還請求訴訟の被告となった消費者金融業者が、本案前の答弁として、原告訴訟代理人司法書士は原告のほか複数の債権者の債務整理をしているのだから、代理連の範囲としては全債権者の債権総額を合算して140万円を超えているか否かを判断すべきであり、原告訴訟代理人は代理権がないとして、訴訟の却下を求めた。この事件は、当事務所で研修を受けた司法書士が原告訴訟代理人となっており、僕としてはしっかり支援していきたい。

被告の主張は、総額で司法書士法3条1項7号規定の範囲を超える債務整理の受任は司法書士法・弁護士法違反であり、原告訴訟代理人は原告から総額で司法書士法3条1項7号規定の範囲を超える債務整理を受任していると推認されるから司法書士法・弁護士法違反であり同条1項6号イの規定により本件訴訟を原告訴訟代理人が遂行することも司法書士法・弁護士法違反であると主張しているようである。

しかしながら、被告の主張は何ら法的根拠のないものである。
認定司法書士は、業として、「訴訟の目的の価額」が140万円を超えない簡易裁判所における民事訴訟手続について代理することができる(司法書士法3条2項、同条1項6号イ)。また、認定司法書士は、業として、「紛争の目的の価額」が140万円を超えない民事に関する紛争について、相談に応じ、裁判外の和解について代理することができる(司法書士法3条2項、同条1項7号)。

この「訴訟の目的の価額」は「訴えで主張する利益」(民事訴訟法8条)をいい、原告として全部勝訴の判決を受けたとすればその判決によって直接受ける利益を客観的かつ金銭的に評価して得られる額である。

また、司法書士法が、認定司法書士に民事訴訟の代理だけでなく、民事紛争の相談に応じることや裁判外の和解の代理まで許容したのは、これらが訴訟の前段階で行われる手続であるところ、認定司法書士が訴訟で代理できる紛争においては、その前段階の手続についても、代理するのが便宜であるためである。
したがって、上記の「紛争の目的の価額」とは、当該民事紛争において裁判外の和解が成立しなかった場合に、相談を受けた認定司法書士が「通常想定する訴訟」における「訴えで主張する利益」と解することになる。

被告の主張する根拠は不明なところが多いが、推測するに、多重債務者の債務整理事件に関する相談は司法書士法3条1項7号の業務であり、複数の債権債務を抱える相談者の相談は、その総額が140万円を超えるかどうかで認定司法書士の代理権を判断すべきであり、同条1項6号イの代理権の有無も上記当該判断基準をもって決するべき、というようなものであろう。

しかし、相談者が複数の債権者に対し債務を負担していたり過払金返還請求権を有している場合、債務不存在確認訴訟ごと、過払金請求訴訟ごと等、複数の当事者に対して一つの訴えを併合提起することが不可能なわけではないが、個々の債務ごとに訴えを提起するのが基本であり、民事訴訟法38条後段の場合に、訴訟経済を考慮して訴えを併合提起することができるにすぎない。

したがって、「通常想定する訴訟」は、個々の相談者の債務ごとに考えるべきである。
このように、訴訟の前段階で行われる手続の「紛争の目的の価額」は個々の債務ごとに定まるものであり、相談者の複数の債権者等の債権債務の総額で定まるものではなく、被告の主張は失当である。

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2012年4月 6日 (金)

清算株式会社の能力(野々垣バージョン)

会社法では、清算株式会社は清算の目的の範囲内でしか能力がないとされている。

(清算株式会社の能力)
第四百七十六条  前条の規定により清算をする株式会社(以下「清算株式会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす

商法時代は「清算の目的の範囲内」として、募集株式の発行、社債の発行はできないものと考えられていたが、会社法の下ではそれらができるものと考えられているようだ。これは、例えば、子会社が清算する場合に、親会社に対し募集株式を発行し、資金調達をして清算を進めるというようなニーズがあるためだ。

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なお、金銭の貸付は原則としてできないが、清算事務の範囲内で、かつ、清算事務に必要な場合は認められる(判例)。自己株式の有償取得はできないが無償取得はできる。

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2012年4月 5日 (木)

評価通知書の還付について

静岡 昭和45年第42回事務打合会
 評価通知書は原本還付はできないが、同一年度で、同一物件について申請する場合、申請書の添付書類の事項に「評価証明書は年月日受付第何号に添付のものを援用」と記載し、作成しておいた当該通知書の写しを添付することは差し支えない。

もともと、評価通知書は、地方税法422条の3の規定を根拠とするものである。市町村によっては評価通知書を発行していないところも多いが、登記所に通知していない以上、本来は発行すべきである。

地方税法
(土地又は家屋の基準年度の価格又は比準価格の登記所への通知)
第四百二十二条の三  市町村長は、第四百十条第一項、第四百十七条、第四百十九条第二項又は第四百三十五条第二項の規定によつて、土地及び家屋の基準年度の価格又は比準価格を決定し、又は修正した場合においては、その基準年度の価格又は比準価格を、遅滞なく、当該決定又は修正に係る土地又は家屋の所在地を管轄する登記所に通知しなければならない。

 条文を見ると、市町村長は登記所に通知しなければならないこととされているが、浜松などでは、登記の申請人が登記所宛の通知書を市役所で発行してもらって、それを登記申請書に添付している。そして、わずか10数年前までは、ある物件について1回評価通知書が発行されると、同一年度で同一物件の評価通知書の発行を受けることはできず、「通知済みです」と言われ、苦労させられたものだ。

 この「通知済み」というのは、「1回発行しているのだから市役所としては既に通知義務を果たしている」、という趣旨である。同一物件の評価を使うことは決して少なくなく(例えば区分所有建物の保存登記などでは、同一物件の評価を同一年度に何十回も使う)、本来、登記所に通知しなければならないのに、それをしていないにもかかわらず「通知済み」とは何事か、という思いだったが、浜松支部からの申し入れにより、年に何度でも発行されるように、取扱があっさり変更された。

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おそらく、近い将来は、市から登記所へまとめて直接通知することになり、本来の姿になるのだろうが、地方税法422条の3の立案担当者は、数十年前に、来るべき日を予想していたのだろうか。

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2012年4月 4日 (水)

便宜上特別受益証明を利用して遺産分割した場合の特別受益証明書の効力

 当事務所ではほとんど利用したことがないが、遺産分割協議書を作成せずに共同相続人中の1人あるいは一部の者の所有名義に相続登記するために、他の相続人から特別受益証明書を提出させているケースをまま見かけることがある。
 また、相続の相談を受けていると、言われるままに特別受益証明書を記載して提出したが、実際には、特別受益は受けていないという相談を受けることもある。

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 これらのように、便宜上、特別受益証明書を作成した場合、実際には特別受益を受けていないときは、当該書面の効力はどうなるのだろうか。つまり、特別受益証明書の意味が過去の客観的事実の証明にすぎないという解釈をすると、その内容が虚偽であるのだから当然に相続分を失なうということはなく、分割請求ができることになる。一方、特別受益証明書を作成した趣旨が、相続分の事実上の放棄であったり、相続分を取得しないという分割協議であるということになると、特別受益という事実の有無かかわらず無効とはいえず、改めて遺産の分割請求をすることはできないことになる。

 判例は肯定した例の方が否定した例より多い。しかも、否定した例は、特別受益証明書を作成した経緯が、周囲の者の圧力があったとか、他の者が偽造したものであった、他からの侵害から守るために通謀的に行われたなど、民法の一般原則から見ても無効であったり取り消しうるようなケースが多い。
 そうすると、そのような無効・取消事由がない場合は、原則として有効と考えざるを得ない。

無効とした判例
・「証明書」に本人の署名・捺印があるが、これは単独で遺産を承継する相続人や他の周囲の者の圧力によって生じたもので、必ずしも本人の真意に基づくものとはいい難い(大阪高決昭40.4.22)。
・「証明書」への署名・捺印が他の共同相続人ないしは第三者の偽造文書であるとき(東京高判昭56.5.18)
・単独で遺産を承継する相続人名義にしたのは、遺産を他に売却し、もしくは他からの侵害から守るための方便に過ぎず、右相続人の単独所有に帰せしめる合意に基づくものではない(大阪家審昭40.6.28)。

有効とした判例
・相続分なきことの証明書による単独相続登記の方法が分割協議の便法として登記実務上多用されている現状を考えると、仮に右証明書の記載どおりの生前贈与がなくとも、相続人間に全遺産を一相続人の単独所有に帰せしめる旨の意思の合致があった以上、これにより実質的な遺産分割協議がなされ、その過程で遺産に対する共有持分権の放棄又は贈与がなされたとみ得るから「相続分なきことの証明」による単独相続登記を無効とする必要はない(福島家審昭53.8.16)
・持分権の贈与と解した事例(大阪高判昭49.8.5、京都地判昭45.10.5、大阪高判昭53.7.20)
・相続分不存在証明書及び印鑑登録証明書を交付したころまでに遺産を単独取得する旨の遺産分割協議が成立したものと認め、相続分不存在証明書は遺産分割協議に基づく登記手続上協議書の提出に代えてこれを用いたものと解した事例(東京高判昭59.9.25)

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2012年4月 3日 (火)

所在不明株主の株式を処分した後に当該株主が現れた場合

株主の所在がわからず、管理コストを節減するために所在不明株主の株式売却制度を利用することがある。

 この制度は、①株式会社が当該株式の株主に対してする通知又は催告が5年以上継続して到達せず当該株主に対する通知又は催告を要しなくなったとき、かつ、②当該株式の株主が継続して5年間剰余金の配当を受領しなかったときは、株式会社は、当該株式を競売し、かつ、その代金を当該株式の株主に交付することができる、というものだ。

 売却の方法は、原則として競売であるが、例外として、市場価格がある株式については、市場価格として法令で定められる額で、市場価格なき株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、当該株式を売却することができる。
 裁判所の許可を得て売却した際の売却代金は、法務局で供託することができる。供託しない場合は、買受会社等は当該株主が現れるまで代金を管理しなければならない。

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 さて、当該株主が現れた場合は、当該株主は供託所に還付請求をすることができる。また、供託者が供託不受諾を理由に取り戻しをして、当該株主に交付してもいいだろう。

なお、会社・法人代表者の資格や印鑑の簡易確認手続は、現在は次のようになっているので注意が必要だ。

①供託窓口で発行される「依頼書」の受け取り
②証明書発行窓口に「依頼書」を提出
 印鑑カードが必要
③証明書等の受け取り
④証明書等を供託窓口に提出

ところで、売却代金は供託してもいいし、会社に留保しておいてもいいだろう。供託の場合は10年経過で取戻請求権、還付請求権いずれも時効消滅し、供託金は国のものになる。会社に留保しておいた場合は株主の売買代金請求権が時効消滅する結果、会社の雑所得となる。

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2012年4月 2日 (月)

収益物件の不動産の売買が行われた場合、将来の賃貸料が債権譲渡されていたら・・・・(野々垣バージョン)

こんなトラブルを未然に防止するためにはどうすればいいか。ひとつの方法として、債権譲渡登記の有無を確認する、賃借人に債権譲渡通知の受領の有無を確認するなどの方法が考えられる。しかしながら、買主側で、水も漏らさず調査することは不可能である。したがって、売買契約書に将来債権について債権譲渡がないことの保証条項を入れるなどの必要があるのではないか。

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また、仮に、債権譲渡されている場合には、あたかも売買時に抵当権を抹消するがごとく、売買代金で譲渡人・譲受人間の債権債務を清算して債権譲渡契約を解除するなどの必要があろう。

もっとも、売買が行われた時点で譲渡人は将来債権を受領する権原を失うのであるから譲受人は不動産の買主に対抗できないという考え方もあろう。しかしながら、賃料は賃貸人という立場で受領する権原が発生するのであり、所有者という立場で受領する権原が生じているわけではないから、検討を要するであろう。

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