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2012年6月 5日 (火)

相続分譲渡があった場合の登記の方法

民法
(相続分の取戻権)
第九百五条  共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。
2  前項の権利は、一箇月以内に行使しなければならない

この規定は、相続人が、遺産分割前に自己の相続分を譲渡できることを前提としている。これは「相続分譲渡」と呼ばれているが、共同相続人のうちの一人が、遺産分割協議を自分に有利に進めるため、他の共同相続人から相続分を譲り受ける場合などがある。特に調停を申し立てる場合には、調停に関わりたくない相続人から相続分譲渡を受けて分数的割合で優位な立場に立とうとするような場合に相続分譲渡が行われる。
このほか、バブルの時代は、共同相続人のうちの一人が遺産分割を待たずに相続分を現金化するために、相続分を不動産業者に譲渡し、不動産業者は他の共同相続人に立ち退きを迫るというようなことも行われたケースもあったようだ。

相続分の譲渡とは、遺産全体に対する分数割合の譲渡であり、いわば相続人の地位の譲渡であると言われている。したがって、相続分が他の共同相続人に譲渡された場合は、譲受人となる共同相続人の相続分は、本来自分の持っていた相続分に相続分の譲渡により譲り受けた相続分の合計になる。また、相続分の譲渡が、他の相続人以外の第三者に対してなされると、譲渡した相続人の相続分が消滅し、その分が譲受人に移転する。

相続分の譲渡があった場合の登記の方法については、相続分の譲渡が他の共同相続人に対して行われた場合と、他の相続人以外の第三者に対して行われた場合とで異なる。

(昭59.10.15、民三第5,196号)
 被相続人Aの共同相続人B・C・D・E・F(法定相続分各5分の1)のうち、C・D・Eがその相続分をBに譲渡した場合には、被相続人名義の不動産につき、B持分5分の4、F持分5分の1とする相続登記をすることができる。

Dsc_0216 これに対し、平4.3.18、民三第1,404号は、相続分の売買又は相続分の贈与等を原因として登記する旨通知しているので、明日、その詳細を見てみたい。

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