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2012年8月

2012年8月31日 (金)

消費者契約法3条(努力義務)の情報提供義務違反により損害賠償を認めた例

●大津地裁平成15年10月3日判決
 本件は,被告のパソコン講座を受講した原告が,厚生労働省の教育訓練給付制度(以下「本件給付制度」という。)を利用して受講することを希望していたが,被告の説明不足のために,同制度を利用することができなかったとして,被告に対し,受講料相当の損害金及び弁護士費用並びに遅延損害金の支払を求めている事案である。

不日告知の範囲の拡張
●大阪高裁平成16年4月22日
陳列していたダイヤモンドのファッションリングの値札に、一般市場価格という趣旨で、実際の価格の3倍以上に及ぶ価格を表示していた。
●東京簡裁平成16年11月29日
 消費者金融が、主債務者が保証人に対して虚偽の借り入れ目的を説明していることを知りながら、それを告げなかった場合

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2012年8月30日 (木)

清算結了の登記の申請書に添付すべき決算報告の承認があったことを証する書面について

登記研究773号の質疑応答である。ちなみに、質問者は「なまはげ」さんでした。

収入の額及び費用の額を明示せずに、清算結了時の残余財産がない旨のみを示した貸借対照表のみを添付し、これに承認を与えた旨の記載のある株主総会議事録を添付してなされた清算結了の登記の申請は、受理することができない。

 これは、会社法施行規則150条により、決算報告の内容が明示されているので、同条の内容が承認されたか否か不明な議事録を添付してなされた申請は受理できないとするものである。確かに、理屈としてはそのとおりだろうが、そもそも、「債権の取立て、資産の処分その他の行為によって得た収入の額」、「債務の弁済、清算に係る費用の支払その他の行為による費用の額」、「残余財産の額」が記載してあっても、その3つの数字だけでは何の算式も成り立たないのであるから、数字が書いてあってもチェックしようがないというのが現実だ。このあたりは、本当に「形式審査」となっている。

会社法施行規則
(決算報告)
第百五十条  法第五百七条第一項 の規定により作成すべき決算報告は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。この場合において、第一号及び第二号に掲げる事項については、適切な項目に細分することができる。
一  債権の取立て、資産の処分その他の行為によって得た収入の額
二  債務の弁済、清算に係る費用の支払その他の行為による費用の額
三  残余財産の額(支払税額がある場合には、その税額及び当該税額を控除した後の財産の額)
四  一株当たりの分配額(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式一株当たりの分配額)
2  前項第四号に掲げる事項については、次に掲げる事項を注記しなければならない。
一  残余財産の分配を完了した日
二  残余財産の全部又は一部が金銭以外の財産である場合には、当該財産の種類及び価額

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2012年8月29日 (水)

消費者契約法の判例から見た事業者性、消費者性の判断

事業者性についての判例
●個人のアパート経営者(肯定)
大阪高裁判決 平成16年12月17日(判例時報 1894号 19頁)
消費者契約法の施行後である平成13年7月7日に締結された本件更新合意によって、改めて本件建物の賃貸借契約が成立し、X及びYは、同法を前提にして賃貸借契約をするか否かを含め、その内容をどうするか等を判断し得たのであるから、更新後の賃貸借契約には消費者契約法の適用がある。
●転勤中の1回限りの賃貸(否定)
京都地裁平成16年7月15日(判例集未登載)
●大学(肯定)
最高裁平成18年11月17日

消費者性についての判断
●保証人(肯定)
東京高裁平成16年5月26日
●個人事業者(肯定)
大阪簡裁平成16年10月7日兵庫県弁護士会ホームページより引用
(1) 販売業者従業員が被告に対し、リース契約書に「個人事業者欄への記載」を勧め、被告がそれに従ったこと (2) リース契約申し込みの勧誘から契約書、リース物件借受証の作成・授受、契約内容の説明などは全て販売業者が行っていてリース会社と被告とが直接交渉をしたことがないこと(販売業者とリース会社との一体性の認定・業務提携関係) (3) 本件リース契約は事業者であるリース会社(原告)と消費者である被告との間での消費者契約であること (4) 商品の価格が著しく高額であることや被告や被告側証言の信用性を肯定したこと等から、 販売業者従業員の上記不実説明を認定して消費者契約法4条1項1号により本件リース契約の申し込みの意思表示の取り消しを認めたものである。
リース契約の形式を取ると、販売業者と消費者の契約とリース会社と消費者とのリース契約が形式上別個になるため、販売業者に不実説明があった場合、消費者はリース会社からのリース代金を拒むのが困難と思われていたところ、本判決のように販売業者とリース会社との一体性を肯定することにより、リース会社が消費者契約法上の「事業者」となり、消費者は消費者契約法に基づいてその意思表示を取り消すことができ、消費者救済の途が拡がったと考えられる。
●その他判例多数あり
個人事業者の場合、規模、屋号の使用、リース物件の置き場所(事業所か自宅か)、必要性、用途等により可変的相対的な判断がなされている。

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2012年8月28日 (火)

根抵当権設定者である所有権の登記名義人を被相続人とする相続を原因とする所有権の移転登記と根抵当権の債務者の相続との関係について

登記研究773の質疑応答である。

民法398条の8第4項(※)に規定する期間の経過によって同項及び同条第2項の規定により元本が確定しているとして代位弁済を原因とする根抵当権の移転の登記をするためには、登記記録上、根抵当権設定者である所有権の登記名義人の表示と当該根抵当権の債務者の表示とが同一であり、当該根抵当権設定者である所有権の登記名義人を被相続人とする相続を原因とする所有権の移転の登記がされている場合においても、債務者の相続による債務者の変更の登記(根抵当権の変更の登記)を省略することはできない。

※第398条の8 元本の確定前に根抵当権者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続の開始後に取得する債権を担保する。
2 元本の確定前にその債務者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債務のほか、根抵当権者と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続の開始後に負担する債務を担保する。
3 第398条の4第2項の規定は、前2項の合意をする場合について準用する。
4 第1項及び第2項の合意について相続の開始後6箇月以内に登記をしないときは、担保すべき元本は、相続開始の時に確定したものとみなす。

 これは、所有権の登記名義人と根抵当権の債務者名とが同一であったとしても別人の可能性があるという、登記独特の形式的な判断基準を前提とするものであろう。したがって、所有権について相続登記がなされていても根抵当権の債務者についても相続登記がなされていなければ、相続の開始後6箇月を経過としても、形式的には「確定している」と言うことはできない、という趣旨であろう。所有権の相続登記はやってくれたが根抵当権の債務者の相続登記(原則として根抵当権者と共同申請になる)に協力してくれないという場合には、ちょっとややこしいことになりそうだ。

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2012年8月27日 (月)

民事執行法82条2項の申出

久々に、民事執行法82条2項の申し出を行う抵当権設定登記の依頼があった。

競売物件を買い受ける場合、代金納付により裁判所から法務局に所有権移転と抵当権等の抹消登記の嘱託がなされる。新所有権の登記識別情報は法務局から裁判所を経由して買受人の手元に届くことになる。

しかし、この方法によると、金融機関が納付代金を融資をする場合、金融機関及び買受人が落札不動産を担保に取る場合、所有権移転と抵当権設定登記を連件申請することができないため、金融機関としてはリスクがある。そのため、金融機関としては融資に逡巡する。

この問題点を解消するため、平成10年に民事執行法が改正され、民事執行法82条2項により連件処理で担保権設定登記を行うことができるようになったのだ。

この方法は、買受人及び金融機関から、裁判所に対し、担保権設定登記を競売による所有権移転登記と連件で申請したいので指定する司法書士に対して所有権移転登記嘱託書を交付して欲しいとの申出をする。

これに対し、裁判所は、所有権移転登記嘱託書を指定を受けた司法書士に渡し、司法書士が所有権移転登記嘱託書と担保権設定登記申請書を連件で法務局に申請することができることとなる。

(代金納付による登記の嘱託)
第八十二条  買受人が代金を納付したときは、裁判所書記官は、次に掲げる登記及び登記の抹消を嘱託しなければならない。
一  買受人の取得した権利の移転の登記
二  売却により消滅した権利又は売却により効力を失つた権利の取得若しくは仮処分に係る登記の抹消
三  差押え又は仮差押えの登記の抹消
2  買受人及び買受人から不動産の上に抵当権の設定を受けようとする者が、最高裁判所規則で定めるところにより、代金の納付の時までに申出をしたときは、前項の規定による嘱託は、登記の申請の代理を業とすることができる者で申出人の指定するものに嘱託情報を提供して登記所に提供させる方法によつてしなければならない。この場合において、申出人の指定する者は、遅滞なく、その嘱託情報を登記所に提供しなければならない。
3  第一項の規定による嘱託をするには、その嘱託情報と併せて売却許可決定があつたことを証する情報を提供しなければならない。
4  第一項の規定による嘱託に要する登録免許税その他の費用は、買受人の負担とする。

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2012年8月24日 (金)

不動産の申請情報に成年後見人の記載を要するか

権利者A、A成年後見人B、登記申請代理人Cの場合に、申請情報にBの記載を要するかどうか、という問題である。Bが親権者の場合にも同様の問題が生じる。

不動産登記法改正以前は、Bが法定代理人であることは「代理権限証書」の一資料になるにすぎないと考えられていた。ところが、改正後は、これらの関係を明確にするために申請情報にBの記載を要するという見解があるようだ。その根拠は不動産登記令3条ということである。

不動産登記令3条を見てみよう。
(申請情報)
第三条  登記の申請をする場合に登記所に提供しなければならない法第十八条 の申請情報の内容は、次に掲げる事項とする。
一  申請人の氏名又は名称及び住所
二  申請人が法人であるときは、その代表者の氏名
三  代理人によって登記を申請するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名

3号は、明らかに登記申請代理人のことを指していると思われる。したがって、Bの記載を要するという根拠規定にはなり得ないのではないかと思う。

ちなみに、香川さんの書式解説でも記載を要するということは解説されていない。また、オンライン申請ソフトでも、「成年後見人」とか「親権者」などの選択肢がない。

いかがだろうか。

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2012年8月23日 (木)

法定相続人

 相続人が誰になるか、また、相続人の中で誰がどの程度の相続分があるかは民法で定められています。

 被相続人に配偶者がいる場合は、配偶者はどんな場合でも相続人になります。相続開始時に配偶者であれば、その後再婚しても相続権は失いません。相続開始時に配偶者でなかった過去の配偶者、たとえば前妻には相続権はありません。

 被相続人に子供がいた場合は、子と配偶者が相続人になります。配偶者が死亡していれば子供だけが相続人になります。被相続人に子供がいなければ、被相続人の父母と配偶者が相続人になります。配偶者が死亡していれば父母だけが相続人になります。
 相続人に子供がいなくて父母が死亡している場合は、被相続人の兄弟姉妹と配偶者が相続人になります。配偶者が死亡していれば兄弟姉妹だけが相続人になります。

 子供のうち、婚姻外で生まれた子供は非嫡出子と言われています。父との親子関係は認知があって初めて生じますが、認知があっても非嫡出子の相続分は結婚している男女間で生まれた嫡出子の2分の1です。

 養子は血族ではありませんが、法律上は血族と同様に扱われ、嫡出子の身分を取得します。これを法定血族といいます。養子にもらった子は実子と同じく相続人になります。養子は原則として、養親と実親の両方を相続します。つまり、養子に出した子も他の実子と同じように相続権者になります。

 胎児は、相続に関してはすでに生まれたものとみなし、死産の場合には例外的に生まれたものとみなさないということになります。胎児以外の相続人は胎児を参加させずに遺産分割をできるものの、胎児が生まれた場合には遺産分割は無効になり、分割をやり直すことになります。

 法定相続分についても、誰が相続人になるかによって変わります。
 配偶者と子がいる場合は、配偶者と子がそれぞれ2分の1ずつ相続します。配偶者が死亡していれば子が全部相続します。配偶者と親がいる場合には、配偶者が3分の2で親が3分の1をそれぞれ相続します。

 配偶者が死亡していれば親が全部相続します。配偶者と兄弟姉妹がいる場合には、配偶者が4分の3で兄弟姉妹が4分の1をそれぞれ相続します。配偶者が死亡していれば兄弟姉妹が全部相続します。子や親、兄弟姉妹が数人いるときは、人数で等分します。

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2012年8月22日 (水)

相続放棄と限定承認

 相続が開始した場合、相続人は次の三つのうちのいずれかを選択できます。
① 相続人が被相続人の土地の所有権等の権利や借金等の義務をすべて受け継ぐ単純承認
② 相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない相続放棄
③ 被相続人の債務がどの程度あるか不明であり,財産が残る可能性もある場合等に、相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐ限定承認

 そして、相続人が②の相続放棄又は③の限定承認をするには、家庭裁判所にその旨の申述をしなければなりません。なお、限定承認は相続人全員でする必要があります。

 相続放棄をすると、相続放棄をした者は初めから相続人ではなかったことになります。そのため、相続放棄により元々相続人ではなかった者が相続人になることがありますので注意が必要です。

 例えば、被相続人の子供だけが相続人の場合、子供たちが全員相続放棄をすると、子供たちは最初から相続人でなかったことになるため、被相続人の親が相続人になります。

 ところで、相続人となっていても相続財産を受け取らないという場合と、相続放棄した場合とは全く意味が異なります。前者の場合は、プラスの財産は取得しないとしても、被相続人の借金は相続することになります。

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2012年8月21日 (火)

死亡以外の相続の発生

 死亡以外に、裁判所から失踪宣告を受けた時も、相続は開始します。
 失踪宣告とは、不在者(従来の住所又は居所を去り,容易に戻る見込みのない者)につき、その生死が7年間明らかでないとき(普通失踪)、又は戦争、船舶の沈没、震災などの死亡の原因となる危難に遭遇しその危難が去った後その生死が1年間明らかでないとき(危難失踪)に、家庭裁判所に失踪宣告の申立てをすることができます。

 失踪宣告の申立てがあると、原則として、申立人や不在者の親族などに対して家庭裁判所調査官が調査を行っているようです。その後、裁判所が定めた期間内(普通失踪は6カ月以上。危難失踪は2カか月以上)に、不在者は生存の届出をするよう、また、不在者の生存を知っている人はその届出をするように官報や裁判所の掲示板で催告をして、その期間内に届出などがなかったときに失踪の宣告がされます。

 失踪宣告があった場合には、戸籍の届出が必要ですので、失踪宣告の審判が確定してから10日以内に市区町村役場に失踪の届出をしなければなりません。

 失踪者が生存していたときには失踪宣告は取り消されますが、取り消し前に当事者双方が善意でした行為は有効で、本人に財産を返還するときは残っている財産について返還することになります。

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2012年8月20日 (月)

死亡による相続の開始

 相続とは、被相続人の死亡により、被相続人の財産上の地位を相続人が受け継ぐことです。亡くなって相続される人を被相続人、生きていて相続する人を相続人といいます。相続する財産の対象は様々で、債権や不動産、退職金、電話加入権、生命保険金、預貯金、株式、現金、自動車などのプラスの財産だけではなく、借金のようなマイナスの財産も引き継ぎます。扶養請求権のような一身専属的な権利義務は、引き継がれません。

 法定相続によって遺産が承継されますが、遺言があれば、遺言の内容に従って遺産が承継されます。

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2012年8月17日 (金)

特定の財産が特別受益財産か否かを確認する訴えを提起することはできるか(野々垣バージョン)

相続人に関することで、特別受益に有無についての相談をうけることが多い。

 では、遺産分割に関するものとは切り離して、特定の財産が特別受益財産か否かを確認する訴えを提起することはできるのであろうか?

 最三小判平成7年3月7日判例は、「特別受益財産の該当の有無は、遺産分割申立事件、遺留分に関する訴訟など具体的な相続分又は遺留分の確定を必要とする審判事件又は訴訟事件における前提問題として審理されるのであり、右のような事件を離れて、その点のみを別個独立に判決によって確認する必要もない。このため、特定の財産が特別受益財産であることの確認を求める訴えは確認の利益を欠くものとして不適法である」と判示した。

 特別受益の財産が確定したとしても、相続をめぐる紛争の抜本的解決にはならないことを考えれば、上記判例は、当然の結果と思う。

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2012年8月16日 (木)

離婚による財産分与は詐害行為取消権の対象となるか

民法424条は、詐害行為取消権について次のように規定している。

(詐害行為取消権)
第424条  債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。
2  前項の規定は、財産権を目的としない法律行為については、適用しない。

つまり、「財産権を目的としない法律行為」は詐害行為取消権の対象にはならないこととされており、離婚による財産分与も財産権を目的としない法律行為であるという考え方が有力である。少し観点が異なるが、次の判例がある。

最高裁昭和58年12月19日判決
 倒産した夫が、協議離婚の際に財産分与として、妻が家業としておこなってきたクリーニング業の基盤となる夫名義の不動産を譲渡したことに対し、夫の債権者が、同譲渡が詐害行為に当たるとしてその取消しを求めた事案の上告審。
 分与者が債務超過であるという一事によって、相手方に対する財産分与をすべて否定するのは相当でなく、相手方は、分与者が債務超過である場合であってもなお、相当な財産分与を受けることを妨げられないと解すべきである。
 分与者が既に債務超過の状態にあって当該財産分与によって一般債権者に対する共同担保を減少させる結果になるとしても、それが民法768条の規定の趣旨に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情のない限り、詐害行為として、債権者による取消しの対象となりえない。

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2012年8月15日 (水)

いよいよ明日です。家族に相続争いを起こさせない遺言書の作り方

まだ間に合います。

お問い合わせ、申込みはエムズ倶楽部宛0120-24-2880にお願いします。

Emsclubannai

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2012年8月14日 (火)

媒介業者が調査確認をしないまま、買主が残代金を支払って、売主業者がその後倒産し、買主が根抵当権の極度額の損害を受けた場合において、媒介業者に登記簿閲覧等の調査義務違反が認定され、買主にも5割の過失相殺が認められた事例

 東京地裁平成8年7月12日判決は、土地売買契約締結後、引渡前に売主業者が目的物件に根抵当権登記をしていたにもかかわらず、媒介業者が調査確認をしないまま、買主が残代金を支払ってしまった事例である。

 その後、売主業者が倒産したが、買主ものんびりしていて、当該不動産購入後5年ほど経過してから根抵当権が設定されているのに気付き、自らの費用で根抵当権を抹消した。そこで、根抵当権の極度額の金額の損害を受けたとして、媒介業者に登記簿閲覧等の調査義務違反があると認定した。しかしながら、買主にも過失があるとして5割を相殺した事例である。

 このケースで、仮に、司法書士に対しても損害賠償請求されていたら、果たして、媒介業者と司法書士の負担割合がどのようになっていたか興味があるところである。このケースでは、媒介業者の報酬は約60万円であった。
 司法書士の報酬は不明であるが、取引された不動産の売買代金等から推測すると、数万円程度ではないかと思われる。根抵当権の登記を存置したまま取引を行ってしまったという内容からすると、受領した報酬の金額とは関係なく、司法書士に重い責任が課されても不思議ではない。

本件の買主が一般消費者なのか、業者なのかは不明であるが、5割の過失相殺はなかなか重い感じがする。

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2012年8月13日 (月)

「家族に相続争いを起こさせないための遺言書の作り方」セミナーのご案内

相続争いの7割は財産家ではなく、ごく普通の家庭で起きていることをご存じですか?
将来相続争いが起きないように、気持ちが伝わる遺言の作り方を学びましょう。

なお、ご近所の方でお誘い可能な方がいらっしゃいましたら、是非お声をかけて下さい。

会場  エムズ倶楽部 城北サロン  (静大工学部筋向かいの「駿河銀行・北隣り」) 
TEL: 0120-24-2880 
日時  8月16日(木)・27日(月)13:30~15:00 
講師  古橋 清二 司法書士法人中央合同事務所代表
受講料 \1,000    
        
備考  ※開催内容は同じですのでご都合の良いどちらか1日にご参加ください。
[お申込]  0120-24-2880 までご参加をお気軽にお問合せ下さい。
                
なお、ご参加の方は「予約」をお願いします。駐車場も有ります。

Emsclubannai

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預金通帳の法的性質

預金通帳や預金証券は証拠証券と呼ばれています。証拠証券は、一定の事実を証明する書面にすぎず、証拠証券上に何らかの財産上の権利が記載された場合でも、その権利は当該証拠証券とまったく離れて発生・行使・移転され、それらについて当該証拠証券を必要としません。したがって、証券自体に価値がある有価証券とは異なります。
通常、預金の名義人は、預金が自分のものであることを証明するために預金通帳を持参していますが、名義人が死亡した場合には、もはや自分の預金であることを証明することができないばかりか、証明する必要もなくなってしまい、証拠証券としての意義を失ってしまいます。
そのため、故人の通帳を持っているからといってその者に相続権を認めることにはなりません。

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2012年8月 9日 (木)

金融機関における被相続人名義の預金口座の取引履歴開示義務

 共同相続人の一人が金融機関の取引履歴の調査をするのは、被相続人の生前に、他の相続人に預金が流出していないかなどを調査する目的があると思われる。したがって、金融機関として、当該請求に応じることにより、他の相続人から「なぜ履歴を開示した」とのクレームを受けることが予想されるため、履歴の開示に消極的であるかもしれない。

 しかし、預金者が死亡した場合、その共同相続人の一人は預金債権の一部を相続により取得するとともに、共同相続人全員に帰属する預金契約上の地位にもとづき被相続人名義の預金口座についてその取引経過の開示を求める権利を単独で行使することができる。したがって、金融機関としては開示請求に応じる義務がある。

 もっとも、逆に言えば、最高裁判決の取扱いにしたがった対応をすれば、このような請求に応じたことによって他の相続人から守秘義務違反に問われるおそれもないと言うことができる。
 
最高裁判所第一小法廷 平成21年1月22日
預金者が死亡した場合,その共同相続人の一人は,預金債権の一部を相続により取得するにとどまるが,これとは別に,共同相続人全員に帰属する預金契約上の地位に基づき,被相続人名義の預金口座についてその取引経過の開示を求める権利を単独で行使することができる(同法264条,252条ただし書)というべきであり,他の共同相続人全員の同意がないことは上記権利行使を妨げる理由となるものではない。
 上告人は、共同相続人の一人に被相続人名義の預金口座の取引経過を開示することが預金者のプライバシーを侵害し,金融機関の守秘義務に違反すると主張するが,開示の相手方が共同相続人にとどまる限り,そのような問題が生ずる余地はないというべきである。なお,開示請求の態様,開示を求める対象ないし範囲等によっては,預金口座の取引経過の開示請求が権利の濫用に当たり許されない場合があると考えられるが,被上告人の本訴請求について権利の濫用に当たるような事情はうかがわれない。

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2012年8月 8日 (水)

遺留分の放棄

(遺留分の放棄)
第千四十三条  相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。
2 共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない。

遺留分の放棄について、裁判所の許可を必要としたのは、親族の圧力で、恣意的に遺留分を放棄させることを防止するため。

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2012年8月 7日 (火)

遺留分減殺請求の対象と順序

遺留分算定の基礎となる財産

① 被相続人が相続開始のときにおいて有した財産
② 相続開始前1年間になされた贈与
③ 当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って行った贈与

(贈与と遺贈の減殺の順序)
第千三十三条  贈与は、遺贈を減殺した後でなければ、減殺することができない。

(遺贈の減殺の割合)
第千三十四条  遺贈は、その目的の価額の割合に応じて減殺する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(贈与の減殺の順序)
第千三十五条  贈与の減殺は、後の贈与から順次前の贈与に対してする。

遺留分を侵害する遺言による相続分の指定は遺贈に準じて取り扱われるべきとするのが通説。

死因贈与については、判例は、遺贈に準じて取り扱うとしているが、学説は、もっとも新しい贈与と解釈している。そのため、学説にしたがえば、①遺贈、②死因贈与、③生前贈与の順になる。

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2012年8月 6日 (月)

 清算中の会社が他人の債務のためにその所有不動産に抵当権を設定する行為は無効であるから、登記原因証書によりこのことが判明するときは、法25条9号の規定により受理できない(野々垣バージョン)

清算の目的の範囲ないで会社は存続する(会社法476条)ため、清算中の会社の能力は限定され、その職務は、現務の完了、債権の取立及び債務の弁済、残余財産の分配に限られる(会社法481)。

 では、他人の債務の為に会社所有の不動産を物上担保とすることが、清算の目的の範囲内に該当するのか?  他人の債務のために抵当権を設定した場合に、その他人が債務を弁済しない限り、当該抵当権が消滅することはあり得ず、いつまでも、清算結了ができない。  

 上記によると、実務の取扱いとしては、他人の債務の為に当該清算会社の所有する不動産に抵当権を設定する行為は、清算の趣旨に反し、無効であると解すとされた。

 これに対し、清算中の会社を登記義務者とする抵当権設定登記の申請については、自己の債務に限らず、第三者の債務についても、受理して差し支えないとの回答もある(昭和41年11月7日付民事甲第3252号民事局長回答、同誌497号141頁)。

 清算の目的の範囲内であるか否かの判断は、慎重にする必要がある。

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2012年8月 3日 (金)

遺留分減殺請求の意思表示が明確になされていない場合、どのような行為に遺留分減殺の意思表示が含まれていると解することができるか

遺留分減殺請求の意思表示は、裁判上の請求によることを要しない。

最高裁昭和41年7月14日判決
遺留分権利者が民法1031条に基づいて行う減殺請求権は形成権であつて、その権利の行使は受贈者または受遺者に対する意思表示によつてなせば足り、必ずしも裁判上の請求による要はなく、また一たん、その意思表示がなされた以上、法律上当然に減殺の効力を生ずるものと解するのを相当とする。

そこで、遺留分減殺請求が明確な様式でなされなかった場合に、当該行為に遺留分減殺の意思表示が含まれているかどうかが問題となる。

遺産分割協議の申し入れ
最高裁平成10年6月11日
一 被相続人の全財産が相続人の一部の者に遺贈された場合において、遺留分減殺請求権を有する相続人が、遺贈の効力を争うことなく、遺産分割協議の申入れをしたときは、特段の事情のない限り、その申入れには遺留分減殺の意思表示が含まれていると解すべきである。
二 遺留分減殺の意思表示が記載された内容証明郵便が留置期間の経過により差出人に還付された場合において、受取人が、不在配達通知書の記載その他の事情から、その内容が遺留分減殺の意思表示又は少なくともこれを含む遺産分割協議の申入れであることを十分に推知することができ、また、受取人に受領の意思があれば、郵便物の受取方法を指定することによって、さしたる労力、困難を伴うことなく右内容証明郵便を受領することができたなど判示の事情の下においては、右遺留分減殺の意思表示は、社会通念上、受取人の了知可能な状態に置かれ、遅くとも留置期間が満了した時点で受取人に到達したものと認められる。

遺産分割調停の申立
肯定例と否定例あり。ただし、昭和37年と昭和40年の例であるので、現在であれば、最高裁平成10年6月11日の趣旨により遺留分減殺請求の意思表示があったと認定するのではなかろうか。

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2012年8月 2日 (木)

遺留分の基礎

遺留分とは、一定の法定相続人に保障される相続財産の一定割合のことで、被相続人の相続財産処分の事由と、法定相続人の相続財産に対する権利との調和を図る制度

遺留分を有する者
法定相続人のうち兄弟姉妹を除く者・・・配偶者、子、直系尊属

遺留分割合・・・直系尊属のみが相続人であるときは被相続人の財産の3分の1、その他の場合は被相続人の財産の3分の1。複数の遺留分権者がいる場合は、之を法定相続分で配分した割合

遺留分算定の基礎となる財産
被相続人が相続開始のときにおいて有した財産
相続開始前1年間になされた贈与
当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って行った贈与

準用規定
(代襲相続及び相続分の規定の準用)
第千四十四条  第八百八十七条第二項及び第三項、第九百条、第九百一条、第九百三条並びに第九百四条の規定は、遺留分について準用する。

(子及びその代襲者等の相続権)
第八百八十七条  
2  被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3  前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。

(法定相続分)
第九百条  同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。

(代襲相続人の相続分)
第九百一条  第八百八十七条第二項又は第三項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。

(特別受益者の相続分)
第九百三条  共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。

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2012年8月 1日 (水)

抵当権の登記に利息に関する定め・損害の賠償額の定めを登記する意義

「元本100円につき日歩2銭7厘、但し債務を完済するときは貸付の日より日歩1銭7厘の割合で返還する」、あるいは「元本100円につき日歩1銭、但し融資契約に違反するときは昭和年月日(貸付日)より日歩2銭7厘とする」と申請書に記載するのは相当でない。(昭44.8.16、民事三発第705号民事局第三課長回答)

抵当権設定登記の利息に関する定の一部として、「但し将来の金融状勢に応じ債権者において利率を適宜変更できるものとする」旨を登記することはできない。
(昭31.3.14、民事甲第506号民事局長通達)

利息の登記として「年毎前月末現在の長期プライムレートに0・25%を加算した率」の定めの登記はできるでしょうか。
できないものと考えます。(登研404号)

抵当権設定登記申請書に「利率、年1割、ただし、将来の金融情勢に応じ債権者において適宜変更できるものとする。」と記載して申請ありたる場合、右のただし書は、利息の定めでなく登記すべきものでないと思うが御指示下さい。
貴見のとおり。(登研85号)

不動産登記法88条は、抵当連の登記事項として、利息に関する定め・損害の賠償額の定めをが定められているが、これは、抵当権者が優先弁済を受けられる利息及び損害金の範囲を明らかにする趣旨であると言われている。
したがって、最後の2年分がいくらになるのかが明らかになるような記載方法でないと登記は受理されない。

不動産登記法
(抵当権の登記の登記事項)
第八十八条  抵当権(根抵当権(民法第三百九十八条の二第一項 の規定による抵当権をいう。以下同じ。)を除く。)の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一  利息に関する定めがあるときは、その定め
二  民法第三百七十五条第二項 に規定する損害の賠償額の定めがあるときは、その定め

民法
(抵当権の被担保債権の範囲)
第三百七十五条  抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。ただし、それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時からその抵当権を行使することを妨げない。
2  前項の規定は、抵当権者が債務の不履行によって生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合におけるその最後の二年分についても適用する。ただし、利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができない。

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