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2012年8月 3日 (金)

遺留分減殺請求の意思表示が明確になされていない場合、どのような行為に遺留分減殺の意思表示が含まれていると解することができるか

遺留分減殺請求の意思表示は、裁判上の請求によることを要しない。

最高裁昭和41年7月14日判決
遺留分権利者が民法1031条に基づいて行う減殺請求権は形成権であつて、その権利の行使は受贈者または受遺者に対する意思表示によつてなせば足り、必ずしも裁判上の請求による要はなく、また一たん、その意思表示がなされた以上、法律上当然に減殺の効力を生ずるものと解するのを相当とする。

そこで、遺留分減殺請求が明確な様式でなされなかった場合に、当該行為に遺留分減殺の意思表示が含まれているかどうかが問題となる。

遺産分割協議の申し入れ
最高裁平成10年6月11日
一 被相続人の全財産が相続人の一部の者に遺贈された場合において、遺留分減殺請求権を有する相続人が、遺贈の効力を争うことなく、遺産分割協議の申入れをしたときは、特段の事情のない限り、その申入れには遺留分減殺の意思表示が含まれていると解すべきである。
二 遺留分減殺の意思表示が記載された内容証明郵便が留置期間の経過により差出人に還付された場合において、受取人が、不在配達通知書の記載その他の事情から、その内容が遺留分減殺の意思表示又は少なくともこれを含む遺産分割協議の申入れであることを十分に推知することができ、また、受取人に受領の意思があれば、郵便物の受取方法を指定することによって、さしたる労力、困難を伴うことなく右内容証明郵便を受領することができたなど判示の事情の下においては、右遺留分減殺の意思表示は、社会通念上、受取人の了知可能な状態に置かれ、遅くとも留置期間が満了した時点で受取人に到達したものと認められる。

遺産分割調停の申立
肯定例と否定例あり。ただし、昭和37年と昭和40年の例であるので、現在であれば、最高裁平成10年6月11日の趣旨により遺留分減殺請求の意思表示があったと認定するのではなかろうか。

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コメント

相続分を100分の1と指定する遺言があった。100分の1でよいから遺産分割行基を申し入れた。とも取れますよね。

投稿: みうら | 2012年8月 3日 (金) 19時52分

石炭1トン引き渡しの訴訟の価格は時価の半額です。
石炭1トン引き渡しの抵当権の抹消登記は、担保限度額と時価の低い額になるようですね。抹消なので低い額の半額。

投稿: みうら | 2012年8月 4日 (土) 19時30分

石炭1トン引き渡しの訴訟の価格は時価の半額です。
石炭1トン引き渡しの抵当権の抹消登記は、担保限度額と時価の低い額になるようですね。抹消なので低い額の半額。
ーー
訂正
石炭1トン引き渡しの抵当権の抹消は、担保限度額・石炭の時価・土地の固定資産評価額の半額と建物の固定資産税評価額の合計のうち一番低い額の半額。
なお、先順位抵当権等がある場合は固定資産評価額からそれらを減額する。

投稿: みうら | 2012年8月 4日 (土) 19時40分

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