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2012年12月26日 (水)

根抵当権の債権の範囲の変更についての登記申請の権利者・義務者

抵当権の変更の登記について、形式的に、根抵当権者に有利な変更は根抵当権者が登記権利者となり、設定者に有利な変更は設定者が権利者になるとされている。そして、どちらに有利か形式的には判断できない場合は根抵当権者が登記権利者になるとされている

根抵当権の被担保債権の範囲を「相互銀行取引」から「銀行取引」に変更した場合
金融機関の合併及び転換に関する法律の規定により相互銀行が普通銀行に転換した後に、既登記の根抵当権の被担保債権の範囲を「相互銀行取引」から「銀行取引」に変更した場合の債権の範囲の変更の登記は、設定者が登記権利者、根抵当権者が登記義務者となって申請するものと考えますが、いかがでしょうか。
御意見のとおりと考えます。(登研497号・昭46、10、4民甲3230通達第3のただし書、昭46、12、27民三第960依命通知第3)

ということは、「相互銀行取引」を「銀行取引」に変更することにより、債権の範囲が狭くなるという考え方であろう。これは、法律でそれぞれの範囲を比較すればいいだろう。
 
「銀行取引、手形債権、小切手債権」から「保証委託取引」に変更した場合
甲銀行が根抵当権を設定していたところ、その根抵当権を乙信用保証株式会社に全部譲渡した。そして、債権の範囲を「銀行取引、手形債権、小切手債権」から「保証委託取引」に変更契約をしたが、この根抵当権変更登記申請の権利者は設定者、義務者は乙信用保証株式会社と考えますが、いかがでしょうか。
御意見のとおりと考えます。(登研502号)

銀行法10条2項1号は、銀行の付随業務として「債務の保証」を掲げている。したがって、この変更も、債権の範囲が狭くなるという解釈であろう。

今日申請するものは、「金銭消費貸借取引、手形債権、小切手債権」を「銀行取引、手形債権、小切手債権」に変更するものであるが、「銀行取引」は「金銭消費貸借取引」を包含するより広い定義であるため、根抵当権者が登記権利者で問題なかろう。そして、今日、もう1件申請する「金銭消費貸借取引、手形債権、小切手債権」を「証書貸付取引、保証委託取引」に変更する場合はどうであろうか。「金銭消費貸借取引」を「証書貸付取引」とはどっちが範囲が広いとか狭いとかは言えないと考えれば、次に「手形債権、小切手債権」と「保証委託取引」の比較になる。そして、こちらも、どっちが範囲が広いとか狭いとかは言えないと考えるのであれば、原則どおり、根抵当権者が登記権利者になるのであろう。

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コメント

小生など清算人の印鑑証明書が突然発行されなくなった事件。
平成10法務省令29号附則6条1項によりブックである解散会社の印鑑証明書が発行されなくなったんだ。
で、計画移行しないだけで希望する会社はコンビ化するので再度発行されるということになった。しかし資格証明書は倍額になる。
発行されないので個人の印鑑証明を添付します。というようなことを書いて添付すれば旧法でも不動産登記は可能だとも。
25年通常国会で道交法改正し無免許運転罰則引上げ・車両提供や同乗にも罰則。
国立公園特別保護地区・第1種特別までは固定資産税は非課税です。地方税法248条2項第7号の2・施行規則10条の5第1項。しかし、第2種特別以下は課税です。第3種特別はごく普通の住宅街などでした。申請すれば100パーセント許可されるという。普通地域はここが国立公園ですか。というようなところですね。
旧銀行法による銀行取引プラス貯蓄銀行取引が現在の銀行取引です。小額定期預金や定期積金が貯蓄銀行取引だった。
相互銀行取引には相互掛金というものがあった。定期積金のようなものだが抽選に当たるとお金が借りられるとかだったと思います。東京相互銀行古川橋支店。

投稿: みうら | 2012年12月26日 (水) 19時21分

併営だから 銀行取引・貯蓄銀行取引が正しいかった。

投稿: みうら | 2012年12月26日 (水) 19時43分

保証会社に勤務するものです。
これまで金融機関からの全部譲渡の場合、譲渡と合わせて債権の範囲の変更を差入形式の根抵当権全部譲渡契約書(債権の範囲の変更を含む)で行っておりました。「銀行取引、手形債権、小切手債権」から「保証委託取引」に変更した場合、根抵当権変更登記申請の権利者は設定者、義務者が信用保証株式会社になるとは意識しておりませんでした。とくに債権の範囲が実務上縮減されることもないと認識しておりました。また譲渡契約書は、譲渡人(金融機関)、設定者そして債務者からの差入方式のため、とくに義務者となる保証会社の承認印もありませんでした。
これまで登記原因証明情報への押印をすることなく、譲渡契約書が登記原因証明となると考えていましたが、本日金融機関側からの司法書士と法務局へも確認したところ、義務者の承認が必要だと指摘を受けました。
 差入方式の譲渡契約書に債権の範囲変更について根抵当権者となる保証会社も了解しているとの条項を加えようと思っていますが、新たに加える条文等のアドバイスをいただければ幸いです。

投稿: k13 | 2013年2月 5日 (火) 23時12分

差入式契約書の差入先は保証会社さんですね。そうすると、差入人である譲渡人等が作成した条項に「譲受人は承諾した」と記載するのもちょっと変な感じですね。
私だったら、差入式の譲渡契約書はそのままの形で、末尾欄外に、「本書各条項を承諾した」と記載して、日付、譲受人の住所・氏名。代表者名、押印をします。
いかがでしょうか?

投稿: 古橋清二 | 2013年2月 6日 (水) 06時49分

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