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2013年2月28日 (木)

他の共有者の相続人の調査

地域のために利用されている公民館の土地等について、その役員である数名の個人の共有名義となっている土地を見かけることがある。本来であれば、役員交代の都度、個人名義を「委任の終了」を原因として移転登記すべきであるが、移転登記されないまま放置され、数十年経過してしまい、共有名義人に相続が発生してしまっているというようなことがある。

その場合、司法書士が依頼を受け、他の共有者の所有権移転登記を前提として他の共有者の相続関係を職務上請求書を用いて調査できるのか、という問題である。

以下、私見である。

司法書士に対して所有権移転登記(他の共有者から新役員への移転登記)を委任したのは、個人としての共有者ではなく、実質的には権利能力なき社団そのものであると考えるべきである。したがって、単に、共有者の一人が他の共有者の相続調査を依頼したという構図とは異なる。

仮に、本件土地の共有者がこのような権利主体ではなく、それぞれの共有者が私権を制限されることなく共有状態にあるのであれば、共有者は他の共有者の持分について処分権限を有するものではないから、他の共有者の持分について相続調査を依頼することはできないものと考えられる。

しかしながら、本件は、権利能力なき社団が、その登記名義を現在の役員名義とすることを司法書士に依頼したものである。そして、他の共有者の相続人に対して、「委任の終了」を原因とする所有権移転登記請求権が発生しているのであり、それを実現するためには、その前提として他の共有者の相続関係を調査する必要がある。

したがって、司法書士、権利能力なき社団の依頼を実現するための付随業務として、他の共有者の相続関係を調査することができるものと解する。

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