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2013年7月 2日 (火)

破産者等の説明義務

破産者、破産者の代理人、破産者が法人である場合のその理事・取締役・執行役・監事・監査役・清算人又はこれらに準ずる者、破産者の従業者(破産者の代理人を除く。)は、債権者委員会(法144②)の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。ただし、破産者の従業者(破産者の代理人を除く。)については、裁判所の許可がある場合に限る(法40①)。 そして、この規定は、破産者の代理人、破産者が法人である場合のその理事・取締役・執行役・監事・監査役・清算人又はこれらに準ずる者、破産者の従業者(破産者の代理人を除く。)であった者に準用されている(法40②)。
 したがって、弁護士である申立代理人は、法40条1項2号に規定される「破産者の代理人」として直接的に説明義務が規定されてるのみならず、依頼者である破産者の利益を擁護する立場からして、事件の終局に至るまで破産手続に協力することが求められており、 破産者が説明義務、重要財産開示義務、免責についての調査協力義務を怠るようなことがある場合には、そのことによって破産者に不利益が生じないよう破産者を指導監督するなどして適切な措置を講じることが求められているといえる(管財手引 17頁)。
 一方、司法書士が自己破産の申立書類作成を行う場合には、法40条1項1号に規定される「破産者」の説明義務の履行を書類作成を通じて支援するという役割を行うことになるが、依頼者である破産者の利益を擁護するという役割においては弁護士と変わるところはない。
 なお、東京地裁においては、破産者に対し、別紙のような注意事項が配布されている。

破産者に対する注意事項(法人の役員等の方へ)
1 このたび,裁判所が選んだ「破産管財人」という立場の弁護士が,破産した法人の財産を処分してお金に換え,債権者に対する配当等を行ったり,借金をした状況等を調査したりすることになりました(あなた自身が破産している場合は,あなたの財産や借金の状況,生活の状況等についても同じです。)。
あなたには,破産管財人に対し財産や借金の状況等の破産に関する事情を説明する義務があります(破産法40条)。破産管財人から求められた説明を拒んだり,うその説明をしたときは,処罰されることがあります(破産法268条)。
また,あなた自身が破産している場合は,免責の許可(借金等を支払う責任を免除する決定)がされないこともあります(破産法252条1項11号)から,注意してください。
破産した法人に関しては,その代表者のみならず,取締役,理事,その他これに準じる立場の者についても同様に,破産管財人から求められた説明を拒んだりうその説明をしたときは,処罰されることがあります(破産法268条)。
2 破産した者が持っている財産を隠したり,壊したり,他の者に譲り渡す等の処分をしてはいけません。また,帳簿や書類などを隠したり,偽造したり,書き換えたりしてはいけません。さらに,破産した者が持っている財産のうち破産管財人が引き渡すよう指示したものは,全て破産管財人に引き渡さなければなりません。これらに違反すると,処罰されたり(破産法265条,270条), あなた自身について免責が許可されないことがあります(破産法252条1項1号,6号)から,注意してください。
3 あなたが破産手続の進行中に,引越しをしたり,旅行等をする場合,事前に申立代理人を通じて破産管財人に連絡し,その同意を得てください。また,あなた自身が破産をしている場合に,引越しをしたときは,①引越しについて破産管財人から同意を得たことと,②新しい住所を記載した書面を作成し,新しい住民票(本籍地も記載されたもの)とともに,中立代理人を通じて,速やかに裁判所に提出しなければなりません。
同意を得ないで引越しや旅行等をすると,あなた自身について免責が許可されないことがあります(破産法252条1項11号,37条1項)から,注意してください。
4 あなたには,債権者集会に出頭する義務があります。病気等の正当な理由がないにもかかわらず債権者集会に出頭しなかった場合,免責が許可されないことがあります(破産法252条1項11号)。
5 破産手続を開始する決定と同時に,破産した者にあてた郵便物を破産管財人に転送するよう,郵便事業株式会社に対して裁判所から依頼しました。転送された郵便物は,破産管財人が封を開けて,その内容を調査します(破産法81条,82条)。破産管財人の業務に関係のない郵便物は,後日返却されますが,あなた自身が急いで受け取る必要があるものについては,あらかじめ破産管財人に連絡しておいてください。
平成 00 年 0 月 0 日
東京地方裁判所民事第20部
(管財手引 430頁)

破産者に対する注意事項(個人の破産者の方へ)
1 このたび,裁判所が選んだ破産管財人という立場の弁護士が,あなたの財産を処分してお金に換え,債権者に対する配当等を行ったり,借金をした状況や生活の状況等を調査したりすることになりました。
あなたには,破産管財人に対し,財産や借金の状況等の破産に関する事情を説明する義務があります(破産法40条)。破産管財人から求められた説明を拒んだり,うその説明をしたときは,処罰されることがあります(破産法268条)。
また,免責の許可(借金等を支払う責任を免除する決定) がされないこともあります(破産法252条1項11号) から,注意してください。
2 あなたが持っている財産を隠したり,壊したり,他の者に譲り渡してほいけません。また,帳簿や書類などを隠したり,偽造したり、書き換えたりしてもいけません。さらに、あなたが持っている財産のうち破産管財人が引き渡すよう指示したものは,全て破産管財人に引き渡さなければなりません。これらに違反すると,処罰されたり(破産法265条,270条),免責が許可されないことがあります(破産法252条1項1号,6号)から,注意してください。
3 破産手続の進行中に,引越しをしたり,旅行等をする場合,事前に申立代理人を通じて破産管財人に連絡し,その同意を得てください。また,引越しをするときは,①引越しについて破産管財人から同意を得たことと,②新しい住所を記載した書面を作成し,新しい住民票(本籍地も記載されたもの) とともに,申立代理人を通じて,速やかに裁判所に提出しなければなりません。同意を得ないで引越しや旅行等をすると,免責が許可されないことがあります(破産法252条1項11号,37条1項)から,注意してください。
4 あなたには,債権者集会に出頭する義務があります。病気等の正当な理由がないにもかかわらず債権者集会に出頭しなかった場合,免責が許可されないことがあります(破産法252条1項11号)。
5 破産手続を開始する決定と同時に,あなたにあてた郵便物を破産管財人に転送するよう,郵便事業株式会社に対して裁判所から依頼しました。転送された郵便物は,破産管財人が封を開けて,その内容を調査します(破産法81条,82条)。
破産管財人の業務に関係のない郵便物は,後日返却されますが,あなた自身が急いで受け取る必要がある郵便物がある場合には,あらかじめ破産管財人に連絡しておいてください。
平成O年0月0日
東京地方裁判所民事第20部
(管財手引 431頁)

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