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2014年4月

2014年4月21日 (月)

「司法書士のための破産の実務と論点」発刊しました

0000000007052しばらくブログはお休みしていましたが、以前乱暴に書き綴っていた「司法書士のための破産の実務と論点」のブログを整理集約し、新たな原稿を書き綴り、ついに、民事法研究会から発刊する運びとなりました。

日司連の齋木会長から推薦文もいただくこともできました。

はしがきの抜粋を掲載します。どのような位置づけで書いたのか、ご理解いただけたらと思います。

 「破産法は倒産法制のなかでもその中心的な基本法である。近時、破産申立件数は減少傾向を見せているものの、年間約10万件という件数はバブル崩壊直後の3~4倍という高水準にあると言ってよい。これは、経済状況の変動により支払不能の状態に陥る債務者が後を絶たないことに加え、弁護士の増員や破産を取扱う司法書士が増加したことにより破産申立の担い手が広がり、破産制度が一般化してきたことによるものと言える。

 しかしながら、倒産という現象が紛争の坩堝であることは今も昔も変わらぬことであり、申立人はなるべく簡易・短期間に手続きを終結させることを望み、債権者は少しでも多くの債権回収を期待し、裁判所は手続きの公平・公正・適正の確保に腐心する。そして、それぞれの利害を破産法という法律で調整しているのである。

 こうした破産手続きに司法書士がどのように関与してきたかを振り返ってみると、今、司法書士は、第3ステージに入ったところではないかと思うのである。

 第1ステージは昭和の終わり頃から平成15年までである。この時代は、サラ金地獄に陥った多重債務者を救済するという使命感に燃えた少数の司法書士が手探りの状態で破産手続きを利用したことで始まった。そして、その輪が徐々に広がるとともに破産手続きを契機として司法書士が種々の裁判事件に取り組み始めたことが評価され、簡裁代理権の取得までこぎ着けた時代である。取り扱う破産はほとんどが消費者破産であり、受任通知による取立禁止効が認められていない中で、如何にスピーディーに申立てをするかが課題となった時代である。

 第2ステージは平成15年の改正司法書士法施行から10年間である。司法書士が簡裁代理権を取得し、それまで司法書士の弱点であった債権調査(利息制限法引直し)を徹底して行うようになったため、以前に比べ適正な手続き選択がなされるようになったが、破産申立までに時間がかかることに加え、裁判所のチェックも詳細に行われるようになった。もっとも、各裁判所で申立書式も備え付けられているため、マニュアルにしたがって申立てをすることが可能となった。しかし、過払い事件の終焉とともにクレジット・サラ金の多重債務による破産申立ても減少した。

 そして、幕の開いたばかりの第3ステージは、減少した消費者破産に代わって司法書士が事業者や小規模な法人破産を取り扱う機会が増加することが予想される。そして、そのような場面で、破産法の知識や破産に対する対応力が問われる時代になるだろう。さらに、司法書士が破産に取り組むことが一般化することにより、実際には破産申立てを手がけない司法書士に対しても、不動産登記や債権譲渡登記等の実務の中で破産債権の優劣や否認権に関する問題についてアドバイスを求められることも増えるであろう。

 本書は、このような問題意識にもとづいて、第3ステージに対応するために、破産申立のみならず、破産手続き全体について司法書士として知っておきたい知識について、判例を中心に紹介と解説を試みた。もちろん、筆者は破産管財人の経験はなく、満足な解説のできないところも多数あるので、是非、読者の方々のご意見や経験を寄せていただきたい。」

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