« 2015年4月 | トップページ | 2015年6月 »

2015年5月

2015年5月18日 (月)

限定監査役の権限の登記にはどのような書類が必要か

Af0150022811
質問
 当社は平成10年設立の株式会社です。監査役の監査の範囲を会計に限定していますが、この登記をしなければならないと聞きました。実務的にどのような書類を準備すればいいでしょうか

回答
 会社法の改正により、監査役の権限を会計に限定している株式会社は、平成27年5月1日以降に監査役の登記を申請するときまでに、「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある」旨を登記しなければならないものとされました。
 貴社は平成10年設立とのことですが、平成18年5月1日より前に設立された株式会社で、当時、資本金が1億円以下または負債総額が200億円未満であった会社は、平成18年5月1日以降は監査役の監査の範囲を会計に限定する旨の定款の定めがあるものとみなされています。
 そこで、平成27年5月1日以降に監査役の登記を申請するときまでに、「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある」旨を登記しなければなりませんが、この登記をするためには、法務局に定款等を提出して監査役の権限を会計に限定していることを証明する必要があります。そこで、今回の改正に対する実務的な対応について提案いたします。

つづきを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年5月14日 (木)

会社の売買

Af9980025201
「それで、その会社の代金としていくら払ったんですか?」
「50万円です」
「それで会社の実印だけをもらったんですか……」

私は、目の前で小さくなっている中年の女性の目の奥を覗き込んだ。
今時、こんな簡単に不良会社を掴まされることも少ないだろう。

個人事業をしているその女性は、仕事の関係者から法人成りを薦められ、「新規に設立するより安上がりだから」と休眠状態の会社を斡旋された。
この会社を本店移転して名前を変え、役員を変えれば自分の会社ができるというわけだ。

つづきを見る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年5月 5日 (火)

事件簿 ~天国からの代理人

Gf1420280934
「遺言執行者選任の審判がでました。予定どおり私が遺言執行者に選ばれましたので、亡くなった方の財産の明細がわかる資料をお持ちください」

電話を切って3時間ほど後、遺言で受遺者に指定されたS男は茶封筒を抱えて事務所に入ってきた。
亡くなったT子はS男の遠い親戚にあたるが、身寄りがなく、亡くなるまでS男の世話になった。
もちろん、葬儀もS男が執り行った。

T子には相続人がおらず、すべての財産をS男に遺贈するという走り書きを残して亡くなった。

つづきを見る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

事件簿 ~この土地の所有者は誰?

「ウチの南側の土地に雑草が生い茂って困っているんです。それで、なんとかこの土地を買いたいと思っているのですが・・・」

Af9970014133
不動産会社から紹介された、中古車販売店を経営しているというその男は話を切りだした。

問題の土地には小さな小屋が建てられており、そこに暮らしていた老女が昨年亡くなったという。
そして、現在は荒れ果ててしまったが、勝手に草刈りをするわけにもいかず、弱り果てているということだ。

「相続人はいないのですか?」

と聞いてみると、まるで身寄りがなく、民生委員が臨終を看取って、簡単な葬式を出したということだ。

つづきを見る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

事件簿 ~支払督促には既判力はない

Af0100000728

「どこの法律相談へ行っても、この書類を見た瞬間に『これじゃあどうしようもないですよ』と言われるだけなんです。どうしようもないから相談に行っているのに」

相談者は、そう言って、債権差押命令と書かれた書類を見せてくれた。
一瞬、「ああ、やっぱりこれではどうしようもないな」という感想が頭をよぎった。

こうした、差押命令が裁判所から発せられるためにはそれなりの根拠があるからであり、一般的には、判決などによって事実関係が司法の場において判断された書類(「債務名義」と呼んでいる)の存在を前提として行われる。
だから、そうした判決などの後に事情の変化があったというならまだしも、今更、判決などの前提となった事実関係が間違っていると言っても手遅れなのだ。

つづきを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

商業登記申請に許可書・認可書を添付するのはどのような場合ですか

 官庁の許可を要する事項の登記を申請する場合には、申請書に官庁の許可書又はその認証がある謄本を添付しなければならないとされています(商業登記法19条)。

 ただし、この場合の「官庁の許可を要する事項」とは、許可又は認可が登記すべき事項の効力要件である場合を言うとされています。したがって、営業認可のように当該許可又は認可が登記事項の効力発生要件ではない場合にはその添付を要しないとされています。

登記先例は次のとおりです。
 非訟事件手続法第150条ノ2(商業登記法第19条)により登記申請書に添付すべき許可又は認可を証する書面は、当該許可又は認可が登記すべき事項の効力要件である場合に限り添付することを要する。(大正5.4.19、民第440号回答を変更)
(昭26.8.21、民事甲第1,717号民事局長通達・先例集下2415頁、登研45号25頁)

では、効力発生要件である許可又は認可にはどのようなものがあるのでしょうか。登記先例を見てみましょう。

つづきを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

株券不発行会社へ移行する方法を教えてください

1 はじめに
 株券の電子化に伴い、株券の紛失・盗難等のリスク回避及び株券管理の省力化のため、定款を変更して株券不発行としたいという相談を受けることがあります。

 株券不発行会社に移行することにより、今まで発行していた株券は無効となりますが、書面としての株券が無くなるのみで、株主各位の権利義務に何ら影響を与えるものではありません。
 従って、従来どおりの権利義務が維持されますので、株主総会での議決権、剰余金の配当等の権利や出資責任を失うことはありません。

 一方、書面による株券発行の手続費用等を省略でき、実務における効率化をはかることができます。

 しかしながら、株券不発行会社とするには定款変更が必須であるため、株主総会の決議を経て、現在発行中の株券が無効となる旨の公告及び各株主への通知を行う必要があります。

 少々手続が煩雑となりますので、皆様に、株券不発行会社とするための一連の流れを大まかでありますが、現に株券を発行している会社を例として説明致します。

つづきを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

所在不明株主を整理する方法があると聞きましたがどのような手続ですか

 しばしば、株主様の所在がわからず、また、これがために管理コストを支出しなくてはならないのでなんとかしたい、といったご相談をいただくことがあります。
 このような状況を解決する一例として、所在不明株主の株式売却制度があります。

 この制度は、①株式会社が当該株式の株主に対してする通知又は催告が5年以上継続して到達せず当該株主に対する通知又は催告を要しなくなったとき、かつ、②当該株式の株主が継続して5年間剰余金の配当を受領しなかったときは、株式会社は、当該株式を競売し、かつ、その代金を当該株式の株主に交付することができる、というものです。
 なお、いわゆる無配の株式会社であっても、この制度を利用できます。

つづきを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年5月 3日 (日)

株式を名義書換するにはどうすればいいですか

Af9920042663_2
「株式の名義書換」と一言で言いましても、株券発行会社における場合(これも、実際に株券を発行している場合と、実際には株券を発行していない場合に分かれる)と、株券不発行会社の場合とでは、まったくその方法が異なります。

 また、公開会社であるか、非公開会社であるかにもよって、譲渡承認手続きの要否が異なります。さらに言えば、公開会社であっても上場株式として保管振替機構の利用が強制される場合と、そうではない場合があります。

 このように、様々なケースが考えられますが、ここでは、近年最も多いと想像される、非公開の株券不発行会社について考えたいと思います。なお、非公開会社であるために、譲渡承認手続が必要となりますが、譲渡承認手続きについては解説の対象としていませんのでご了解ください。

 株式の名義の変動は、株主の意思により変動が生じる場合と、株主の意思にかかわらず変動が生じる場合とが考えられます。前者の典型的な例としては、売却や贈与があります。また、後者の典型的な例としては相続が考えられます。

 さらに、前者のケースであっても、旧株主が名義書換に協力的な場合と、そうではない場合があります。

 以上を整理すると、①株主の意思により変動が生じ、名義書換にも協力的な場合、②株主の意思により変動が生じたが名義書換に非協力な場合、③株主の意思に関係なく変動が生じる場合の3パターンということになります。

 株券不発行会社という前提ですから、株券はありません。したがって、株式の名義書換に応じるためには、①のケースは株券の提出以外の方法で旧株主の意思確認が不可欠になります。
 通常は、名義書換請求書類に旧株主が会社に対して届出をしている印鑑を押印してもらう方法によればいいでしょうが、印鑑票を整備していない会社にあっては、旧株主の実印を押していただき、印鑑証明書の提出を求める必要があります。

 ②の場合には、旧株主が非協力ですから、新株主の申出だけにより名義書換をしなければなりません。したがって、旧株主の意思が擬制されていることが明らかな書面(具体例として確定した判決正本)を提出していただく必要があります。

 ③の場合は、旧株主の意思を確認する書類は不要ですが、変動の事実が生じたことを証明する書類を提出していただく必要があります。相続にともなう遺産分割により株式を承継した場合を例にすれば、相続人全員の実印が押印された遺産分割協議書と全員の印鑑証明書、当該相続人が被相続人の権利義務を承継した者全員であることを証明するための戸籍謄本等を提出していただくこととなります。

 実は、以上ご説明した書類は、不動産登記を申請する際に要求される添付書類とほぼ同じ考え方です。実際に名義書換請求があった場合には、以上の点を留意して取り扱ってください。

ホームページでの解説はこちら

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年5月 1日 (金)

平成27年5月1日から、監査役の監査の範囲を権限を登記しなければならなくなると聞きましたが、どのような会社が対象ですか

 平成26年改正会社法が平成27年5月1日に施行されますが、実務的に影響が大きいもののひとつに、会計監査に限定した監査役を置いている会社は、その旨の登記をしなければならない、ということがあります。
 本文章は施行日前に記述したものですが、平成27年5月1日より前から存在している株式会社について、現時点で考えられる実務的な対応を検討しておきたいと思います。

対象となる会社
①監査役が置かれている株式会社で、②定款で株式の譲渡について制限を設けており、なおかつ、③監査役の監査の範囲が会計に限定されている会社が対象です。

つづきを見る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年4月 | トップページ | 2015年6月 »