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2016年3月

2016年3月31日 (木)

住宅用家屋証明書取得の際の入居予定期間の取扱いに異議あり

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  住宅用家屋証明とは、住宅用家屋を新築し、又は新築の住宅用家屋を購入して、1年以内に登記をする場合、登録免許税(所有権の保存・移転、抵当権の設定登記の際にかかるもの)の税率の軽減を受けるために必要な証明書である。
 たとえば、新築住宅の場合の住宅用家屋証明書は、個人が住宅用家屋を新築するか建築後使用されたことのない住宅用家屋を取得すること、個人が専ら自分の居住用としてその家屋を使用すること、床面積が50平米以上あること、.新築又は取得から1年以内に登記を行うこと等が審査されて証明書が発行され、その証明書を登記申請書に添付して登録免許税の税率の軽減を受けることとされている。
 そして、「個人が専ら自分の居住用としてその家屋を使用すること」の審査の資料として、その住宅に住民登録をしていることがわかる住民票の提出が求められている。
 このように、住宅用家屋証明書を取得するのは登記申請の際に登録免許税の軽減を受けることが目的であるが、登記を申請するということは、商慣行としては建築会社から住宅の引渡しを受けているということである。建築会社から引渡しを受けているということは、建築代金を支払っているということである。そして、多くの場合、建築会社に支払う建築代金は銀行から住宅ローンの融資を受けているため、金融機関では融資実行と同日かなるべく近接した日に抵当権設定登記が申請されることを期待している。抵当権設定登記を申請するためには所有権保存登記がなされなければならず、そのために住宅用家屋証明書を取得する必要がある。
 ここで、おかしな問題が発生する。・・・・・・

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2016年3月30日 (水)

売主死亡後に農地法の許可がなされた場合の所有権移転登記手続

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  売主甲が譲渡人として所有権移転についての農地法の許可を申請後に死亡し、死亡後に甲名義宛に許可がなされた場合、この許可が有効か、また、有効であるとして登記手続はどのようになるのか。
そもそも、死亡者あての許可が有効なのであろうか。古い質疑応答(登記研究83号)では、農地法3条の許可申請中に売主が死亡した場合でも、その後許可があったときは、当該許可は無効ではないものの、買主死亡による場合は、当該許可は、当然に無効となるとしている。
 質疑応答は次のとおり。

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2016年3月22日 (火)

新株予約権付社債発行の登記の添付書類

念のため法務局に照会中
新株予約権付社債の新規発行について総数引受契約を行っていますが、事情により契約書原本を登記申請書に添付することができません。この場合、引受人と発行会社とが作成した総数引受契約があったことの証明書を添付すれば登記することが可能と考えますが、いかがでしょうか。
相談者の意見は次のとおりです。
総数引受契約は、その様式、内容等について法律上の定めはありません(要件は定められていません)。引受人と発行会社の代表者とが総数引受契約があったことの証明書を作成していれば真性は担保されるため、受理して差し支えないと考えます。

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被相続人が生前に売買で取得した不動産につき相続財産法人を登記権利者として登記することができるか

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  この場合、売主を登記義務者、相続財産法人を登記権利者として所有権移転登記ができるか、という問題で補正となった。
 被相続人が亡くなって相続人不存在により相続財産法人が組成された場合、被相続人名義の不動産は所有権登記名義人表示変更登記によって相続財産法人名義に変更登記をすることができる。この「所有権登記名義人表示変更登記」の手続きに着目すると、本問の場合も、相続財産法人を登記権利者として所有権移転登記ができそうである。
 これは、例えば、不動産の買主が所有権移転登記をしないうちに住所を移転した場合、新しい住所で所有権移転登記をすることができることと同じである。
 しかし、財産法人名義にする手続きは、所有権登記名義人表示変更の手続きを拝借して行っているにすぎず、その実態は相続財産法人への移行の手続きであるという考え方もあるようだ。現に、昔は、相続財産法人名義にする登記手続は移転登記で行っていたようだ。
古い登記研究であるが、本事例のような場合は被相続人名義で登記した後に相続財産法人に変更登記をするのが望ましいという意見が掲載されている。その理由としては、その方が公示としてわかりやすい、ということのようである。ただし、相続財産法人名義に所有権移転登記を命じる判決が出ているような場合は相続財産法人を権利者として登記してもいいだろう、というオチがついている。
 結論ははっきりしないわけだが、頑張るところではないので補正に応じることにした。

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2016年3月18日 (金)

静岡市と『地方創生に関する協定』を締結 ~杉山陽一、少し男になる~

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『地方創生に関する協定』と聞いて、「何の問題だろう? 司法書士会は何をするの?」と疑問に思った方も多いと思います。

 今や、人口減少の時代に入っています。しかも、少子高齢化、後継者難など、社会が抱える問題は深刻なものばかりです。さらに、これらの問題解決に不可欠な創業希望者や移住希望者(「未来市民」というような言い方がされることもあります)を支援する仕組みも脆弱です。これら未来市民が抱えるであろう問題は次のとおり想像できます。

・会社設立や各種届出の手続がわからない

・事業を承継する手続(株式の売買等)がわからない

・移転先の土地勘がなく、適切な居住地や事業所開設地の見当がつかない

・事業計画を作ったことがない

・移転先の金融機関と接触がない

・店舗等の契約、取引契約等の法的知識がない

・都会に置いてきた不動産の処分に困っている

・これらに加え、家族との関係、高齢者問題、相続等の問題も、他の人と同様に抱えている

いかがですか? 司法書士のスキルや司法書士が持つ幅広いネットワークで対応できそうな問題ばかりじゃないですか.私たちは、これらの問題解決に寄り添っていく最適な職能であるのです。

なにも、これは、創業希望者や移住希望者だけではありません。事業を承継させたいと考えている人、空き家を移住者に提供したいと考えている人などが抱える財産管理や相続の問題なども、司法書士の得意分野です。こうした面を考えても、地方創生に関し司法書士が担うことのできる部分は少なくないと考えられます。

ところで、自治体と法律家団体とが地方創生をテーマに連携するのは、おそらく全国初であり、全国の司法書士や他の法律専門職種からも驚きをもって見られていると思われます。では、どうして静岡でこのような取組みができたのでしょうか。実は、そのきっかけは、平成27年度にスタートした業務研究委員会の研究活動なのです。9146_956248421117798_72252962298847

 業務研究委員会には12個の研究グループがありますが、今回の協定の発端となったのは第12グループの「創業支援チーム」(リーダー西村やす子会員)の活動です。各グループに対しては、最初から「法律論の研究というようなものではなく、将来の自分の業務の開拓を目指して活動してください」とお願いしています。そのような中で、専門性とジェネラリストという特性を持ち合わせている司法書士が、創業者や移住者を支援するのに最も適切な職能であると気がついたのです。この新しい目の付け所が協定に結びついたのだと思います。

聞くところによると、早くも4月には第12グループが支援して創業にこぎ着けた店がオープンするとのことです。これからが本当に楽しみです。

「杉山陽一を男にする」という公約を掲げて副会長に就任しましたが、少しだけ公約を実行できたような気がします。

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2016年3月17日 (木)

「除籍等が滅失等している場合の相続登記について(通達)」〔平成28年3月11日付法務省民二第219号法務省民事局長通達〕

うーん、去年、かけずり回ってお寺の過去帳まで調べのに・・・・。

「「他に相続人はない」旨の相続人全員による証明書(印鑑証明書添付)の提供を要する取扱いとした昭和44年3月3日付け民事甲第373号民事局長回答が発出されてから50年近くが経過し,同証明書を提供することが困難な事案が増加していることに鑑み,平成28年3月11日以降は,戸籍及び残存する除籍等の謄本に加え,除籍等(明治5年式戸籍(壬申戸籍)を除く。)の滅失等により「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書が提供されていれば,相続登記をして差し支えない」

次は、住所変更登記の際に、閉鎖後5年経過廃棄で住所がつながらない場合の通達を出して欲しい。

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2016年3月13日 (日)

完全休息日

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 一昨日の発熱と吐き気、腰痛は何だったんだろう。医者はインフルとは言っていなかったが、早めに直したかったので午後はお休みさせてもらった。

12814656_952101828199124_1686212090 その甲斐あって、翌日には直った。では、やはり、インフルでも風邪でもなく、単なる二日酔いだったんだろうか。であるならば、この人たちのせいか?12803025_952101751532465_7465485374


 ともあれ、昨日は調子が急激に回復した。それでも、一応大事をとろうと、予定していた研修会は欠席し、だれもいない事務所で書類整理。はかどった。

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 そして、今日は完全休養日にすることにした。体調はすこぶる戻っている。2週間ぶりに畑に行くと、暖かさで野菜たちがうれしそうだ。でも、それ以上に雑草が喜んでいる。

 体調は戻っているとはいえ、農作業は止めておこう。ぶり返したら、事務所のみんなに申し訳ない。

 来週は事務所は3連休だが、いろいろと仕事が入っており、畑仕事をするとしたら日曜日だけだ。これだけ草が生えていると一日がかりになりそうだ。日曜日にいい天気になりますように。これで3連休は全部予定が埋まってしまった。

 さて、畑では、自慢のキンカンがだいぶ鳥の餌食になっていた。今日は完全休養日と決めているから、キンカンの最後の収穫でキンカンジャムを作ることにした。

 キンカンジャムを作るには、まず、キンカンを2~3分ゆでて柔らかくして、種を取る。これが結構大変だが、フォークを使えば取りやすい。

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 マーマレードにするんだったら皮を細く切らなければいけないが、面倒なのでミキサーで粉砕。そして、ふつうならポッカレモンなどを入れるのだが、今年は自家製レモンが豊作だったので、自家製レモンもそのまま粉砕。

 砂糖を入れて煮詰めればできあがり。子供の分を含め、半年分はあるなあ。Img_1647


 ところで、体調を気にして、とにかくエネルギーを補給しようと考えて昨日からかなりの量を食べている。体が重い。

 というわけで、完全休息日の最後の締めはウォーキング。曇りで肌寒くなってきたが、小さいくせに気の早い桜が咲いている。

「オイ、気が早いぞ!」 桜に無視された。

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写真はまずまず綺麗に撮れた。

約1時間歩いて帰ることにする。

明日から、また日常に戻る。頑張ろう!

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2016年3月10日 (木)

覚悟

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 去る3月2日、静岡商工会議所静岡県事業引継ぎ支援センターを訪問した。同センターと静岡県司法書士会とが協力関係を築けないか、ということで、同センターの行っている事業についてお話を伺ってきた。

 静岡県事業引継ぎ支援センターが行っている業務は、後継者がいない事業者と起業・創業を目指す人たちをマッチングして、事業承継させていくというものであり、静岡が全国に先駆けて行っている。静岡の取組みは、NHK全国版ニュースの特集やクローズアップ現代等にも取り上げられている。

 連携の具体例としては、起業希望者・移住事業者をセンターに紹介していくことが考えられ、そうした接点から、後継者難で困っている事業者に対して司法書士が関わっていける可能性があると思われる。

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2016年3月 9日 (水)

第1章 戸籍制度のあらまし Ⅲ 戸籍の特徴 4 記載原因と効力

4 記載原因と効力

 戸籍の記載は、届出、報告、申請、請求若しくは嘱託、証書若しくは航海日誌の謄本又は裁判によってなされ(戸15条)、そのほとんどは届出によるものである。したがって、戸籍の正確性は届出の正確性に大きく依存していると言える。そこで、戸籍法は届出、届出の受否の審査等について詳細な規定を定めている。
 届出については、通則と届出の種類ごとの特則を定めているが、通則の定めには次のようなものがある。
例えば、届出は、原則として届出事件の本人の本籍地又は届出人の所在地で書面又は口頭でしなければならないものとし(戸25条、27条)、口頭で届出をするには、届出人は、市役所又は町村役場に出頭し、届書に記載すべき事項を陳述し、市町村長は、届出人の陳述を筆記し、届出の年月日を記載して、これを届出人に読み聞かせ、且つ、届出人に、その書面に署名させ、印をおさせなければならない(戸37条Ⅰ、Ⅱ)。
法務大臣は、事件の種類によつて、届書の様式を定めることができ、届書の様式を定められた場合には、その事件の届出は、やむを得ない事由がある場合を除いて当該様式によってしなければならない(戸28条)。
 届書には、次の事項を記載し、届出人が署名し、印をおさなければならない(戸29条)。
   届出事件
    届出の年月日
    届出人の出生の年月日、住所及び戸籍の表示
   届出人と届出事件の本人と異なるときは、届出事件の本人の氏名、出生の年月日、住所、戸籍の表示及び届出人の資格
 証人を必要とする事件の届出については、証人は、届書に出生の年月日、住所及び本籍を記載して署名し、印をおさなければならない(戸33条)。
 届出事件について父母その他の者の同意又は承諾を必要とするときは、届書にその同意又は承諾を証する書面を添附し、又は、同意又は承諾をした者に、届書にその旨を附記させて、署名、押印をさせなければならず、また、届出事件について裁判又は官庁の許可を必要とするときは、届書に裁判又は許可書の謄本を添附しなければならない(戸38条)。
 これらの届出に対し、市町村長の審査は、届書の記載事項、添付書類、戸籍等によって当該届出が民法や戸籍法等の法令に違反していないか否かを審査する形式的審査主義がとられており、市町村長は、特に重要であると認める事項を記載しない届書を受理することができない(戸34条Ⅱ)。
このような審査を経て戸籍に記載された事項は、特別の事情のない限り真実に合致するものと推定される。

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第1章 戸籍制度のあらまし Ⅲ 戸籍の特徴 3 記載事項

3 記載事項

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 戸籍は日本国民の身分関係を登録し公証する機能を有するという重要性に鑑み、戸籍の記載は全国的に統一した処理がなされる必要がある。そのため、記載すべき用紙、記載すべき箇所、記載すべき事項等が詳細に定められている。
 例えば、戸籍用紙は、日本工業規格B列四番の丈夫な用紙を用い、一定の様式によつて調製しなければならなず(但し、美濃判の丈夫な用紙を用いることを妨げない)(戸規1条)、戸籍が数葉に渉るときは、市町村長は、職印で毎葉のつづり目に契印をし、かつ、その毎葉に丁数を記入しなければならない(戸規2条Ⅰ)。 戸籍用紙の一部分を用い尽したときは、掛紙をすることができき、この場合には、市町村長は、職印で掛紙と本紙とに契印をしなければならない(戸規2条Ⅱ)。

 戸籍の記載をするには、略字又は符号を用いず、字画を明かにしなければならず、年月日を記載するには、壱、弐、参、拾の文字を用いなければならない(戸規31条Ⅰ、Ⅱ)。 戸籍に記載した文字は、改変してはならず、市町村長は、戸籍の記載をするに当たつて文字の訂正、追加又は削除をしたときは、その字数を欄外に記載し、これに認印を押し、かつ、削除された文字をなお明らかに読むことができるようにしておかなければならない(戸規31条Ⅲ、Ⅳ)。

 戸籍の記載をするごとに、市町村長は、その文の末尾に認印をおさなければならず、市町村長の職務を代理する者が、戸籍の記載をするときは、その文の末尾に代理資格を記載して、認印をおさなければならない(戸規32条Ⅰ、Ⅱ)。
 ただし、法務大臣の指定する市町村長は、法務省令の定めるところにより戸籍事務の全部又は一部を電子情報処理組織によつて取り扱うことができ(戸118条Ⅰ)、その場合においては、戸籍は、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。以下同じ。)に記録し、これをもつて調製し(戸119条Ⅰ)、戸籍謄本等又は除籍謄本等に代えて、磁気ディスクをもつて調製された戸籍又は除かれた戸籍に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面に年月日を記載するには、アラビア数字を用いることができるなどの特例が設けられている(戸規73条Ⅴ等)。

 戸籍の記載はひな形に定めた相当欄にこれをしなければならず、事項欄の記載は、記載例に従い、事件ごとに行を更めてこれをしなければならない(戸規33条Ⅰ、Ⅱ)。
戸籍様式の様式は別紙のとおり定められ、次のとおり各記載事項欄が設けられている。
 本籍欄
 筆頭者の氏名欄
 戸籍事項欄
 身分事項欄
 父母欄
 父母との続柄欄
 養父母欄(養子となった者につき、縁組の記載をする際に、父母欄の左側に新設する)
 養父母との続柄欄(養子となった者につき、縁組の記載をする際に、父母との続柄欄の左側に新設する)
 配偶者欄(婚姻の記載をする際に、夫婦双方の名欄の上部に新設する)
 名欄
 出生年月日欄
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 戸籍には、本籍のほか、戸籍内の各人について、次の事項を記載しなければならない(戸13条、戸規30条)。
   氏名
   出生の年月日
   戸籍に入つた原因及び年月日
   実父母の氏名及び実父母との続柄
    養子であるときは、養親の氏名及び養親との続柄
    夫婦については、夫又は妻である旨
    他の戸籍から入つた者については、その戸籍の表示
 上記のほか、身分に関する事項
   届出又は申請の受附の年月日並びに事件の本人でない者が届出又は申請をした場合には、届出人又は申請人の資格及び氏名
   (父又は母が届出人又は申請人であるときは、氏名を除く。)
   報告の受附の年月日及び報告者の職名
   請求、嘱託又は証書若しくは航海日誌の謄本の受附の年月日
  他の市町村長又は官庁からその受理した届書、申請書その他の書類の送付を受けた場合には、その受附の年月日及びその書類を受理した者の職名
  戸籍の記載を命ずる裁判確定の年月日
 氏名を記載するには、次の順序による(戸14条)。
  第一 夫婦が、夫の氏を称するときは夫、妻の氏を称するときは妻
  第二 配偶者
  第三 子  子の間では、出生の前後による。
 戸籍を編製した後にその戸籍に入るべき原因が生じた者については、戸籍の末尾にこれを記載する。
 次に掲げる事項は、戸籍事項欄にこれを記載しなければならない(戸規34条)。
   新戸籍の編製に関する事項
   氏の変更に関する事項
   転籍に関する事項
  戸籍の全部の消除に関する事項
   戸籍の全部に係る訂正に関する事項
   戸籍の再製又は改製に関する事項
 次に掲げる事項は、当該事項に定める者の身分事項欄にこれを記載しなければならない(戸規35条)。
   出生に関する事項については、子
   認知に関する事項については、父及び子
   養子縁組(特別養子縁組を除く。)又はその離縁に関する事項については、養親及び養子
   特別養子縁組又はその離縁に関する事項については、養子、養子が日本人でない者(以下「外国人」という。)であるときは、養親
   戸籍法第七十三条の二 (第六十九条の二において準用する場合を含む。)に規定する離縁の際に称していた氏を称することに関する事項については、その氏を称した者
   婚姻又は離婚に関する事項については、夫及び妻
   戸籍法第七十七条の二 (第七十五条の二において準用する場合を含む。)に規定する離婚の際に称していた氏を称することに関する事項については、その氏を称した者
   親権又は未成年者の後見に関する事項については、未成年者
   死亡又は失踪に関する事項については、死亡者又は失踪者
   生存配偶者の復氏又は姻族関係の終了に関する事項については、生存配偶者
   推定相続人の廃除に関する事項については、廃除された者
   戸籍法第九十八条 又は第九十九条 に規定する入籍に関する事項については、入籍者
   分籍に関する事項については、分籍者
   国籍の得喪に関する事項については、国籍を取得し、又は喪失した者
   日本の国籍の選択の宣言又は外国の国籍の喪失に関する事項については、宣言をした者又は喪失した者
   戸籍法第百七条第二項 から第四項 までに規定する氏の変更に関する事項については、氏を変更した者
   名の変更に関する事項については、名を変更した者
   就籍に関する事項については、就籍者
   性別の取扱いの変更に関する事項については、その変更の裁判を受けた者


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2016年3月 6日 (日)

第1章 戸籍制度のあらまし Ⅲ 戸籍の特徴 2 編成

2 編成

 戸籍は、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとに編製される(戸6条)。ただし、日本人でない者と婚姻をした者又は配偶者がない者について新たに戸籍を編製するときは、その者及びこれと氏を同じくする子ごとに編製される(戸6条ただし書)。


 婚姻の届出があつたときは、夫婦について新戸籍が編製される。ただし、婚姻する場合に、夫の氏を称する場合に夫、妻の氏を称する場合に妻が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、夫の氏を称する妻は、夫の戸籍に入り、妻の氏を称する夫は、妻の戸籍に入るため、新戸籍は編製されない(戸16条Ⅰ、Ⅱ)。


 日本人と外国人との婚姻の届出があつたときは、その日本人について新戸籍が編製されるが、その者が戸籍の筆頭に記載した者であるときはこの限りでない(戸16条Ⅲ)。

 戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者以外の者がこれと同一の氏を称する子又は養子を有するに至つたときは、その者について新戸籍が編製される(戸17条)。

 父母の氏を称する子は父母の戸籍に入る(戸18条Ⅰ)。子が夫婦の氏を称しない場合は、父の氏を称する子は父の戸籍に入り、母の氏を称する子は母の戸籍に入り(戸18条Ⅱ)、養子は、養親の戸籍に入るが(戸18条Ⅲ)、他の戸籍に入るべき者に配偶者があるときは、その夫婦について新戸籍が編製される(戸20条)。


 婚姻又は養子縁組によつて氏を改めた者が、離婚、離縁又は婚姻若しくは縁組の取消によつて、婚姻又は縁組前の氏に復するときは、婚姻又は縁組前の戸籍に入るが、その戸籍が既に除かれているとき、又はその者が新戸籍編製の申出をしたときは、新戸籍が編製される(戸19条Ⅰ)。


 これらのほか、分籍の届出があったときに新戸籍が編製される場合などがある(戸21条Ⅱ)。

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第1章 戸籍制度のあらまし Ⅲ 戸籍の特徴 1 対象

1 対象

 戸籍は、市町村の区域内に本籍を定める者について編製され(戸6条)、日本国籍を失つた者は除籍される(戸23条)。帰化によって日本国籍を取得したときは新戸籍が編成され(戸22条)、外国に在る日本人は戸籍法の規定に従つて、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事に届出をすることができる(戸40条)。

 これらの規定は、戸籍の対象が日本国籍を有する者に限られるとともに、日本国籍を有する者であれば居住地が日本国内であるか否かを問わず戸籍の対象としていることを明らかにしている。

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2016年3月 5日 (土)

第1章 戸籍制度のあらまし Ⅱ 戸籍制度の変遷 8 電子情報処理組織による戸籍

 法務大臣の指定する市町村長は、法務省令の定めるところにより戸籍事務の全部又は一部を電子情報処理組織によって取り扱うことができ(戸118条Ⅰ)、市町村長は、戸籍事務を電子情報処理組織によって取り扱うように努めなければならないとされている(戸規68条)。
 平成26年10月1日現在、全国1896の自治体のうち、1848自治体が戸籍事務を電子情報処理組織によって取り扱っており、その率は97.47%となっている。
電子情報処理組織による戸籍は、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。以下同じ。)に記録、調製され、磁気ディスクをもつて調製された戸籍を蓄積して戸籍簿とし、磁気ディスクをもつて調製された除かれた戸籍を蓄積して除籍簿とされる(戸119条Ⅰ、Ⅱ)。

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第1章 戸籍制度のあらまし Ⅱ 戸籍制度の変遷 7 現行戸籍

 日本国憲法のもと、国民はすべて個人として尊重され、法の下に平等であるとされている。そのため、それまでの戸主、戸主権、「家」制度を廃止は廃止された。
 また、両性は本質的に平等であるとされ、男女間や夫婦間の差別別取扱いを廃止した。さらに、また兄弟間の差別的取扱いも廃止した。
 婚姻は、男女の自由な意思の合意によってのみ成立し、親権は父母が共同で行使することとされた。
 家督相続制度は廃止され、配偶者は常に相続人となり、直系卑属、直系尊属、兄弟姉妹の順で均等に相続する均分相続制度となった。
 これらの大きな変革を受け、昭和23年1月1日施行の現行戸籍法は、原則として、戸籍は夫婦及びこれと氏を同じくする子を単位として編成することを原則としたで編成することとされている(戸籍6条)。

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第1章 戸籍制度のあらまし Ⅱ 戸籍制度の変遷 6 民法の応急措置法施行中の戸籍

昭和22年5月3日の日本国憲法の施行に伴い、旧民法の家督相続制度や戸主、家族その他の「家」制度から、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚した新しい制度に移行することとなった。これに伴い、応急措置を講ずる目的で「日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律」が施行され、昭和22年5月3日から昭和22年12月31日までの間に発生した相続についての規律が定められた。
しかしながら、戸籍法は、日本国憲法の施行に遅れ昭和23年1月1日に施行されるに至った。したがって、新しい戸籍法が施行されるまでは、通達(例:戸籍の記載方に関する件(昭和22年10月14日民事甲第1263号民事局長通達))によって戸籍の取扱いが定められた。

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第1章 戸籍制度のあらまし Ⅱ 戸籍制度の変遷 5 大正4年式戸籍

 明治31年の戸籍法施行により身分登記簿と戸籍簿の2つの登録制度が設けられたが、手続きが煩雑であることなどから、大正4年に施行された新しい戸籍法により身分登記簿は廃止され、戸籍簿に一本化された。この戸籍簿は「大正4年式戸籍」と呼ばれている。 ところで、欧米諸国には個人ごとの身分登録制度が存在している国がみられるが、わが国のように家族単位で身分登録を兼ねた戸籍制度は存在していない。言ってみれば、大正4年の戸籍法が身分登録制度を廃止して戸籍簿に一本化したことは、世界に類をみないわが国独自の戸籍制度への道を選択したということができよう。

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