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2016年7月 7日 (木)

在外外国人のサイン証明書の原本還付

法務局に、次のような申し出をしています。果たして、みなさんは、どのように考える?

第1 申し出の趣旨
 7月5日に申請した登記に外国人が作成した委任状(現地公証人が別紙でサイン証明をし、委任状と一体となっている)を添付情報として提出し、原本還付を請求したところ、原本還付に応じることができるのは1枚目の委任状部分だけであり、2枚目のサイン証明をした部分は原本還付できないと指導されました。
 しかしながら、上記取扱いは疑義がありますので再考していただきたいと思います。

第2 申し出の理由
1 原本還付請求しているのは委任状である
 今回原本還付請求をしているのは委任状です。委任状には米国公証人のサイン証明が付されていますが、当該サイン証明は委任状に付されて一体となっており、これを切り離したとしても単独ではサイン証明書として機能しません。この委任状は、いわゆる「のみ書面」ではありませんので原本還付できると考えます。

2 仮に、サイン証明書として見るとしても印鑑証明書の規定は適用されない
 在外外国人には印鑑証明書の制度はありませんので、サイン証明書を提出することになっていますが、サイン証明書は法令上の印鑑証明書とは異なります。
 昭34.11.24、民事甲第2,542号民事局長通達は、「所有権の登記名義人たる外国人が登記義務者として登記の申請をする場合においては、印鑑証明書に代えて申請書又は委任状の署名が本人のものであることの、当該外国官憲の証明書を提出せしめるのが相当である。」としており、外国官憲の証明書は印鑑証明書の代替にすぎないことを明らかにしています。外国官憲の証明書を印鑑証明書とみなすという意味ではありません。
また、昭48.11.17、民三第8,525号民事局第三課長通知は、「在外邦人の印鑑証明書の有効期間は、これを延長する取扱いはできないが、署名証明書は、細則第44条の規定の適用はない。」と、印鑑証明書についての規定は適用されないことを明らかにしています。
このように、先例においても、サイン証明については印鑑証明書の規定を直接的に適用しているわけではありません。
 印鑑証明書は、不動産登記規則55条ただし書きで原本還付請求できないとされていますが、サイン証明は、文書の信ぴょう性を担保するために通達により添付しているものであり、法令上の印鑑証明書ではありません。したがって、同条の適用はないものと考えます。

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