« 2016年6月27日の日記より | トップページ | 光産業創成大学院大学で特別講義を行います。一般の方の聴講も可能ですので、ホームページから大学にお問い合わせください。 »

2017年1月 3日 (火)

法定相続情報証明制度(仮称)の新設に対する意見

不動産登記規則の一部改正(案)に関する意見募集(法定相続情報証明制度(仮称)の新設)に対し、本日、意見を提出しました。

第1 法定相続情報一覧図つづり込み帳の保存期間について
規則案では、法定相続情報一覧図つづり込み帳の保存期間を、作成の年の翌年から5年間としているが、戸籍の保存期間が閉鎖後150年であることと平仄を合わせ、作成の年の翌年から150年間とすべきである。

第2 法定相続情報一覧図の保管等の申出をすることができる場合について(第247条第1項関係)
規則案では、法定相続情報一覧図の保管等の申出をすることができるのは、①表題部所有者,登記名義人又はその他の者について相続が開始した場合において、②当該相続に起因する登記その他の手続のために必要があるときとされている。そこで、①の「その他の者」、②の「その他の手続」が何を指すかが問題となる。
不動産登記規則の改正案であるから、①の「その他の者」が、登記記録上に現れる人格に限定して考えると、表題部所有者,登記名義人の他は債務者程度しか想起できない。一方、法定相続情報一覧図の写しが金融機関の手続きにも利用されることを想定すると、「その他の者」には不動産登記名義人等に限られず、預貯金名義人等、相続により承継される権利義務のあらゆる名義人も該当するものと考えられる。
法定相続情報証明制度創設の趣旨は後者のものであると思われるが、もしもそうであれば、「表題部所有者,登記名義人又はその他の者」という規定ぶりを改めるか、何らかの通達で明らかにすべきである。
同様に、②の「その他の手続」が不動産登記手続のみならず金融機関の手続等あらゆる権利義務の承継手続きをも想定しているのであれば同旨の対応が必要と考える。

第3 代理人が保管等の申出をする場合について(第247条第2項、第3項関係)
(1)申出人は親族を代理人とすることができることとされているが、親族を代理人にする場合は親族に該当することを証する書面の添付が必要ということになる。しかし、民法725条に定める親族は範囲が広く、その親等を証する書面の収集と確認は、申出人にとっても登記官にとっても大きな負担になると思われる。また、当該親族には法令上の守秘義務はないものと考えられるため、申出人に不測の損害が生じるおそれもある。したがって、申出人の任意代理人は守秘義務が課されている戸籍法第10条の2二第3項に掲げる者に限定されるべきである。
(2)申出人の任意代理人が戸籍法第10条の2二第3項に掲げる者の場合、利用目的は、受任している事件又は事務に関する業務を遂行するために必要があるときに限定されるべきである。したがって、記載された利用目的が当該資格者の業務ではない場合(例:税理士が利用目的として「不動産登記」と記載した場合、行政書士が利用目的として「相続税の申告」と記載した場合、司法書士が利用目的として「自動車登録の変更」と記載した場合等)には当該保管等の申出は却下されることを明確にしていただきたい。
(3)被相続人名義の預貯金の解約、証券会社に対する有価証券の相続手続等を利用目的として申出人を代理して法定相続情報一覧図の写しの交付を請求できるのは、戸籍法第10条の2二第3項に掲げる者のうち財産管理業務を行うことができる資格者に限定されるべきである。したがって、財産管理業務をおこなうことができない資格者が利用の目的として預貯金の解約、証券会社に対する有価証券の相続手続等を記載した場合には、当該保管等の申出は却下されることを明確にしていただきたい。

第4 法定相続情報一覧図の写しの再交付について(第247条第7項)
法定相続情報一覧図の写しの再交付は、法定相続情報一覧図の保管等の申出をした者がその申出に係る登記所の登記官に対し行うことができるのみとされているが、法定相続情報証明制度がより広く活用され、相続未登記問題の解消に資するためにはより発展的な検討が必要であると思われる。
たとえば、公証役場の遺言検索システムのように、法定相続情報一覧図のつづり込情報をデータベース化することは可能であると思われるので、最寄りの登記所で保管等の申出の有無を検索できるシステムを検討していただきたい。また、再交付の申出をすることができるのは、当初の申出人のみならず、他の相続人または相続人の地位を承継した者に範囲を広げていただきたい。

|

« 2016年6月27日の日記より | トップページ | 光産業創成大学院大学で特別講義を行います。一般の方の聴講も可能ですので、ホームページから大学にお問い合わせください。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/109222/69099461

この記事へのトラックバック一覧です: 法定相続情報証明制度(仮称)の新設に対する意見:

« 2016年6月27日の日記より | トップページ | 光産業創成大学院大学で特別講義を行います。一般の方の聴講も可能ですので、ホームページから大学にお問い合わせください。 »