カテゴリー「会社法」の記事

2015年5月18日 (月)

限定監査役の権限の登記にはどのような書類が必要か

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質問
 当社は平成10年設立の株式会社です。監査役の監査の範囲を会計に限定していますが、この登記をしなければならないと聞きました。実務的にどのような書類を準備すればいいでしょうか

回答
 会社法の改正により、監査役の権限を会計に限定している株式会社は、平成27年5月1日以降に監査役の登記を申請するときまでに、「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある」旨を登記しなければならないものとされました。
 貴社は平成10年設立とのことですが、平成18年5月1日より前に設立された株式会社で、当時、資本金が1億円以下または負債総額が200億円未満であった会社は、平成18年5月1日以降は監査役の監査の範囲を会計に限定する旨の定款の定めがあるものとみなされています。
 そこで、平成27年5月1日以降に監査役の登記を申請するときまでに、「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある」旨を登記しなければなりませんが、この登記をするためには、法務局に定款等を提出して監査役の権限を会計に限定していることを証明する必要があります。そこで、今回の改正に対する実務的な対応について提案いたします。

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2015年5月 5日 (火)

商業登記申請に許可書・認可書を添付するのはどのような場合ですか

 官庁の許可を要する事項の登記を申請する場合には、申請書に官庁の許可書又はその認証がある謄本を添付しなければならないとされています(商業登記法19条)。

 ただし、この場合の「官庁の許可を要する事項」とは、許可又は認可が登記すべき事項の効力要件である場合を言うとされています。したがって、営業認可のように当該許可又は認可が登記事項の効力発生要件ではない場合にはその添付を要しないとされています。

登記先例は次のとおりです。
 非訟事件手続法第150条ノ2(商業登記法第19条)により登記申請書に添付すべき許可又は認可を証する書面は、当該許可又は認可が登記すべき事項の効力要件である場合に限り添付することを要する。(大正5.4.19、民第440号回答を変更)
(昭26.8.21、民事甲第1,717号民事局長通達・先例集下2415頁、登研45号25頁)

では、効力発生要件である許可又は認可にはどのようなものがあるのでしょうか。登記先例を見てみましょう。

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株券不発行会社へ移行する方法を教えてください

1 はじめに
 株券の電子化に伴い、株券の紛失・盗難等のリスク回避及び株券管理の省力化のため、定款を変更して株券不発行としたいという相談を受けることがあります。

 株券不発行会社に移行することにより、今まで発行していた株券は無効となりますが、書面としての株券が無くなるのみで、株主各位の権利義務に何ら影響を与えるものではありません。
 従って、従来どおりの権利義務が維持されますので、株主総会での議決権、剰余金の配当等の権利や出資責任を失うことはありません。

 一方、書面による株券発行の手続費用等を省略でき、実務における効率化をはかることができます。

 しかしながら、株券不発行会社とするには定款変更が必須であるため、株主総会の決議を経て、現在発行中の株券が無効となる旨の公告及び各株主への通知を行う必要があります。

 少々手続が煩雑となりますので、皆様に、株券不発行会社とするための一連の流れを大まかでありますが、現に株券を発行している会社を例として説明致します。

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所在不明株主を整理する方法があると聞きましたがどのような手続ですか

 しばしば、株主様の所在がわからず、また、これがために管理コストを支出しなくてはならないのでなんとかしたい、といったご相談をいただくことがあります。
 このような状況を解決する一例として、所在不明株主の株式売却制度があります。

 この制度は、①株式会社が当該株式の株主に対してする通知又は催告が5年以上継続して到達せず当該株主に対する通知又は催告を要しなくなったとき、かつ、②当該株式の株主が継続して5年間剰余金の配当を受領しなかったときは、株式会社は、当該株式を競売し、かつ、その代金を当該株式の株主に交付することができる、というものです。
 なお、いわゆる無配の株式会社であっても、この制度を利用できます。

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2015年5月 3日 (日)

株式を名義書換するにはどうすればいいですか

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「株式の名義書換」と一言で言いましても、株券発行会社における場合(これも、実際に株券を発行している場合と、実際には株券を発行していない場合に分かれる)と、株券不発行会社の場合とでは、まったくその方法が異なります。

 また、公開会社であるか、非公開会社であるかにもよって、譲渡承認手続きの要否が異なります。さらに言えば、公開会社であっても上場株式として保管振替機構の利用が強制される場合と、そうではない場合があります。

 このように、様々なケースが考えられますが、ここでは、近年最も多いと想像される、非公開の株券不発行会社について考えたいと思います。なお、非公開会社であるために、譲渡承認手続が必要となりますが、譲渡承認手続きについては解説の対象としていませんのでご了解ください。

 株式の名義の変動は、株主の意思により変動が生じる場合と、株主の意思にかかわらず変動が生じる場合とが考えられます。前者の典型的な例としては、売却や贈与があります。また、後者の典型的な例としては相続が考えられます。

 さらに、前者のケースであっても、旧株主が名義書換に協力的な場合と、そうではない場合があります。

 以上を整理すると、①株主の意思により変動が生じ、名義書換にも協力的な場合、②株主の意思により変動が生じたが名義書換に非協力な場合、③株主の意思に関係なく変動が生じる場合の3パターンということになります。

 株券不発行会社という前提ですから、株券はありません。したがって、株式の名義書換に応じるためには、①のケースは株券の提出以外の方法で旧株主の意思確認が不可欠になります。
 通常は、名義書換請求書類に旧株主が会社に対して届出をしている印鑑を押印してもらう方法によればいいでしょうが、印鑑票を整備していない会社にあっては、旧株主の実印を押していただき、印鑑証明書の提出を求める必要があります。

 ②の場合には、旧株主が非協力ですから、新株主の申出だけにより名義書換をしなければなりません。したがって、旧株主の意思が擬制されていることが明らかな書面(具体例として確定した判決正本)を提出していただく必要があります。

 ③の場合は、旧株主の意思を確認する書類は不要ですが、変動の事実が生じたことを証明する書類を提出していただく必要があります。相続にともなう遺産分割により株式を承継した場合を例にすれば、相続人全員の実印が押印された遺産分割協議書と全員の印鑑証明書、当該相続人が被相続人の権利義務を承継した者全員であることを証明するための戸籍謄本等を提出していただくこととなります。

 実は、以上ご説明した書類は、不動産登記を申請する際に要求される添付書類とほぼ同じ考え方です。実際に名義書換請求があった場合には、以上の点を留意して取り扱ってください。

ホームページでの解説はこちら

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2015年4月29日 (水)

設立登記前に、事情の変更(死亡を含む)により定款で選定した代表取締役ではなく、別の取締役を代表取締役に選定したい場合、どのような手続が必要ですか

登記申請においては,変更に係る事項を明らかにし,発起人が署名又は記名押印した書面に公証人の認証を受けたときは,変更後の定款による設立登記の 申請を受理して差し支えないとされています(18年3月31日民商第782号法務省民事局長通達4ページ)。

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2015年2月26日 (木)

創業支援! 何ができるか、何をすべきか

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司法書士会静岡支部の西村やす子会員を無理矢理引っ張ってきて、浜松支部でスキルアップ研修を開催した。おそらく、西村さんが他支部の司法書士の前で話をするのは珍しいと思うし、彼女の話を2時間みっちり聞く機会も初めてだ。

西村さんは、昨年6月にオリーブオイルを製造販売するCREA STYLEという会社を立ち上げ、現在は代表取締役でもある。しかし、お話を聞くと、その2年ほど前から、今振り返れば「なるほど」と思わせるほど、しっかりとした調査と研究を積み上げている。

そして、開店後は、マスコミに数多く取り上げられたことなどにより、司法書士という枠を大きく超えて、オリーブの栽培から商品開発、販路開拓まで大活躍、静岡に新産業を創出しようとしている。

彼女の話から私たちが学ぶことは非常に多い。起業を目指す人たちは社会的弱者だという。いつも一歩先の不安におびえ、相談相手も少ない。そんな人たちに「大丈夫、大丈夫」と寄り添うことが必要だという。

西村さん、ただ者ではない。

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2015年2月 4日 (水)

商業登記規則の一部改正について

司法書士法人中央合同事務所の古橋清二です。

 平成27年2月3日(火)に商業登記規則等の一部を改正する省令が公布されました。この省令は、平成27年2月27日(金)に施行されますが、実務的に影響のある改正ですので情報提供させていただくことにいたしました。

主な改正点は次のとおりです。

1 役員の登記(取締役・監査役等の就任,代表取締役等の辞任)の申請をする場合の添付書面が変わります。
2 商業登記簿の役員欄に役員の婚姻前の氏をも記録することができるようになります。


なお、詳しくは、法務省のホームページhttp://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00085.htmlに掲載されていますのでご覧ください。

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1 役員の登記(取締役・監査役等の就任,代表取締役等の辞任)の申請をする場合の添付書面について

(1) 取締役等が就任する場合の添付書面(規則第61条第5項)
 平成27年2月27日(金)から,設立の登記又は取締役,監査役若しくは執行役の就任に関する登記の申請書には,取締役等の就任承諾書に記載された氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市区町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該取締役等が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)を添付する必要があります。ただし,登記の申請書に当該取締役等の印鑑証明書(市区町村長が作成したもの)を添付する場合は,除きます。

【改正の対象となる登記申請】 
 ○株式会社の設立の登記の申請
 ○取締役,監査役又は執行役(以下「取締役等」といいます。)の就任(※)による変更登記の申請
  (※ 再任は除きます。)
【改正の内容】
 ○登記の申請書に当該取締役等の印鑑証明書を添付する場合を除いて,取締役等の「本人確認証明書」の添付が必要となります。
 ※ 株主総会議事録に当該取締役等の住所の記載がない場合には,別途,当該取締役等が住所を記載し,記名押印した就任承諾書の添付が必要となります。

《取締役等の「本人確認証明書」の例》
  ○住民票記載事項証明書(住民票の写し)
  ○戸籍の附票
  ○住基カード(住所が記載されているもの)のコピー※
  ○運転免許証等のコピー※
  (※ 裏面もコピーし,本人が「原本と相違がない。」と記載して,記名押印する必要があります。)
 
※ 株式会社のほか,一般社団法人,一般財団法人,投資法人又は特定目的会社の役員についても,同様の改正が行われています。

(2) 代表取締役等が辞任する場合の添付書面(規則第61条第6項)
 平成27年2月27日(金)から,代表取締役等(登記所に印鑑を提出した方)の辞任による変更の登記の申請書には,当該代表取締役等の実印が押された辞任届とその印鑑証明書を添付するか,当該代表取締役等の登記所届出印が押された辞任届を添付する必要があります。

【改正の対象となる登記申請】
 ○ 代表取締役の辞任の登記の申請
 ○ 代表執行役の辞任の登記の申請
 ○ 代表取締役である取締役の辞任の登記の申請
 ○ 代表執行役である執行役の辞任の登記の申請
 (※ 登記所に印鑑を提出している方が辞任する場合の登記の申請です。)

【改正の内容】
 登記申請書に添付される辞任届は,次のいずれかに該当するものでなければならないこととなります。
  ・辞任した代表取締役等の個人の実印による押印及びその印鑑証明書(市区町村長が作成したもの)の添付がある。
  又は
  ・辞任した代表取締役等の登記所届出印による押印がある。

※ 株式会社のほか,一般社団法人,一般財団法人,投資法人,特定目的会社又はその他の法人の代表者(印鑑提出されている方)についても,同様の改正が行われています。

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2 商業登記簿の役員欄に役員の婚姻前の氏をも記録することができることについて

 平成27年2月27日(金)から,役員(取締役,監査役,執行役,会計参与又は会計監査人をいいます。)又は清算人の就任等の登記の申請をするときには,婚姻により氏を改めた役員又は清算人(その申請により登記簿に氏名が記録される方に限ります。)について,その婚姻前の氏をも記録するよう申し出ることができるようになります。(規則第81条の2)
 
(1) 申出の方法について
婚姻前の氏をも記録するよう申し出ることができるのは,次の登記の申請をする場合に限られます。
また,その登記の申請書には,必要事項を記載して,これらを証する書面を添付しなければなりません。

【同時に婚姻前の氏の記録の申出をすることができる登記申請】
○設立の登記の申請
○清算人の登記の申請
○役員(取締役,監査役,執行役,会計参与若しくは会計監査人)又は清算人の就任による変更の登記の申請
○役員又は清算人の氏の変更の登記の申請
※ 申出は,これらの登記の申請人が行うことになります。

【登記申請書に記載すべき事項】
(1) 婚姻前の氏を記録すべき役員又は清算人の氏名
(2) (1)の役員又は清算人の婚姻前の氏

《(1)(2)の事項を証する書面の例》
○戸籍謄本,戸籍抄本
○戸籍の記録事項証明書
※ 株式会社の役員のほか,持分会社の社員,一般社団法人,一般財団法人若しくはその他の法人の役員又はLPS若しくはLLPの組合員等についても,同様の改正が行われています。

(2) 婚姻前の氏を記録しない場合について
 登記記録にその氏名とともに婚姻前の氏をも記録された役員又は清算人について,再任による変更の登記又は氏の変更の登記の申請がされた場合で,申請人から,婚姻前の氏の記録を希望しない旨の申出があったときは,その申請により登記簿に役員又は清算人の氏名を記録する際に,婚姻前の氏は記録しないこととなります。
 また,氏の変更の登記を申請する場合で,その変更後の氏と婚姻前の氏とが同一であるときも,婚姻前の氏は記録しないこととなります。

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 具体的な案件に応じて再度ご案内していく予定ですが、ご不明な点はご遠慮なくお問い合わせください。

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2013年3月21日 (木)

テレビ会議システムを利用した取締役会の議事録作成方法

法務省の「規制緩和などに関する意見・要望のうち、現行制度・運用を維持するものの理由等の公表について」によれば、取締役間の協議と意見交換が自由にでき、相手方の反応がよくわかるようになっている場合、すなわち、各取締役の音声と画像が即時に他の取締役に伝わり、適時的確な意見表明が互いにできる仕組みになっていれば、テレビ会議システムを利用して取締役会を開催することができるとされている。この法務省の見解は商法下において出されただが、会社法のもとでも趣旨は同じであると考えられる。

また、テレビ会議システムではなく、画像のない電話会議システムを利用して取締役会を開催することも適法とされている。もっとも、電話会議システムによる取締役会が適法とされるのは取締役会間の協議と意見交換が自由にできる状況であることが大前提であるので、単に会議の場にいない取締役と電話で通話し、その意見を伝達して決議をしたにすぎない場合は要件を満たしていないものと考えられる。

(平14.12.18、民商第3,045号民事局商事課長通知)
  電話会議システムにより,出席者の音声が即時に他の出席者に伝わり,出席者が一堂に会するのと同等に適時的確な意見表明が互いにできる状態となっていることが確認できるような電話会議の方法による取締役会議事録は,適式な取締役会議事録と認められる。

したがって、取締役会議事録の記載方法も上記先例の要件を満たしていることが要請される(具体的な記載方法については各種書籍を参考にされたい)。

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2013年1月25日 (金)

株式会社の清算人の選任方法(野々垣バージョン)

 設立登記に比べ解散の登記を受任することが多いことから、清算人の選任手順をもう一度確認したいと思います。

株式会社が、定款で定めた存続期間の満了、定款で定めた解散事由の発生、株主総会の決議により解散する場合の清算人の選任手順は以下のとおりとなります。

定款で定める者

 ↓

株主総会の決議で選任されたもの

 ↓

取締役

 ↓

上記の手順により清算人になる者がいない場合は、裁判所が選任した者となります。

清算人の任期はありませんが、取締役と同様の欠格事由があります。裁判所の選任した清算人は裁判所の嘱託登記ではなく、清算会社を代表する清算人が登記申請をすることになります。

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