カテゴリー「司法書士」の記事

2017年5月19日 (金)

古い登記の抹消登記手続請求訴訟は司法書士の専門性を発揮できる訴訟だ

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 ここ数日、古い登記の抹消手続請求訴訟は相続により被告が大勢になり、いろいろなことが起きることを書いてきた。
 送達の問題など、いろいろなことが起きることはともかくとして、この手の訴訟は司法書士の専門性が最大限に発揮できる訴訟だ。だから、司法書士としては絶対にマスターしておかなければならない。
 その専門性を発揮する場面の第一は、戸籍を調査することによって相続人を確定するスキルに長けているということだ。司法書士試験に戸籍法の問題は出ないが、相続手続を扱わない司法書士はおそらく皆無だ。だから、日々、戸籍を読んでいる。馴れてくると、一般の人では判読できない明治時代の戸籍でもすらすら読めてしまう。そして、それぞれの時代の相続法を知っているために相続関係を正確に把握していくことができる。そのため、司法書士であれば、時間はかかるが、数十人の相続人を調べ上げることができる。
そして、専門性を発揮する第二の場面は・・・・・

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2017年5月12日 (金)

全国から司法書士、司法書士有資格者を募集しています!

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 当事務所では、現在、全国から司法書士(司法書士有資格者を含む)を募集しています。

◆昨年試験に合格者したが実務を習得したい
◆司法書士になって数年経過したが進むべき方向に迷っている
◆自分が自信を持って専門性をアピールできる分野を持ちたい

 などご相談ください。

 これまで、当事務所からは10名の司法書士が巣立ち、現在、様々な場所で活躍しています。当事務所のノウハウを吸収して、市民のための司法書士として成長してください。

詳しくはこちらをご覧ください。

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2017年4月27日 (木)

相談の出口

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 前回、「相談」において心がけていることを書いたが、今書きかけの原稿で相談について書いてみたところがあるのでちょっとだけ紹介しておく。

 司法書士に寄せられる相談は、「相続手続がわからない」、「答弁書の書き方がわからない」などといった手続的な相談から、「トラブルを解決したい」、「どうしたらいいのかわからない」といった実体上のものまで様々である。
これらの相談に対して司法書士が提供すべき回答は・・・・・・

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2017年3月17日 (金)

移住の支援をしています

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3月12日、東京有楽町の「ふるさと回帰支援センター」で、静岡市に移住を希望される方々の相談会に参加しました。

詳しくは記事をご覧いただきたいのですが、まさか、マイクでしゃべてっいるところを写真に撮られていたとは知りませんでした。

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2017年3月 3日 (金)

心配無用! 人生は依頼者が決めてくれる

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明日、全国青年司法書士協議会 第48回全青司いばらき全国大会が開催されます。寄稿文を依頼されていましたのでここで紹介します。なお、参加される方には配付されると思われます。

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全国の青年司法書士のみなさん、こんにちは。『志動』をテーマとする全青司いばらき全国大会の開催にあたり、私の経験や考え方が少しでも参考になればと考え、寄稿させていただきます。

 私は平成2年登録ですので、26年以上司法書士をやっていることになります。司法書士はマネーライセンスだと思って開業しましたので、何かに正義感を持っていたとか特定の分野で活動したいなどという考えは全くありませんでした。
 そんな私がクレサラ問題にのめり込むようになったのは、開業直後に受任したいわゆる街金の担保抹消の依頼でした。担保抹消後、債務者の方が「まだ他にも借金があるんです」と相談に来たのでした。当時は、まだサラ金問題はほんの一部の弁護士が対応していたにすぎず、司法書士にいたっては全国で指折り数える程しか扱っていなかったと思います。開業したばかりの私は「サラ金問題」の存在すら知らず、どのように相談にのればいいのか全くわかりませんでした。

「まあ、とにかく話を聞かせてよ」ということにしましたが、アドバイスする言葉も見つからず、まず、持っている書類を見せてもらったところ、裁判所から届いている電話加入権の差押命令や年利40パーセント前後の率で利息の契約をしている数社の契約書でした。私は、それまでもサラ金の広告などを見て、書かれている利率が利息制限法を超えているなあ、と何気なく思ったことはありましたが、現実の相談を突きつけられて、まず、ここから紐解かなければなりませんでした。

これが私のクレサラ問題との出会いです。

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2017年2月21日 (火)

全国から司法書士募集中! いっしょに働きませんか?

 当事務所では、現在、司法書士(司法書士有資格者を含む)を募集しています。直近の試験合格者のみならず、司法書士になって数年経過したが進むべき方向に迷っている方、自分が自信を持って専門性をアピールできる分野を持ちたい方などご相談ください。

 これまで、当事務所からは10名の司法書士が巣立ち、現在、様々な場所で活躍しています。当事務所のノウハウを吸収して、市民のための司法書士として成長してください。

社会保険完備!

遠隔地から単身で来られる方は社宅を用意します!

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☑ 不動産の立会業務をたくさん経験したいという方 

当事務所では、住宅用の土地・建物の決済立会いから工場や老人施設用地の
買収案件、競売・破産物件等の任意売却等、不動産に関する様々な場面の決
済を取り扱っています。

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☑ 中小~上場企業の登記や会社法務を経験したいという方

浜松は、地方都市にしては上場企業が多数活躍しているほか、多くの中小企
業もあります。当事務所では、これら上場企業の大半の商業登記を取り扱っ

ているほか、中小企業や法人の登記も多数取り扱っています。さらに、戦略
的な会社法の活用や契約書レヴュー
も行っています。

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☑ 裁判業務をたくさん経験したいという方

当事務所では、簡裁訴訟代理のみならず、本人訴訟支援(裁判所提出書類の
作成)を多数手がけています。その内容も、訴訟だけではなく、保全、債権
執行、明渡執行、家事審判・家事調停申立等多岐に亘ります。

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☑ 破産申立て、再生申立てを極めたいという方  

破産申立て、再生申立てをきっちりできなけれは「債務整理を扱っている」
とは言えません。当事務所は、任意整理はもちろん、破産申立て、再生申立
てでは全国的に見ても圧倒的な実績を誇っています。

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☑ 相続、遺言、後見、財産管理業務をたくさん経験したいという方

当事務所では、相続登記はもちろん、相続手続をトータルでサポートする遺
産管理業務、遺言書作成支援、遺言執行手続などを行っているほか、裁判所
から成年後見人、相続財産管理人等に数多く選任され、財産管理業務を行っ
ています。

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まずはメールでお問い合わせください

 出身地、住所地はどこでもかまいませんが、勤務地は浜松であるため、浜松に居住することが条件となります。
浜松には家具付きマンションや賄い付きマンションもありますので、一定期間、最先端の司法書士業務にどっぷり浸かってスキルアップし、地元に戻って開業したいという新人の方にとって最適な事務所です。ベテラン司法書士が”やさしく”指導します。
 報酬、勤務条件、3年後には地元に帰りたい等、気兼ねなくご相談ください。

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2016年12月18日 (日)

2016年6月27日の日記より

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 新幹線のガード下から自転車を引きながら見上げると、街路灯の光を吸収して光る雨粒の群れが降り注いでいた。暗闇で見た印象よりも、雨は激しく降っている。最近は、天気予報がよく当たる。

 朝、11時11分発のひかりで東京に向かう時は晴れていた。もう梅雨が明けたような暑さだった。東京で1時に待ち合わせ場所に集合し、出発までの時間、今日の最高裁判決の予想を安易に口にする者はいなかった。雰囲気としては、皆、6割方は勝訴を信じていた。しかし、3割ほどは敗訴もあり得ると考えていた。でも、それも安易に口にする者はいなかった。残り1割は、何かしらの新しい判断がなされるのではないかという気味の悪さを感じていた。

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2016年10月23日 (日)

和歌山訴訟控訴審判決を読め!

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 本年6月27日に言い渡された所謂和歌山訴訟の最高裁判決は、司法書士法3条1項7号に定める裁判外の和解の代理業務の範囲について、債権者が主張している債権額を基準に考えるべきだと判示した。

 上記の判決は司法書士法3条1項7号の解釈についてのみ取り上げ、そのほかに双方が上告受理申立てをした部分については審理の対象にしなかった。そのため、上記の判決の異議としては「債権者主張額説に確定した」という捉え方が一般的であると思われる。

 しかし、双方が上告受理申し立てをしていた部分は広範に及んでいた。ところが、最高裁が「裁判外の和解の代理業務の範囲」のみを審理の対象としたことから、その余の部分は、最高裁が審理の対象としなかった時点で高裁判決が確定していることに注意しなければならない。

 そこで、高裁判決を読んでみると極めて興味深い判断がなされている。特に司法書士の裁判書類作成関係業務(いわゆる本人訴訟支援)とはどのようなものかを明確に定義づけ、その業務の進め方について法律専門職としての善管注意義務を、「司法書士としての説明・助言」、「処理方針」、「引き直し計算の選択」、「過払金の回収額」、「報酬の考え方」等について具体的に説明している。

 判決の中で、当事者となった司法書士が行った裁判書類作成業務(当該業務は弁護士法72条違反と判断されているので「裁判書類作成業務」と言うのは間違っているかもしれないが)について時系列で事実認定している行がある。まずそれを読むと、過払事件の裁判書類作成業務であれば、まあ、このような方法で行っている司法書士が多いだろうな、という印象を抱く方が多いと思われる(判断としては弁護士法72条違反とされているのだが)。

 ところが、その後に出てくる善管注意義務についての判断を読んでからもう一度上記業務の事実経過を読むと、当該司法書士の行った業務がいかに善管注意義務を満たしていないかが浮き彫りになるのである。

 大阪高裁判決は、司法書士を法律専門職と位置づけて高度な善管注意義務を求めている。逆に言えば、それだけ司法書士の職責を重く見ているのであり、そういう意味では司法書士業界では有名な高松高裁判決より一歩前進しているのではなかろうか。

そういう視点を持って大阪高裁判決を読むと、実に興味深いのである。

だから、「和歌山訴訟控訴審判決を読め!」なのである。

ホテルロコアナハ(沖縄)にて

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2016年7月 7日 (木)

最高裁判決を受けて  裁判外代理業務及び裁判書類作成関係に関する指針 ~静岡版~

平成28年6月27日の最高裁判決を受けて、静岡県司法書士会から指針が出されたので紹介する。

会員各位

裁判外代理業務及び裁判書類作成関係に関する指針

                            平成28年7月4日
                           静岡県司法書士会
                           会長 杉 山 陽 一

 既にご存知のことと思われますが、平成28年6月27日に最高裁において司法書士の裁判外の和解の代理業務について、平成14年改正司法書士法施行の際に示された解釈とは異なる判断がなされました。これは、従来は司法書士の正当な代理業務と考えていた行為の一部について違法と評価するものであり、極めて重要な判断であると受け止めざるを得ません。
 これに対し、今後、会員がどのように執務を行うべきかについて日本司法書士会連合会から指針が示されると思われますが、当会としては、会員が一日でも早く最高裁の示した判断に沿う業務が行われるよう、指針を取りまとめました。
 もっとも、当指針は取り急ぎ考えられる対応を示したものであり、今後改正することもあることをお含みいただき、業務の参考としていただければ幸いです。
 なお、最高裁判例については下記の最高裁ホームページからダウンロードできます。http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/969/085969_hanrei.pdf
 また、最高裁の原審である大阪高裁判決については司ネットのフォーラムからダウンロードすることができます。

第1 最高裁判決の要旨

 認定司法書士が裁判外の和解について代理することができる範囲は,認定司法書士が業務を行う時点において,委任者や,受任者である認定司法書士との関係だけでなく,和解の交渉の相手方など第三者との関係でも,客観的かつ明確な基準によって決められるべきであり,認定司法書士が債務整理を依頼された場合においても,裁判外の和解が成立した時点で初めて判明するような,債務者が弁済計画の変更によって受ける経済的利益の額や,債権者が必ずしも容易には認識できない,債務整理の対象となる債権総額等の基準によって決められるべきではない。
 以上によれば,債務整理を依頼された認定司法書士は,当該債務整理の対象となる個別の債権の価額が法3条1項7号に規定する額を超える場合には,その債権に係る裁判外の和解について代理することができないと解するのが相当である。

第2 最高裁判決から導き出されるポイント(債務整理を念頭に)

(1)裁判外の和解の代理業務の「紛争の目的の価額」
認定司法書士は、民事に関する紛争(簡易裁判所における民事訴訟法の規定による訴訟手続の対象となるものに限る。)であつて紛争の目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号 に定める額(140万円)を超えないものについて、相談に応じ、又は仲裁事件の手続若しくは裁判外の和解について代理することができるが、この場合の「紛争の目的の価額」は、個別(①)の債権の価額(②)により判断することとなる。
①「個別」とは
 「個別」とは、原則として、「1債権者」という意味に解する。たとえば、1債権者が複数の債権(貸付債権、立替金債権、求償債権等)を有する場合、通常であればそのすべての債権が一つの和解の対象とすると考えられるから、その合計額が「個別」の意味するところとなると考えられる。
 近年、貸金業者が銀行の保証をしていることも多くみられる。そこで、貸金業者の貸付債 権をA債権、代位弁済後の求償債権をB債権とした場合には、代位弁済前はA債権だけが裁判外和解の対象であり、代位弁済後はA債権とB債権の合計額が「個別」の意味するところとなると考えられる。また、仮に、A債権が50万円、B債権が100万円として、受任時は代位弁済前で当該貸金業者にはA債権しか存在していなかった場合には当該貸金業者について裁判外和解の代理業務を受任することはできるが、代位弁済が行われてB債権が発生すると、その合計額は150万円であるから代理権は喪失すると考えられる。
②「債権の価額」とは
 最高裁の示した基準は当該事案について訴訟を提起する場合の訴訟物の価額によるものと考えられる。
 したがって、「債権の価額」とは、債権者が債務者に請求している債権額のうちの元本の額と考えられ、訴訟の場合の付帯請求となる利息や損害金は「債権の価額」に含まれないと考えられる。
 また、貸金業者については、債務者に対し、旧貸金業規制法のみなし弁済規定による約定残高を請求していることも考えられるが、この場合にあっては当該請求額のうちの元本の額が「債権の価額」になるものと考えられる。これは、事実上、みなし弁済が成立する余地が皆無であるとしても、約定残高による提訴は可能であり、提訴が可能である以上、約定残高のうちの元本の額が「債権の価額」になるものと考えられるからである。

(2)裁判書類作成関係業務等について
 原審である大阪高裁判決は、裁判外代理業務の「紛争の目的の価額」だけではなく、裁判書類作成関係業務、債務整理を受任する際の善管注意義務についても一定の判断をしている。これらすべてについて上告受理申立てがされたが、裁判書類作成関係業務、債務整理を受任する際の善管注意義務については上告審の審理の対象とはならなかった。
したがって、裁判書類作成関係業務、債務整理を受任する際の善管注意義務についての大阪高裁の判断も確定したこととなる。
 大阪高裁判決では、裁判書類作成関係業務で予定されている司法書士の権限の内容、報酬請求の考え方、説明助言義務とその内容、処理方針のあり方等について判断しているので、会員にあっては大阪高裁判決も参照していただきたい。

第3 実務対応(裁判外の和解の代理業務について)

(1)調停代理権の活用
 債務整理によって債務者の経済生活の再生を図るためには、受任時において、債権者の取立行為の恐怖から債務者を解放することが重要である。ところが、今回の判断により、「個別の債権の価額」が140万円を超える場合には裁判外の和解の代理業務を受任することができない。そこで、これに代わる方法として、調停代理についての委任契約を締結してその旨の通知をすることが考えられる(貸金業法21条1項9号参照。なお、同号により取立行為が規制されるのは代理権を持った受任者が交渉窓口となるからであり、厳密には、書類作成権限のみを有する受任者の場合には取立行為の規制の対象外であると考えられる。また、債務弁済協定調停や特定調停は調停事項の価額は受益額であることが確立されており、今回の判断の射程外であると考えられる。そのため、個別の債権の価額が140万円を超えている場合であっても、受益額で計算した調停事項の価額が140万円以内であれば、調停代理権を有するものと考えられる)。
 以下、これを前提として今後の実務対応を検討したので参考にされたい。

(2)新規の受任
 「個別の債権の価額」が140万円を超える場合には、調停代理として受任し、その旨の受任通知を送付することが考えられる。他に「個別の債権の価額」が140万円以内の事件を同時に受任する場合に、当該事案を裁判外の和解の代理業務として受任することも、調停代理として受任することも可能であり、その判断は個々の司法書士に委ねられる。
 なお、相談時に依頼者が「個別の債権の価額」を把握していないこともあるが、その場合は、依頼者が電話等で問合せをすれば簡単に判明する(近年、そのような問合せに対して貸金業者は丁寧に対応しているようである)。
 「個別の債権の価額」が140万円を超えていたために調停代理で受任した後、引直計算、担保物件処分による債務充当等により債権額が140万円以下に変動した場合であっても、判断時はあくまでも受任時であると考えられるから、その時点で裁判外の和解の代理業務に切り替えることはできないものと考えられる。
 また、調停代理で受任した後に調停外において和解に向けた協議が行われることが想定されるが、当該協議はあくまでも調停代理権限を根底としたものであり、法3条1項6号の範囲内の業務と考えられる。なお、この場合、協議の結果合意に達する場合には、あくまでも調停の成立を目指すべきであり、調停外で和解書を交わして調停を取り下げることは、そもそも当該和解を成立させることが目的であり法3条1項6号の業務を逸脱していると評価されるおそれがあるため避けるべきである。
調停代理で受任した後に過払であることが判明した場合、特定調停手続の中で過払金請求をする実務は行われていないため、調停代理権で過払金請求をすることは難しいと考えられる。その場合には、あらためて過払金請求の裁判外和解の代理権等の付与を受ける必要があると考えられる。

(3)現在受任している事件
 現在、裁判外の和解の代理業務として受任している事件のうち、「個別の債権の価額」(あくまでも受任時でありその後の変動は考慮しない)が140万円を超えていたものについては、調停代理権の付与を受けたうえで、裁判外の和解の代理権を喪失していることが明らかとなったこと、調停代理人として引き続いて関与していくことを通知することが考えられる。

(4)受任内容の明確化
 これまで、依頼者との間の委任内容や、受任通知に記載する受任業務について、裁判外の代理業務、裁判上の代理業務、書類作成業務を包括的に記載してした傾向がみられる。しかしながら、場合によって違法な業務の委任を受けていると見られることも考えられるので、今後は、極力具体的に記載して誤解を招かないようにすることが重要となる。

以上

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2016年6月29日 (水)

苦難は必ず乗り越えられる

6月27日、最高裁で、司法書士には衝撃的な判決が言い渡された。私も傍聴に行き、「ここが最高裁の法廷か。どんな判決になるかはともかくとして、最高裁の法廷に来るのは最初で最後かもしれない。よ~く目に焼き付けておこう」と思いながら開廷を待った。

裁判長は、主文だけではなく、判決理由の要旨を簡単に紹介してくれた。それを聞いたときに、司法書士の主張の主要部分は認められなかったと瞬時にわかり、なぜか落ち着いている自分が不思議だった。

この判決に対してはいろいろな意見が飛び交っているようだ。また、過去に行った和解の効力等についても情報交換が始まっている。この判決が司法書士界に与える衝撃は、決して小さくなさそうだ。

...

ところで、今まで築いてきたものがいとも簡単に破壊されるこの絶望感は、なぜか懐かしく感じるのは私だけだろうか。この感覚は、幾度となく味わったものと似ている。

たとえば、破産法改正前は、破産申立てをすると何件も訴訟を提起され、給料の仮差押えまで受けたあの頃。破産申立てをすればするほどそうした訴訟を抱え込み、債務者の経済的再生を阻害され、絶望感を味わった。でも、破産法改正にこぎ着け、そうしたことはできなくなった。

また、ヤミ金の取立てや嫌がらせに生活を破壊されて絶望感を味わったこともあった。しかし、ヤミ金融の口座を仮差押えしたりしながら闘っているうち、国をあげてヤミ金融問題に対峙するようになった。

商工ローンの手形も止まらず絶望感を味わったこともあった。でも、様々な手続に保全措置があるのに調停の保全措置が使い物にならないのはおかしいと声をあげ、調停前の仮の措置を活用し、手形を止める手法でそれを乗り越えた。

今までもそうだったように、今回の判決の衝撃は必ず乗り越えられる。そう信じて新しい道を手探りで進んでいけばいい。これも、司法書士の歴史の1ページだ。雑草は踏まれるほど強くなるのだ。

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