カテゴリー「いつまで続くかわからない債務整理講座」の記事

2006年7月12日 (水)

社会保障制度の確認

(9)社会保障制度の確認
 債務整理の目途が立ったとしても、収入が少なくて生活が成り立たなければ今後の生活に支障を生じてしまいます。場合によっては、児童福祉手当や生活保護制度の利用、高齢者や障害者向けの社会福祉協議会の福祉サービスの利用も検討する必要があります。
(10)家族への影響
 債務整理手続をとったからといって家族に直接的な影響や法的な不利益が発生することはありません。しかし、信用情報機関への事故情報の登録により、同居の家族の信用が低下するといった事実上のデメリットはあります(Q&A参照)。
(11)勤務先への影響
 債務整理手続を開始したからといって、原則として勤務先へは影響はありません。債務整理をしていることが勤務先に知られることもありません。しかし、例外として破産・民事再生の場合には、勤務先からの借入金があると債権者として扱わなくてはならないため、勤務先を手続に巻き込まざるを得ません。また、給与の差押え・仮差押えがなされると債務を負っているという事実が勤務先に知れてしまう可能性があります。
 その他、破産・民事再生の場合であって一定期間勤続している場合(概ね5年以上)には退職金見込額証明書を取得していただくことになりますが、それを機会に債務整理をしていることを知られてしまうこともあります。もっとも、その場合には、退職金規程や本人の上申書で代用することができる場合があります。
 なお、破産の場合には、法律の規定により資格を喪失するなど(資格登録の抹消)の制限を受ける職業があります。例として宅地建物取引業者、警備員、生命保険募集人、損害保険代理店などです。ただし、免責決定が確定するなどして復権した場合は、資格制限が解除されます。
(12)租税公課の取扱い
 租税公課については、破産や民事再生の手続きをとっても免除または一部免除を受けることはできません。むしろ、一般の債権とは別に優先的に支払わなければならないものとされています。
 しかし、行政庁によっては一部免除を受けたり、分割弁済を認めてもらえるケースもありますので、各行政庁に相談してみるのがいいでしょう。

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2006年7月11日 (火)

担保への影響

(8)担保への影響
 不動産に抵当権や根抵当権などの登記を設定している場合には、競売の申立がなされるおそれがあります。しかし、利息制限法で引直計算をすれば債務の額が相当減少したり、過払いが発生しているような場合には、競売の申立てがされる可能性は低いと言えます。
 不動産の競売申立がされると債務者にも通知がされますし、競売の手続は時間がかかります。競売の手続中に債権者との交渉により和解し、競売を取り下げてもらうこともしばしば行われています。
 もっとも、競売は、強制的に不動産を売却して換価する手続きですから、最初から、債権者と和解することができるという甘い見通しを立てることは禁物です。
 また、クレジットを利用して自動車を購入した場合、その自動車はの所有権はクレジット会社にあることが普通です。したがって、債務整理したいという意向をクレジット会社に伝えた途端、自動車の返還を求められる場合があります。クレジット会社としては、返還を受けた自動車をオークションなどで売却し、その代金で少しでも債権を回収したいと考えているのです。なお、銀行や信用金庫などの融資で自動車を購入した場合(オートローンなど)には、銀行等は自動車の返還を求める権利はありません。
 不動産の抵当権や自動車のクレジットにつきましては、最終的な債務整理方針を決定するまでは、その債権者に通知せずに支払いを継続するというのも選択肢としては考えられます。この場合、その債権者は、他の債権者と異なり、抵当権などの特別な権利を有していますから、その債権者に支払うことで債権者を不公平に扱ったことにはなりません。

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2006年7月10日 (月)

給与・年金等振込口座の変更

(6)給与・年金等振込口座の変更
 給与・年金等の振込口座を設けている金融機関に対してカードローン、住宅ローン等の負債を負っており、それをも整理の対象とする場合には、申立て前に速やかに給与・年金等の振込先を別の金融機関の口座に変更するか、現金給付とするよう変更する必要があります。この手続を怠ると、口座に振り込まれた給与や年金等が、金融機関によって相殺の対象とされ、引き出せなくなる可能性があります。
 ただし、裁判所への申立てまたは支払停止を債権者が知った後に、給与・年金等が口座に振り込まれてしまった場合には、相殺制限の規定により、振り込まれた給与・年金等の払戻しを受けることは可能であるという判例もあります。しかしその場合においても、相殺額を確定するために口座が一時的に凍結されるおそれはあります。
 さらに、クレジット代金等が同じ口座から自動引落しされている場合、給与・年金等の振込みによって、意に反して引き落とされてしまう可能性があるので注意が必要です。
(7)保証人への影響
 貸金業者やクレジット会社が、特定調停などの裁判手続をとった旨を貸金業者に通知した場合や、弁護士や司法書士が債務整理の委任を受けた旨の通知を受け取った場合には、正当な理由なく請求をすることが禁止されます(Q&A参照)。
 しかし、この効果は保証人には及びません。したがって、主たる債務者が債務整理手続に着手しても債権者から保証人へ請求がなされることが予想されます。保証人には、その旨をお話しておくべきでしょう。
 中には、「保証人に迷惑がかかるから、やはり債務整理は断念する」と言う方もいらっしゃいます。しかし、債務整理により債務の額が減少すれば保証人にもメリットがあります。また、債務の額が減少しなかったり、最終的には破産してしまい、保証人が全ての残金を支払わなければならなくなったとしても、保証人としては、遅かれ早かれそのような事態に陥ってしまうのではないでしょうか。
 むしろ、保証人と足並みをそろえ、特定調停を申し立てるのであれば一緒に(連名で)申立をしたり、弁護士や司法書士にいっしょに相談してみてはいかがでしょうか。

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2006年7月 9日 (日)

信用情報機関への登録と効果

(3)信用情報機関への登録と効果
 債務整理を行うことによって、信用情報機関(いわゆるブラックリスト。具体的な説明はQ&A参照)に事故情報が登録されることになります。これは、任意整理、破産、特定調停、民事再生のどの手続をとっても同じであると考えられます。
 信用情報機関に事故情報が登録された場合の効果は(Q&A)のとおりであるが、往々にして債務者は、ブラックリストと聞いて実際の不利益以上のネガティブなイメージを抱いていることが多いようです。しかし、信用情報機関に事故情報が登録されて若干のデメリットがあったとしても、債務整理によるメリットの方がはるかに大きいものと考えられます。
(4)債権者の法的権利行使と注意事項
 債務整理の手続を進めようとしている際に、すでに債権者から支払督促や訴訟等、裁判所を通じた法的請求を受けていることがあります。その場合、一定の期間を経過すると重大な不利益を被ることもありますので、早急に弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
(5)自動引落しの解約・預貯金口座の解約
 債務整理を始めるにあたっては、整理の対象となる債権者は公平に扱う必要があります。債務者がそのうち一部の債権者へのみ弁済を続けることは避けなければなりません。したがって、預金通帳からの自動引落しを利用して返済している場合には、自動引落しを解約するか、口座残高をなくしておくなどしておく必要があります。

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2006年7月 8日 (土)

債務整理にあたっての注意すべき事項

第5 債務整理にあたっての注意すべき事項
(1)新たな借入れの禁止
 これから債務整理を進めていく以上、新たな借入れをしてはいけません。もちろん、次の返済期日が迫っていて、その返済資金を準備しなければならないという事情もあるかもしれません。しかし、後に述べるように、特定調停の申立てなどを早急に行ってその旨を債権者に通知したり(Q&A参照)、弁護士や司法書士に債務整理を依頼して受任通知(Q&A参照)を発送してもらえば債権者は取立行為をやめますし、返済もとりあえず停止してかまいません。
 また、債務整理を始めたにもかかわらず、他社から借り入れる行為は、場合によっては返済の意思なく借金をしたとみなされ、詐欺罪に問われることもありますので絶対にしてはいけません。
(2)債務は全て明らかにすること
 どのような債務整理を選択する場合であっても、一部の債務を隠したりしてはいけません。また、別の債務の存在を思い出した場合には、債務整理の対象として含めるかどうかは別として、全て明らかにする必要があります。
 なぜなら一つでも債権が増えると、その債権の額や性質によっては、債務整理手続全体に大きな影響を与える可能性があるからです。たとえば、特定調停を選択して整理したものの、別に隠していた債務の支払いを加えれば分割弁済が不可能となるなど、全体の債務整理に影響を及ぼすからです。また、破産の場合に債務の一部を明らかにしない場合は、その債務は免責されません。
 そもそも、債務がここまで増加してしまった原因のひとつとして、家族などに借金を隠していたということが少なからずあります。一部の債務を隠しているということは、またこれまでと同じ道をたどることになるのです。

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2006年7月 7日 (金)

借入原因の把握

第4 借入原因の把握
 さて、これまでは、債務の確認、支払能力の把握について述べてきました。ここまでは数学の問題でした。しかし、忘れてならないことは、どうしてここまで債務が増えてしまったのかを考えてみることです。
 もちろん、ある程度債務が増えてしまうと、それを返済するために他の貸金業者から借り入れをして、いわゆる自転車操業に陥って、雪だるま式に借金が増えてしまったことはわかります。しかし、そこに至るまで、何か問題はなかったでしょうか。
 たくさんのご相談を受けている中で感じることは、「誰も好きこのんで借金をしたわけではない」ということです。人生の中で、いくつかの小さなハプニングが発生して、それに対処するためにやむなく借金をしてしまったという方がほとんどです。
 それは、子供の出産費用や養育費用であったり、転職を繰り返す間に収入が途絶えてしまったり、住宅ローンを支払い中に収入が減少したり、交通事故の示談金を支払わなければならなかったりと、実に様々です。もちろん、中にはパチンコにのめり込んでしまったり、若い方ですと、知人に「迷惑はかけないから名義を貸して欲しい」と言われて貸金業者のカードを貸してしまったりと、いろいろな意味で問題のある方もいらっしゃいます。
 しかし、考えてみますと、こうした出費に対処するためにした借金は、実はそれ程高額ではないのです。たとえば、「借金は全部パチンコにつぎ込んでしまいました」と言う方もいらっしゃいますが、全部パチンコにつぎ込んでしまうということがあり得るでしょうか。そうではない筈です。生活費は足りていたのでしょうか。毎月の返済はどうしていたのでしょうか。そう考えると、「全部」ということはありえません。大半は、他社の返済に回っていたのではないでしょうか。
 また、生活費が不足するために借金を繰り返した方も大勢いらっしゃいます。その場合、特に何に使ったということもなく、何となく借金が増えてしまうことが多いようです。
普通のサラリーマンの家庭を具体的にイメージしてみましょう。ご主人が20万円とか25万円くらいの手取りを得て、奥さんがパートに出て月に5~6万円の収入を得ているとします。子供は2人で、小学校と中学校に通っているとします。ごく普通の標準的な家庭です。
家賃は月6~7万円、あるいは住宅ローンを支払いながら、食費、電気、水道、ガス、学校の校納金なども支払います。子供が塾やスポーツクラブに通っています。生命保険や車のローンも支払っています。こうしたごく普通の家庭ですが、実は、もう余裕はありません。いっぱい、いっぱいです。せいぜい、月に1万円くらい貯金ができるかどうかというのが、実は、標準的な家庭なんです。
そうした生活の過程で、何か突発的な出費が発生したとします。たとえば、子供が怪我をして奥さんがパートを休まなければならないかもしれません。実家に不幸があって、家族で実家に行かなければならないかもしれません。自動車をぶつけてしまい、修理をしなければならないかもしれません。
それまでは、家族全員が健康で、両親は毎日働きに行って、子供たちは毎日学校へ行ってと、そうした前提で成り立っている収支のバランスが崩れていきます。そこで、急場を凌ぐために、月々1万円ずつ積み立ててあったお金を少しずつ取り崩して生活したり、あるいは生命保険を解約して、解約金で生活費を補填したりしていったりします。
それでも足りない場合、実家の援助を求めたりできればいいのですが、何とかしなければと考えるわけです。特に家庭でご主人がある程度威厳を持っていて、「月々の給料で家計をやりくりするのが妻の努めだ」というようなことを言っている家庭はここから不幸が始まります。
奥さんは、「お金が足りない」なんてこぼすと怒られますから一人で悩みます。一人で悩んで、ボーッとテレビを見ていると貸金業者のコマーシャルが朝から晩まで流れています。また、新聞の広告やチラシにも、簡単に借り入れできそうな、非常にさわやかな広告が入っています。
「今回だけ」と自分を戒めながら、恐る恐る電話をしたり、お店に行ってみます。
ところが、貸金業者の電話の対応も非常に爽やかですし、お店に行ってみても、小じんまりした洒落た事務所になっていて、清潔感があります。そこで、笑顔で「お幾ら御利用ですか?」と迎えられます。事務的にテキパキと処理されて、とりあえず10万円ぐらい借りてしまうことになります。
実は、これが最大の誤りです。生活費のことを家庭で話ができない、家族に内緒で借金をしてしまうということが間違いなのです。
10万円ぐらい借りますと、月々の返済は8000円~10000円ぐらいです。翌月から、それを一生懸命返済することになります。生活費ぎりぎりの中で、月々1万円返していくことになる訳です。家族に内緒で借りた場合には、とにかく遅れないように必死で返済資金を作ります。これはなかなか大変なことで、食費を削ったりして返済していくことになります。
これを2~3ヶ月続けていくと、必ずといっていいほど連絡が来ます。「今月から50万円に枠を上がることができます。是非お店に来て下さい。契約を書き換えます」という事でお店に呼ばれるわけですね。最初は、「いやいや、結構です」と断っていても、「キャンペーン中ですから」とか「成績が上がらないものですから協力していただけませんか」、「枠だけですから別にご利用なさらなくても結構です」とか、いろいろと言われ、結局枠を広げてしまい、借りない筈だったのに「残金は8万円ですから、とりあえず30万円までご利用ください」と、差額の20万円少々を借りさせられてしまうのです。
そうやって借りてしまったお金を貯金している人などまずいらっしゃいません。また、それで大きな買い物をしたという方はほとんどいません。「今まで2~3ヶ月我慢して生活してきたから少し家族と食事に行きましょう」と、せいぜいその程度の話で、あっという間にもう無くなってしまうようです。しかし、今後30万円について、毎月18000円ぐらいを返済しなければならないことになります。
こうしていくうち、またたく間に限度額の50万円まで借りてしまうことになります。50万円借りていると、月々の返済は23000円ぐらいになります。もう、収入では返済できない金額になっています。そこで考えつく手段は、他の貸金業者から、また10万円借りてきて返済にまわすという方法です。これを繰り返していくと、3~4年で借金は300万円ぐらいになってしまいます。
特に、家族に内緒で借りている方は、1日でも遅れたら電話が直ぐに掛かってきますから一生懸命返します。そして、借金が増えていきますから、ますます家族に話せなくなるわけです。
ちなみに、貸金業者から借りてる場合、毎月の返済額は借入総額の5パーセントぐらいです。全部で借金が200万円になってしまったら、月々10万円ぐらい返済することになります。先程の家庭ではとても無理なんです。どこかから借りてこないととても返済はできない。そのような形で借金が増えてくるということです。
では、今の奥さんが一体その200万円なり300万円なり膨れてしまった借金を何に使ったかということですが、以上のようなケースでは、明確な回答は出てきません。
もちろん、最初に子供が怪我をしたなど何らかの理由で10万円借りてしまいました。また、枠が増えて借り入れを増加したときに家族で食事に行ったということはあったかもしれません。しかし、その後はほとんど返済です。返済するために借りる、この繰り返しだったわけです。
私は、こうしたケースでは、まず、家族に借金の全てを話してもらうようにしています。なぜなら、ここで債務整理をしたとしても、家族で生活費などの話ができないのであれば再び家族に内緒で借金をする可能性が高いからです。
「これまで一人で悩み続けて大変だったと思いますけど、これからは、家族で生活費の話をするようにしてくださいね」とお話しすると、大抵の方は涙を流します。本当に恐怖の毎日だったのでしょう。
いずれにしても、単に債務整理をするということではなく、なぜこうした借金をしてしまったのか、その理由を考えて、今後再び同じ失敗をしないようにしないことが肝要です。

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2006年7月 6日 (木)

資産の把握

(2)資産の把握
  一般な資産としては、自宅などの不動産、生命保険を解約した場合の解約返戻金、積立金、株式などがあります。このうち、生命保険解約返戻金、積立金、株式などは現金化して返済に充てやすい財産と言うことができます。ただし、現金化して返済に充てるかどうかは、全体的な債務整理の方針を立案してから決定してください。
  その理由としては、特定の債権者にだけ返済をした後に残りの債権者に対する返済ができなくなってしまったりすると、債権者に不平等になるからです。債務整理は、生活の立て直しのために行うのと同時に、債権者に対して平等に行わなければならないからです。
  また、仮に、債務整理の方針が民事再生や破産となった場合には、ある程度の手続費用の負担も出てきますので、その原資とする必要もあるからです。
  さらに、退職金相当額(今退職をしたら支給されるであろう退職金)も把握しておく必要があります。民事再生や破産の場合、退職金相当額の一定割合(概ね8分の1として取り扱っている裁判所が多い)を財産として計上することになりますので、方針を考えるうえで必要な金額だからです。もっとも、退職金欲しさにあわてて退職してしまうのは本末転倒です。

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2006年7月 5日 (水)

支払能力の把握

第3 支払能力の把握
 毎月の返済に追われて相談にお見えになった方に「家計簿はつけていますか?」とお聞きすると、ほぼ全員の方が「つけていません」とお答えになります。それは無理からぬ話です。なぜなら、ご相談に見える方は、どうやって今月の返済をしていくか、そればかり考えているため、その支払いのために他の貸金業者から借り入れをすることに麻痺してしまっており、収支のバランス感覚が崩れてしまっているからです。
 しかし、今後、どのような方法でこうした債務を整理していくかを考えるにあたって、冷静に支払能力を検討してみる必要があります。そのためには、毎月の収支を把握するほか、所有している資産についても財産的な価値を検討する必要があります。

(1)収支の把握
  毎月の収入と収支を把握する理由は、毎月の返済可能金額を算出するためです。ですから、現実に行われている生活状況に応じて把握する必要があります。たとえば、二世帯で生活していても、生活費については世帯毎に管理しているのであれば、やはり債務整理を行う世帯だけの収支を把握するようにしてください。
  また、返済可能金額を絞り出すために極端に生活費を削減することは避けるべきです。仮にそのようにして算出された返済可能金額を基準に返済計画を立てた場合、継続的に返済することができなくなることが考えられます。
  さらに、当面の生活設計を家族でよく話し合ってください。子供の進学を控えていたり、親を介護しているなど、家族によって事情は異なると思われます。
  このほか、収支を把握する場合には、自動車税、固定資産税、社会保険料、自動車の車検・定期点検の費用、NHK受信料なども考慮することを忘れないようにしてください。収支の把握に際しては、巻末の家計表を利用してください。
 ただし、この家計表を作ってみて収入と支出の差額を「現実に支払える金額」と考えるのは総計です。現実に生活費を細かくチェックしていくと、さらに細々した出費がある筈です。町内会費、床屋さんの費用、子供の運動靴等、あげだしたらきりがありません。また、親戚や知人の冠婚葬祭などで突発的な出費も避けられません。したがって、最低でも月に3万円程度は余裕を考えておかなければならないでしょう。

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2006年7月 4日 (火)

過払金に対する利息

(6)過払金に対する利息
 過払金が発生している場合、原則として、過払金の支払いを貸金業者に請求した翌日から支払いがあるまでの期間に対して、年率5パーセント又は6パーセントの遅延損害金を請求することができます(過払金が返還されるまでの利息を請求することができると考えればわかりやすいと思います)。
 ただし、過払金を受け取っていた者が、本来、その過払金を受け取ることができないことを知っていながら受け取っていた場合には、過払金を受け取った日(余分に支払ってしまった日)から年率5パーセント又は6パーセントの遅延損害金を請求することができます(法律上は「悪意の受益者」と言われています)。
 貸金業者は、利息制限法で定められた利率よりも高い利息を受領していたことをわかっている筈です。しかも、グレーゾーンの利息は法律上認められない状況にありますので、「悪意の受益者」と言うことができます。
 実際に「悪意の受益者」として過払金の利息を計算してみると、かなりの金額になることもありますので、根気よく計算してみましょう。

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2006年7月 3日 (月)

延滞があった場合の計算

(5)延滞があった場合の計算
 返済の過程で延滞があった場合には、通常は、遅延損害金を付する約定となっています。遅延損害金についても利息制限法によって次のように上限が定められています(利息制限法改正の経過措置により、取引時期で規定が異なります)。
 ① 平成12年6月1日以降に借り入れたものまたは平成12年6月1日以降に限度額契約をしたもの
   元本が10万円未満の場合        年29.2パーセント
   元本が10万円以上100万円未満の場合 年26.28パーセント
   元本が100万円以上の場合       年21.9パーセント
 ② 平成12年5月31日までに借り入れたものまたは平成12年5月31日までに限度額契約をしたもの
   元本が10万円未満の場合        年40パーセント
   元本が10万円以上100万円未満の場合 年36パーセント
   元本が100万円以上の場合       年30パーセント
 したがって、契約上の遅延損害金が利息制限法で定める利率を超えている場合には利息制限法で定める利率になり、契約上の遅延損害金が利息制限法で定める利率を下回っている場合には契約上の遅延損害金の利率で計算することになります。
 次に、延滞日がいつから始まるかという点ですが、たとえば、毎月10日が契約上の支払日になっている場合には、10日までは利息、11日以降は損害金の計算となります。しかし、10日が土曜日や日曜日であったり祝日であった場合に、支払日が繰り上がることになるのか、繰り下がることになるのかは、契約書にどのような定めがなされているかによって決まります。もしも契約書に、その点について書かれていなければ、次に到来する平日まで支払日が延長されます。
 ところで、貸金業者の取引明細書を見ていくと、10日までに支払うべきものを13日に支払った場合には、11日から13日までは遅延損害金の扱いをし、14日以降は利息の計算をしていることが多くみられます。このように、遅れてしまった弁済をすることによって再び利息扱いにする形態を「期限の利益の再度付与」と呼んでいます。
 したがって、このような場合には、利息制限法の引直計算においても利息・遅延損害金・利息の順番で計算するのが厳密な方法とも言えます。しかし、実務的にはそこまで細かな計算はせず、一部に延滞があったとしてもすべて利息として計算することが多く行われています。
 前述のとおり利息制限法の改正により、時期により損害金の上限利率が異なるため、取引が平成12年5月31日以前から継続している場合(平成12年5月31日までに限度額契約あるいは金銭消費貸借契約がなされていた場合)の遅延損害金の計算は注意が必要です。次のように2本に分けて損害金を計算する必要があります。
 ① 平成12年5月31日現在の元本については、平成12年6月1日以降も従来の利率
 ② 平成12年6月1日以降の借入れについては、新しい利率
 貸金業者の中には、平成12年6月1日以降はすべて損害金利率を新しい利率で計算するところも多いようです。もっとも、延滞日数に対する損害金は計算せず、すべて利息として計算する場合にはこのような煩わしい計算をする必要はありません。

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