カテゴリー「動産譲渡登記」の記事

2016年6月13日 (月)

ABL

649ad090c9db5483b525adb5cbe45102_s


司法書士の古橋清二です。

 

ABLってご存知ですか? Asset Based Lendingの略です。金融機関が、企業や農家等の事業者に対し、商品、在庫、農畜産物、運送業者のトラックなどの動産や売掛債権を担保にして融資することです。

今回受任したのは、牛の牧場を経営している企業に対するABLです。

 

この牧場では、子牛を買ってきて飼育し、大きくなったら出荷します。ですから、牛を担保取得するといっても、担保となる牛は常に入れ替わっていきます。そのため、牛一頭一頭を特定して担保にとってしまうと、牛が入れ替わる度に変更登記をしなければなりません。この煩わしさを避けるため、動産譲渡登記を活用して、一定のエリア(牧場の所在地番で定める)にいる牛は担保に入っているということを公示することができます。

 

動産譲渡登記は、全国で東京法務局一か所だけが取り扱っています。したがって、融資に先立って動産譲渡登記の申請書を東京法務局に送付し、融資実行日に登記が受け付けられるように工夫しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年11月15日 (木)

動産譲渡登記を行うメリットを考える

法務省のホームページでは次のように説明されている。

 動産譲渡の対抗要件は,動産の引渡し(民法第178条)によっても備えることができますが,譲渡人に目的動産の利用を認める譲渡担保の場合には,占有改定の方法により引渡しをすることにならざるを得ません。しかしながら,この占有改定は,第三者からみて外形上その存在が判然としないため,後日,動産を取得する者が現れて,占有改定の有無,先後をめぐって紛争を生じるおそれがあります。
 国の公示制度である動産譲渡登記を利用して対抗要件を具備することにより,こうした紛争を未然に防止することができるほか,仮に紛争になった場合でも,対抗要件を具備していることの立証が容易になると考えられます。
 なお,動産譲渡登記制度が活発に利用されるようになり,高額な動産等,一定の動産について,それが譲渡された場合には登記がされるのが通常であるという取引慣行が形成された場合には,後行の譲受人には,登記の調査義務が認められることになると考えられます。この場合には,登記をすることによって,後行の譲受人による即時取得を防止することができるという効果が生ずるものと考えられます。

これを読んで明らかなとおり、動産譲渡登記制度は動産譲渡担保に利用されることを主目的として設計されている。ただ、将来的には、高額な動産等,一定の動産について,それが譲渡された場合には登記がされるのが通常であるという取引慣行が形成された場合にも利用されることが想定されているようである。
さて、この動産譲渡登記を利用して通常の売買による譲渡を登記した場合、どの様な意味を持つか。たとえば、超大型動産を売買して、それがまだ出荷に数ヶ月を要するような場合、倒産隔離、対抗要件を具備するために動産譲渡登記をすることが考えられないか。そんな議論があるのかないのかわからないが、どんなもんだろうか。

| | コメント (1) | トラックバック (0)